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    【国際福祉機器展2022・ジェイテクト&豊通オールライフ】後付け福祉用品「いつでもウェルキャブ」の「ターンチルトシート」と「車いす収納装置」を展示・実演

    開発中のトヨタ・ハイエース福祉車両用純正アクセサリー「シェイクバンド」と「レステップ」を参考出品

    • #イベント

    2022/10/18

     2022年10月5~7日に東京ビッグサイトで開催された、福祉機器の展示会「国際福祉機器展2022」に、大手自動車部品メーカーのジェイテクトと、豊田通商グループで福祉・介護領域のレンタル卸・販売卸を手掛ける豊通オールライフが共同出展。

     両社ブース内で、トヨタ自動車が2022年9月26日に発表した後付け福祉用品「いつでもウェルキャブ」を先代トヨタ・シエンタに装着した状態で展示・実演したほか、福祉・介護現場の声をフィードバックし開発中のトヨタ・ハイエース福祉車両用純正アクセサリーを参考出品した。

    「いつでもウェルキャブ」を装着した先代トヨタ・シエンタ。写真は「車いす収納装置」で車いすを格納した状態

     福祉車両は、回転シートなどの比較的簡便な装置であっても、新車購入時に架装しなければならないことが多い。また消費税非課税の優遇措置を受けてもなおベース車より高額になりがちなのも、高齢化率が世界一となって約20年が経過した今なお販売・普及が伸び悩む要因に挙げられる。

    「いつでもウェルキャブ」は、既販車に後付けし、また不要になった場合は取り外すことが可能。本稿執筆時点では助手席を手動で回転・前傾させる「ターンチルトシート」と、35kgまでの車いすを電動で収納する「車いす収納装置」を設定するが、いずれも販売価格は14万9600円、豊通オールライフでの月額レンタル料金は3000円~と、安価に抑えられているのも大きなポイントだ。

    「ターンチルトシート」は、シートレールおよび回転・前傾機構のみならず、シート自体も丸ごと交換する仕様。シート本体は2022年8月23日に発売された新型シエンタの上級グレード「Z」用ファブリックシート(消臭・撥水撥油機能付き)がベースとされているが、これを装着可能車種の全車種に適用することで、機能・質感アップとコストダウンを両立させている。

     そのため、取り外された標準装備の助手席はディーラーなどに預けるか自宅に保管する必要があるものの、スペースさえ許せばソファまたはゲーミングチェア代わりに活用できるだろう。

     本稿執筆時点での装着可能車種は先代シエンタ、先代および現行アクア、現行のヤリス、プリウス、プリウスPHV。新型シエンタにも設定される予定となっている。

    「ターンチルトシート」。回転させると座面・背もたれとも前傾し乗降が容易に

    「車いす収納装置」は、後席を格納した状態でリフターとなる本体ユニットをラゲッジスペースに設置し、固定ベルトやリヤレールなどを装着してアクセサリーソケットから電源を取り、エンジンを始動した状態で車いすを固定。専用のリモコンで上昇させ、その後リヤレールを取り外して車いす共々ラゲッジスペースに固定する。

     本体ユニットの脱着は容易で、女性でも簡単に持ち運べるため、車いすを使わない際は通常通りラゲッジスペースを有効活用できるのも、後付けタイプならではの美点だ。

     本稿執筆時点での装着可能車種は新型シエンタのみだが、11月には先代シエンタと現行アクアおよびヤリス、2023年1月には現行プリウスおよびルーミー/タンクも追加される見込み。

    荷室に装着された「車いす収納装置」。写真は車いすを格納する直前の状態

     また、開発中のトヨタ・ハイエース福祉車両用純正アクセサリーとして参考出品されていたのは、バックドアのストラップを延長する「シェイクバンド」と、車いす仕様車のスロープへの乗り込みをスムーズにする「レステップ」の二つ。

    「シェイクバンド」は、標準装備のバックドアストラップが248mmなのに対し、370mmまで延長。身長145mmの小柄な介助者でも、ストラップの脱落を含めた転倒のリスクが高い、背伸びやジャンプなどをすることなく、バックドアを開閉できるよう改善した。

     さらに、中間にバンドを縫い込むことでストラップの輪を広げて掴みやすくしたほか、バックドアを閉めた際にストラップが外に飛び出さないよう内側に巻き込む形状保持部を追加している。

    「シェイクバンド」(手前)と標準装備のバックドアストラップ(奥)

    「レステップ」は、スロープ先端と地面との間に生じるごくわずかな段差を乗り越えるため、その手前で一度停止し、その後力を込めて強引に乗り越えるかウィリーさせる必要がないよう追加する、超小型の樹脂製クリップ(8個セット)。

     車いすユーザーが恐怖や不快感を覚える大きな振動とウィリーを防ぐうえ、介助者の腰への負担も軽減することができる。

    「シェイクバンド」と「レステップ」はいずれも市販化に向けて検討中とのことだが、特に「シェイクバンド」は介助者ならずとも欲しい装備。ハイエース以外の車種にも設定が拡大されることを期待したい。


    (文・写真=遠藤正賢)

    「レステップ」をスロープ先端に取り付けた状態

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