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日産フェアレディZ(ZR34)の特徴は? BP・整備・車販のポイントは?【売りたい車図鑑】
プラットフォームとパッケージングを継承しつつデザインとパワートレインを一新、ADASを初搭載
2024/10/30
【車両の特徴】
歴代フェアレディZオーナーからの代替需要を主眼とし、熱狂的な日産ファン、スポーツカー好きの中高年男性をメインターゲットとする、日産を代表する大排気量FRスポーツカー。
現行モデルは2022年1月14日、東京オートサロンの会場(幕張メッセ)で日本仕様(2022年モデル)が初公開。最上級グレード「バージョンST」をベースにイエローを内外装の随所にあしらった240台限定車「プロトスペック」を発表し、同年2月7日より応募受付を開始した。
同年4月25日にはカタログモデルの価格を発表し、夏より販売を開始したが、それ以前の8月1日より、納期長期化が見込まれるとして受注を一時停止。なおこの受注停止は、2024年10月末時点でも続いている。
2023年8月1日には一部改良を実施(2024年モデル)。全グレードにアマゾンアレクサを標準装備するとともに、S30型「フェアレディZ432」のボディカラー・グランプリオレンジをイメージしたECD432オレンジを追加。「バージョンST」および9速AT車の中間グレード「バージョンT」にブルー本革・スエード調ファブリック内装を追加した。
また、パワートレイン、ボディ、シャシー、内外装などを全面的にチューニングした高性能グレード「ニスモ」を追加した。
さらに、2023年1月の東京オートサロンに出品された、初代S30型「フェアレディZ432」のエクステリアにより近づけたコンセプトカー「フェアレディZカスタマイズドエディション」を再現するディーラーオプションパッケージを、2023年10月下旬に発売している。
日産フェアレディZバージョンST(FR)。撮影車両のボディカラーはECBイカズチイエロー(3P)/KH3スーパーブラック(2トーンカラーとしての塗色コードはXJS)
現行モデルは広報・宣伝においては新型とされているものの、実際には6代目Z34型のビッグマイナーチェンジ版。型式は「RZ34」とされており、プラットフォームおよびパッケージングは従来型のものが継承されている。
ただしパワートレインは一新されており、エンジンはスカイライン400Rに搭載されている298kW(405ps)&475Nm(48.4kgm)仕様(「ニスモ」は309kW(420ps)&520Nm(53.0kgm))のVR30DDTT型3.0L V型6気筒DOHC直噴ツインターボに換装。これにリサーキュレーションバルブを追加することで、スロットルバルブ全閉時の回転落ちを早めている。
6速MTは従来のVQ37VHR型3.7L V6 NAエンジンより大幅に増加したトルクに対応すべく、クラッチディスクとギヤトレインを強化。またシンクロナイザーを新設計しシフトプロファイルを変更するなど、シフトフィールの改善も図っている。
ATは従来の7速ATから、メルセデス・ベンツの「9Gトロニック」をベースにジヤトコがライセンス生産する9速ATに一新された。
これらの性能向上に合わせ、ボディ各所へ補強を追加するとともに、シャシーも操縦安定性を高める改良を数多く施している。
ロングノーズ・ショートデッキスタイルの2シーターハッチバッククーペを継承するエクステリアは、従来以上に初代S30型への回帰を強める一方、リヤコンビランプは4代目Z32型をモチーフとする横長のスタイルに変更。
初代S30型や4代目Z32型のモチーフを採り入れつつ、LEDランプの採用などでレトロモダンな装いとなったエクステリア
インテリアは従来型のパーツを巧みに継承しつつ、12.3インチフルデジタルメーターディスプレイや9インチNissanConnectナビゲーションシステムを全車標準装備。レトロ感と先進性、情報量の充実が同時に図られている。
ドアトリムやインパネ助手席側に従来型の面影が色濃く残るものの、メーターやナビなどの一新でモダナイズされた運転席まわり。9速AT車には電制シフトが新たに採用された。ロングノーズのためボンネットのほぼ全体が見え、前後フェンダーの張り出しも大きいため車両感覚は掴みやすい
またADAS(先進運転支援システム)がフェアレディZとして初めて搭載され、衝突被害軽減ブレーキやACC(アダプティブクルーズコントロール)、車線逸脱警報、ブラインドスポットモニター、前後ソナーなどが、6速MT車を含めて全車に標準装備された。
シートはサイドサポートや表皮の変更でホールド性を高めているものの、基本設計は従来モデルから踏襲。座面が短いうえ、写真の電動シートはさらにスライド&リクライニングスイッチが座面の車両中央側に備わる欠陥も、5代目Z33型以降継承されているため、下半身のフィット感は非常に悪い
【撮影車両主要諸元】
注:一部改良前のモデル
●グレード・型式
バージョンST(FR・9速AT)・5BA-RZ34
●全長×全幅×全高
4380×1845×1315mm
●ホイールベース
2550mm
●最低地上高
120mm
●車両重量
1620kg
●乗車定員
2人
●エンジン種類・排気量
V型6気筒DOHCターボ・2997cc
●最高出力
298kW(405ps)/6400rpm
●最大トルク
475Nm(48.4kgm)/1600-5600rpm
●WLTCモード燃費
10.2km/L(総合)
6.6km/L(市街地)
10.9km/L(郊外)
12.6km/L(高速)
●燃料種類・タンク容量
無鉛プレミアムガソリン・62L
●最小回転半径
5.2m
●サスペンション(前/後)
ダブルウィッシュボーン式/マルチリンク式
●ブレーキ(前後)
ベンチレーテッドディスク
●タイヤサイズ(前/後)
255/40R19 96W/275/35R19 96W
●車両本体価格
646万2500円
●装着メーカーオプション
・イカズチイエロー/スーパーブラック 2トーン(8万8000円)
(計8万8000円)
●装着ディーラーオプション(価格は取付工賃込み)
・日産オリジナルドライブレコーダー(フロント+リヤ。DH5-S。8万48000円)
・ウィンドウ撥水12ヵ月フロントウィンドウ+フロントドアガラス2面撥水処理(1万1935円)
・フロアカーペット(ラグジュアリー・消臭機能付き。4万9800円)
(計14万6535円)
●オプション込み価格
669万7035円
(文・写真=遠藤正賢)
リヤサスペンションのアッパーマウントと車体中央の補強バーが大きく張り出す荷室は底が浅く、小型のキャリーバッグを辛うじて横置きできる程度。フロア下には工具やパンク修理キット、BOSEサウンドシステム装着車にはさらにそのウーファーが収まる
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