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    間違いだらけの自動車修理 いしよしこれでよしwebバージョンvol,4

    トヨタ・ランドクルーザー(VJA300系)の鳴らないスピーカー

    • #特集

    2022/11/08

     トヨタ・ランドクルーザー(VJA300系のみ。ディーゼルを示すFJA300系は今回の話題からは除外する)のガソリン車にはクォーターパネル左側に鳴らないスピーカーが搭載されていることがある。鳴らないというのは、音楽やラジオなど通常の音声が流れないという意味であって全く音が鳴らないわけではない。
     順を追って説明すると、同車のガソリン車にはアクティブノイズコントロールが全車に標準装備されている。この機能は、走行時の雑音(エンジン音、プロペラシャフトの回転音、籠り音など)をマイクで検出し、逆位相の音をスピーカーから発することで打ち消し、車内の静粛性を高めるというもの。ヘッドホンやイヤホンのノイズキャンセリング技術と原理は同じだ。ただ、規模が人間の耳孔か、車室かの違いだ。
     同車(ガソリン車)は、14スピーカー、10スピーカー、6スピーカーの3パターンが存在する。このうち音がなるサブウーファーが装着されているのは、ナビゲーション付きの選択をした場合である(T-Connectナビゲーションシステムがオプション扱いで、そこから更にJBLプレミアムサウンドシステム(14スピーカー)か、10スピーカーかを選択した場合)。ナビゲーションのオプションを付けなかった場合は6スピーカーになるが、それでも全車アクティブノイズコントロール用に10スピーカーシステムと同じ品番のサブウーファーが左側クォータパネル裏側に設置されている。
     通常の音声で使用しなくともウーファーを設置する理由は、次のようなことが考えられる。走行時の雑音は低周波であることが多いが、低音域の音を効率的に発生させるには、ある程度の大きさのスピーカーが必要となるためだ。
     同車のガソリン車でT-Connectナビゲーションが装備されていないにも関わらず、左側クォータパネル裏側にウーファーが装着されていた場合、音声が出ないのは正常であること、修理時に部品の計上モレを起こしやすいので注意したい。

    鳴らないスピーカー(ウーファー)は、赤囲み部付近(左のクォーターパネル裏側)にある

    当社見積りソフトの部品データより(2022年10月版)。JBLか否かの違いだけで、どの条件であればサブウーファーがない条件となるのか(原稿作成時点では、ディーゼルはなし)分からない。見積りソフトの仕様にもよるが、グレードや装備の特定を充分に行わなければ部品の計上モレに繋がる恐れがある

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