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    「SCiB」を用いた12V/24V鉛代替バッテリーで補機バッテリーのメンテナンスが不要になる!?【人とくるまのテクノロジー展2022横浜:東芝】

    マイルドハイブリッド車向け駆動用バッテリーとしての採用実績多数。48V車への活用提案も

    • #イベント

    2022/07/25

     2022年5月25~27日にパシフィコ横浜で開催された自動車技術の展示会「人とくるまのテクノロジー展2022横浜」(主催:自動車技術会)で、東芝は低電圧リチウムイオンバッテリー「SCiB」を出品した。

    東芝「SCiB」

    「SCiB」は負極にチタン酸リチウムを使用することで、発煙・発火リスクを大幅に低減しながら、2万回以上のサイクル寿命を確保。また実効SOC(State of Charge。充電状態)レンジは0~100%と広く、-30℃の低温環境下でも使用でき、かつ短時間で大電流を充放電しても劣化が少ないなど、多くの優れた特徴を持つ。

    「SCiB」が持つ6つの特徴

     そのため、短時間で大電流の充電と放電を繰り返すうえ使用環境も過酷な、アイドリングストップ車やマイルドハイブリッド車の駆動用バッテリーに適しており、すでにスズキや日産・三菱の軽自動車やコンパクトカー、マツダのCセグメント車などで数多くの採用実績がある。

    マイルドハイブリッドの充放電制御イメージ図

     今回東芝ブースで提案されていたのは、この「SCiB」を12V/24V鉛バッテリーの代替品として活用すること。2万回以上のサイクル寿命に加え電解液の補充も必要ないためほぼメンテナンスフリー、-30℃の低温環境下でも使用可能で、重量は鉛バッテリーの約1/2と軽量化にも寄与する。

     そのうえセル配列の自由度が高いため、乗用車向け12Vの場合は既存の鉛バッテリーと同様の形状にも、シート下や荷室などの狭いスペースに設置可能な薄型にも設計できる。商用車向け24Vの場合は搭載する車両の形状やサイズに応じて複数のユニットを直列や並列で配置できることも、鉛バッテリーにはない強みとして挙げられるだろう。

     この12V/24V鉛代替バッテリーが市販車に採用され新車搭載されるようになれば、完全に放電させてしまわない限り、補機バッテリーを2~3年に1回程度交換する必要がなくなるのはもちろん、日常点検さえ不要となる可能性を秘めている。

     カーオーナーにとっても、近年高額化の一途を辿るバッテリー交換の出費をゼロにできるうえ、その時の気候によっては命に関わりかねないバッテリー上がりのリスクも大幅に低減できるなど、良いことずくめだ。

     だが整備・修理工場にとっては、定期的な点検および車検ごとの交換需要が見込める補機バッテリーがメンテナンスフリー化されれば、大きな痛手となるのは間違いない。

    12V/24V鉛代替バッテリーの主なメリット

     また、48Vマイルドハイブリッド車向け駆動用バッテリーへの活用も提案。10kWクラスのP0システム(ISG(Integrated Starter Generator)をパワートレインの外側に置くBSG(Belt driven Starter Generator)方式)から、15kWクラスのP2システム(クランクシャフト軸上にISGを配置しクラッチで断続するCSG(Crankshaft mounted Starter Generator)方式)まで、幅広く対応できることをアピールしていた。


    (文・写真=遠藤正賢 図=東芝)

    12V/24V鉛代替バッテリーの主要諸元

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