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    マツダCX-60(KH系)車販のポイントは?【売りたい車図鑑】

    グレード・価格帯とも広範だが商談客の求める使い方・予算・パワートレインに応じて選択肢を絞り込める

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    2024/01/26

    【車販のポイント】
     CX-60にはパワートレインが4種類、かつそれぞれに3つ以上のグレードが設定されており、グレード総数は15(2023年8月1日の価格改定前は16)にも及ぶ。また価格帯も322万3000~646万2500円(同・299万2000~626万4500円)、最上級モデルが最廉価モデルの約2倍と極めて広いため、売る側・買う側双方にとって、どれを選べばよいのかが、一見分かりにくくなっている。

     だが、「25S」と「XD」系、二つのICE(内燃機関。純エンジン車)が廉価・標準タイプ、「PHEV」と「XDハイブリッド」二つの電動車は上級タイプに位置付けられている。また「25S」と「XD」系、「PHEV」と「XDハイブリッド」はそれぞれグレード体系がほぼ共通であり、裏を返せばICEと電動車とで装備の仕様が大きく分かれている。そのため商談客が、

    <使い方>
    1.日常の足としてオンロードでもオフロードでも遠慮なく使い倒したい
    2.休日のドライブを優雅に贅沢に楽しみたい

    <予算>
    1.500万円以下
    2.500万円以上

    <パワートレイン>
    1.ICEでorがいい
    2.電動車がいい

    のかを確認し、一つでも1.が当てはまる場合は「25S」と「XD」系を、全て2.の場合は「PHEV」と「XDハイブリッド」を勧め、そのうえで近距離・街乗り主体ならガソリン車、長距離・山道or高速道路主体ならディーゼル車を提案するのが良いだろう。

    【グレード一覧】*トランスミッションは全車ともトルクコンバーターレス8速AT
    《25S》2.5L直4ガソリン
    25S Sパッケージ…322万3000円/344万8500円(FR/4WD)
    25S Lパッケージ…363万5500円/386万1000円(FR/4WD)
    25S エクスクルーシブモード…404万2500円/426万8000円(FR/4WD)

    《XD》3.3L直6ディーゼルターボ
    XD…353万6500円/379万5000円(FR/4WD)
    XD Sパッケージ…381万1500円/403万7000円(FR/4WD)
    XD Lパッケージ…422万4000円/444万9500円(FR/4WD)
    XD エクスクルーシブモード…463万1000円/485万6500円(FR/4WD)

    《PHEV》2.5L直4ガソリン+プラグインハイブリッド
    PHEV エクスクルーシブスポーツ…609万9500円(4WD)
    PHEV エクスクルーシブモダン…609万500円(4WD)
    PHEV プレミアムスポーツ…646万2500円(4WD)
    PHEV プレミアムモダン…646万2500円(4WD)

    《XDハイブリッド》3.3L直6ディーゼルターボ+マイルドハイブリッド
    XDハイブリッド エクスクルーシブスポーツ…530万7500円(4WD)
    XDハイブリッド エクスクルーシブモダン…530万7500円(4WD)
    XDハイブリッド プレミアムスポーツ…567万500円(4WD)
    XDハイブリッド プレミアムモダン…567万500円(4WD)

     各タイプ・グレード間の、外装の違いについては「BPのポイント」(https://bsrweb.jp/news/detail.php?id=001761)、メカニズムの違いについては「整備のポイント」(https://bsrweb.jp/news/detail.php?id=001771)に詳しいので、それぞれご確認いただきたい。当記事では主に内装の違いについて解説する。

    廉価グレード「XD」のブラッククロス内装

     シート表皮は「XD」グレードと「Sパッケージ」系がブラックのクロスのみ。「Lパッケージ」系はレザーが標準装備で、ブラックまたはグレージュから選択できる。

    「エクスクルーシブモード」系はナッパレザーが標準装備で、ブラックまたはピュアホワイトから選択可能。一方で「エクスクルーシブスポーツ」系はブラックの、「エクスクルーシブモダン」系はピュアホワイトのナッパレザーのみとなる。

    「XDハイブリッド・エクスクルーシブスポーツ」のブラックナッパレザー内装

    「XDハイブリッド・エクスクルーシブモダン」のピュアホワイトナッパレザー内装

    「プレミアムスポーツ」系はメイン生地がキルティング加工入りのレガーヌ(セーレン社の人工皮革)、サイドがナッパレザーのタン色で、他グレードと大きく異なる装いに。「プレミアムモダン」系は「エクスクルーシブモダン」系と同様にピュアホワイトのナッパレザーだが、センターアクセントがブラックのクロスとなる(「エクスクルーシブモダン」系は茶色の合成皮革)。

    「XDハイブリッド・プレミアムスポーツ」のタン色ナッパレザー×レガーヌ内装

     インパネロアパネルやドアトリムの色、インパネおよびドアトリムの加飾は、シート表皮の色や素材に準じて組み合わせられるが、とりわけ特徴的なのは「エクスクルーシブモダン」系専用の、不規則な柄や表情を持つ専用の織物「ルーセントクロス」インパネ加飾&ドアトリム。

     インパネ加飾には掛縫いが中央に入れられており、「和」のテイストが強調されたものとなっている。ドアトリムやセンターコンソールの加飾にはメープル(楓)の本杢が用いられているのもポイントだ(詳細は「車両の特徴」ページ(https://bsrweb.jp/news/detail.php?id=001760)へ)。

     なお「Lパッケージ」系では、ブラック・グレージュの内装色を問わず、インパネ加飾がブラックのシュリンク調合成皮革となるので注意が必要。

     駆動方式、ボディ形式・サイズ、価格帯とも完全にバッティングする競合車種は存在しないものの、FRベースのDセグメントクロスオーバーSUVとしては、メルセデス・ベンツGLC、BMW X3、ジャガーF-PACE、マセラティ・グレカーレといった海外プレミアムブランドのモデルが挙げられる。

     価格帯に加え、大衆車ブランドのプレミアムモデルという珍しいキャラクターにおいても共通しているのが、トヨタ・ハリアー。

     そのトヨタ車らしいそつのない仕上がりと、圧倒的な知名度の高さは脅威だが、CX-60が持つFRベースならではのバランスの良い走りと、プレミアムブランドのライバルを上回る内外装の質感を、積極的にアピールしたい。


    (文=遠藤正賢 写真=マツダ)

    「25S Lパッケージ」グレージュレザー内装の運転席まわり

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