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日産フェアレディZ(ZR34)車販のポイントは?【売りたい車図鑑】
走行ステージがハードなほど高いグレードがオススメ。直接のライバルはトヨタ・スープラ
2024/10/31
【車販のポイント】
グレード構成は搭載されるトランスミッションによって異なり、6速MT車は安価なものから「フェアレディZ」(以下、標準仕様)と「バージョンS」、「バージョンST」の3種類。9速AT車は標準仕様と「バージョンT」、「バージョンST」、「ニスモ」の4種類となっている。
<グレード一覧>*
フェアレディZ(標準仕様)(6MT/9AT)…539万8800円
バージョンT(9AT)…585万8600円
バージョンS(6MT)…624万5800円
バージョンST(6MT/9AT)…665万7200円
ニスモ(9AT)…920万400円
日産フェアレディZニスモ
メーカーオプションは非常に少なく、ボディカラー(MBQバーガンディー(PM)とKADダークメタルグレー(M)以外は全て特別塗装色)を除けば、標準仕様と「バージョンS」にBOSEサウンドシステム(8スピーカー。標準装備はBOSEではない4スーピーカー仕様)を設定するのみ。他のグレードはBOSEサウンドシステムを標準装備する。
グレードごとに大きく異なるのは内装とタイヤ・ホイール・ブレーキ・ディファレンシャルの仕様、前後スポイラーの有無だ。
内装に関しては、標準仕様と「バージョンS」に設定されるのはブラックのファブリック内装のみ。シート各部の調整は手動式となる。
グレード名に「T」が入る「バージョンT」と「バージョンST」は本革(抗菌仕様)&スエード調ファブリックのコンビネーションとなり、色はブラック、レッド、ブルー(2023年8月1日の一部改良で追加)から選択できる。2022年1月14日のデビュー当初に設定された240台限定車「プロトスペック」は専用のイエローのみとなっていた。シートはスライドとリクライニングが電動式で、さらに手動式の運転席ランバーサポートが備わる。
「バージョンT」のブルー本革(抗菌仕様)&スエード調ファブリック内装
「ニスモ」はブラックファブリック内装をベースに、ブラックアルカンターラ×レッドレザー表皮のレカロ製セミバケットシート、本革×アルカンターラ巻きステアリング、プッシュエンジンスターター、12.3インチフルデジタルメーターディスプレイ、ドライブモードセレクターを、専用装備として装着する。
日産フェアレディZニスモのインテリア
タイヤ・ホイール・ブレーキ・ディファレンシャルの仕様については「整備のポイント」で紹介しているので、そちらをご確認いただきたい。
https://bsrweb.jp/news/detail.php?id=002148
外装では標準仕様と「バージョンT」が前後スポイラーなしとなり、グレード名に「S」が入る「バージョンS」「バージョンST」は前後にスポイラーを装着する。
日産フェアレディZバージョンT
「ニスモ」は専用のフロントグリル、前後バンパー、フェンダーモール、サイドシルプロテクター、リヤスポイラー、リヤLEDフォグランプを装着。空気抵抗増加を抑えつつ、ダウンフォース増大とエンジンおよびブレーキ冷却性能の向上を図っている。これに伴い全長は他グレードより30mm長い4410mm、全幅は25mm広い1870mmとなる。
現行ラインアップのまま受注停止が解除されたら……の前提にはなるが、オススメのグレードは商談客の走行ステージによって大きく変わる。街乗りや高速道路が主体なら、標準仕様や「バージョンT」でも問題ないが、ワインディングを走るならば、現行モデルで大幅に底上げされたエンジン性能とのバランスを考えてもブレーキと旋回性能の強化は必須。「バージョンS」「バージョンST」を強く推奨したい。
そしてサーキットを走るユーザーなら、予算が許せばやはり「ニスモ」がベスト。また「ニスモ」以外のグレードに装着される標準シートは座面の設計に難があるため、その点でもレカロ製セミバケットシートを装着する「ニスモ」一択だ。
しかし「ニスモ」には6速MT車がないため、MTにこだわるならば「バージョンST」。ただしチューニングする意向があるならば、装備が最も簡素な標準仕様をベース車として勧めたい。
競合車種はトヨタ・スープラとポルシェ718ケイマン。とりわけスープラは価格帯も近く、直接のライバルと言えるが、フェアレディZは全車に3.0L V6ターボエンジンを搭載。6速MTも多くのグレードに設定されるため、ゆとりに満ちた加速性能と操る喜びを強く訴求したい。
(文=遠藤正賢 写真=日産自動車)
「ニスモ」のレカロ製セミバケットシート
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