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日産エクストレイル(T33系)の特徴は? BP・整備・車販のポイントは?【売りたい車図鑑】
初代からの「タフギア」を継承しつつ上質さをプラス。全車に第2世代「e-POWER」と国内初の「VCターボ」を搭載
2024/10/15
【車両の特徴】
アウトドアレジャー・スポーツを趣味とする若者やファミリー層をメインターゲットとするミッドサイズSUV。2020年秋の北米仕様「ローグ」発売から2年弱、2021年後半の中国仕様「エクストレイル」発売から1年弱遅れ、2022年7月25日に日本仕様が発売された。
2024年6月20日には一部改良を受け(発表は同年5月16日)、「インテリジェントアラウンドビューモニター(移動物検知機能付)」と「インテリジェントルームミラー」が全車標準装備に。NissanConnectナビゲーションシステムにHDMI端子を設定し、日産オリジナルナビゲーションやディスプレイオーディオに「インテリジェントアラウンドビューモニター(移動物検知機能付)」の映像が投影可能となった。
また、上級グレード「G」の内装ではタンに加えてブラックのナッパレザーシートが、中間グレード「X」では19インチタイヤ&アルミホイールが選択可能に。さらに、従来はKH3スーパーブラックとの2トーンのみだったボディカラー・KAYシェルブロンドにモノトーンが追加された。
日産エクストレイルG e-4ORCE(4WD車)。撮影車両のボディカラーはKAYシェルブロンド(M)/KH3スーパーブラック(2トーンカラーとしての塗色コードはXEW)
プラットフォームはルノー日産三菱アライアンスの「CMF-C/D」。ボディサイズの変化は少なく、全長は先代より30mm短い4660mm、全幅は20mm広い1840mm、全高は20mm低い1720mm、ホイールベースは変わらず2705mmとなっている。
日本仕様のパワートレインは全面的に刷新され、シリーズハイブリッド「e-POWER」第2世代と、国内初搭載となる可変圧縮比エンジン「VCターボ」との組み合わせのみを設定。フロントモーターはFF車・4WD車とも150kW(204ps)と330Nm(33.7kgm)を発するBM46型、4WD車のリヤモーターは100kW(136ps)と190Nm(19.9kgm)を発するMM48型。発電用のエンジンは前述の通り「VCターボ」を採用した、106kW(144ps)と250Nm(25.5kgm)を発するKR15DDT型1.5L直列3気筒ターボとなっている。
なお4WD車には、前後のモーター出力と左右のブレーキを統合制御する「e-4ORCE」(イーフォース)が実装される。
エクステリアは先代よりもクロスオーバーテイストが弱まり、タフさが強調されたスクエアなスタイルにやや回帰しつつも、上級移行を示唆するかのような、若干シンプルかつモダンなテイストが付与されたテイストに。ヘッドランプは上段にポジションランプとウィンカー、下段にメインランプを配置した2段構造となっている。
ボディカラーは、デビュー直後はモノトーン7色、2トーン5種類の設定だったが、一部改良後はモノトーン8色、2トーン4種類の設定に。2トーンのルーフ色はいずれもKH3スーパーブラックだ。
先代よりもSUVらしい力強さを増しながら、シンプルかつモダンなテイストで仕立てられたエクステリア
インテリアもエクステリアと同様にタフかつ上質なテイスト。「G」グレードにタンまたはブラックの抗菌仕様ナッパレザーシートをメーカーオプション設定するなど、シート生地のバリエーションが非常に多いのも大きな特徴となっている。
なお、シート配置は2列5人乗りが基本で、「X」の4WD車「X e-4ORCE」にのみ3列7人乗り仕様を設定する。
タフかつ上質に仕立てられた運転席まわり。インパネが水平基調なうえボンネットのほぼ全体が見えるため車両感覚は掴みやすい
そのほか、アクセルオフで強い回生ブレーキが得られる「e-ペダルステップ」では、e-POWER車で初めてブレーキ協調制御を採用。加減速を繰り返す市街地走行に加え、状況に応じて自動的に油圧ブレーキを作動させることで、長い下り坂などでもブレーキペダルへの足の踏み替えが少ない快適な走りを楽しむことができる。
前後席ともクッションは硬めで背もたれが小ぶりな傾向。後席は前後スライド&リクライニング調節が可能となっている。写真はタンのナッパレザー仕様
【撮影車両主要諸元】
注:一部改良前のモデル
●グレード・型式
G e-4ORCE(4WD)・6AA-SNT33
●全長×全幅×全高
4660×1840×1720mm
●ホイールベース
2705mm
●最低地上高
185mm
●車両重量
1880kg
●乗車定員
5人
●エンジン種類・排気量
直列3気筒DOHCターボ・1497cc
●エンジン最高出力
106kW(144ps)/4400-5000rpm
●エンジン最大トルク
250Nm(25.5kgm)/2400-4000rpm
●フロントモーター最高出力
150kW(204ps)/4501-7422rpm
●フロントモーター最大トルク
330Nm(33.7kgm)/0-3505rpm
●リヤモーター最高出力
100kW(136ps)/4897-9504rpm
●リヤモーター最大トルク
195Nm(19.9kgm)/0-4897rpm
●WLTCモード燃費
18.4km/L(総合)
16.1km/L(市街地)
20.5km/L(郊外)
18.3km/L(高速)
●燃料種類・タンク容量
無鉛レギュラーガソリン・55L
●最小回転半径
5.4m
●サスペンション(前/後)
マクファーソンストラット式/マルチリンク式
●ブレーキ(前後)
ベンチレーテッドディスク
●タイヤサイズ(前後)
235/55R19 101V
●車両本体価格
449万9000円
●装着メーカーオプション
・シェルブロンド/スーパーブラック 2トーン(5万5000円)
・アダプティブLEDヘッドライトシステム(オートレベライザー付き。3万3000円)
・クリアビューパッケージ リヤLEDフォグランプ(2万7500円)
・ボーズプレミアムサウンドシステム(13万2000円)
・ナッパレザーシート(抗菌仕様。15万4000円)
・ルーフレール+パノラミックガラスルーフ(電動チルト&スライド、電動格納式シェード付き。18万1500円)
(計58万3000円)
●装着ディーラーオプション(価格は取付工賃込み)
・日産オリジナルドライブレコーダー(フロント+リヤ。DH5-S。8万6302円)
・ウィンドウ撥水12ヵ月フロントウィンドウ+フロントドアガラス撥水処理(1万1935円)
・ラゲッジトレイ(1万7800円)
・デュアルカーペット(3万9800円)
(計15万5837円)
●オプション込み価格
523万7837円
(文・写真=遠藤正賢)
4:2:4分割式の後席背もたれを倒すと、若干傾斜が残るもののほぼフラットな荷室が得られる。フロアボードを外すとパンク修理キット&工具入れに加え、ごく浅い収納スペースが現れる。その下には補機バッテリーとボーズプレミアムサウンドシステムのウーファー、リヤモーターユニットが搭載されている。荷室長×幅×高は90~187×109×80cm(筆者実測)
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