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BASFジャパン、自動車カラートレンド予測を発表
快適さ、親しみやすさを感じさせる色に注目
2020/11/15
BASFジャパン(本社=東京都中央区)はこのほど、3~5年先の新車のボデーカラーに対する提案の一環として、アジア太平洋地域を含む世界の自動車カラートレンド予測を発表した。
提案された塗色は「軸」、「影響力」、「複合」の3つをテーマに作成。これら塗色の総称を「CODE-X」と題し、今年のトレンド予測として発表した。この数年で社会や個人の価値観に大きな変化が生まれていることや、コロナ禍に伴う新たな生活様式が求められているという背景から、穏やかで落ち着きがあり、なめらかさが感じられる色が重要になると予測している。
また、市場別の動向を象徴するキーカラーをアジア太平洋、EMEA(欧州、中東及びアフリカ)、北米の3つに分けて発表。アジア太平洋地域の「ソーシャルカモフラージュ」は、グレーがかったスモーキーなグリーン。角度によって色味が変化するエフェクトカラーであり、感情の揺れ動きや未来に対する柔軟さを表している。他の地域では輝度の高いゴールドのメタリックを取り込んだベージュ、ハイライトとシェードで陰影を強調した赤味のあるグレーが設定された。
アジアパシフィックチーフデザイナーの松原千春氏は、「アジア太平洋地域は個性を強く重視し、現実的かつ積極的な人々が多い。今後はこれまで色が持っていたイメージとは異なる新たな色が生まれる」と分析。この考えに基づき、アジア太平洋地域のキーカラーとして、人々の前向きさや落ち着きを連想させるカッパーやピンクとオレンジを組み合わせた「ドリームファイター」、現実的でユニークな価値観を表すパープルがかったグレー「アンノウンメタル」を提案した。
なお、近年の塗色の技術的動向としては平滑性がある小径のアルミ粒子によって粒子のぎらつきが抑えられる一方、透明度や彩度のある色が表現できるマイクロカプセル顔料が採り入れられている。併せて、今後登場する自動運転車へ採用される塗色に関しては、レーダーや赤外線の反応を阻害しない顔料、アルミ素材の研究が進められていると解説。
アジア太平洋地域のキーカラー「ドリームファイター」について解説する松原千春氏
ソーシャルカモフラージュ(左、アジア太平洋地域)
適度に暗さのあるスモーキーなグリーンは、若い世代の気まぐれに浮遊する心と柔軟さを表現
パンディッツソリューション(中央、EMEA)
保守的な印象のあるベージュに輝度の強いゴールドを組み合わせることにより、ベージュの印象を大きく変える風変わりな色を提案
ダークセルツァー(右、北米)
炭酸水からインスピレーションを得た塗色。やや赤みがかったグレーと粗さのあるメタルが、色合いと質感の両面で遊び心を演出する
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