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    シネマエンドレス「マッド・ハイジ」

    怒りのハイジがアルプスで大暴れ! (血しぶきで)夏を彩る!

    • #その他

    2023/08/11

    あらすじ

     チーズ製造会社のワンマン社長にしてスイス大統領でもある強欲なマイリは、自社製品以外のすべてのチーズを禁止する法律を制定。スイス全土を掌握し、恐怖の独裁者として君臨した。

     それから20年後。アルプスに暮らす年頃のハイジだったが、恋人のペーターが禁制のヤギのチーズを闇で売りさばいていたことが軍に発覚。見せしめにハイジの眼前で処刑されてしまう。さらに唯一の身寄りであるおじいさんまでもマイリの手下に山小屋ごと包囲されて爆死。愛するペーターと家族を失ったハイジは、邪悪な独裁者を血祭りにあげ、母国を開放することができるのか!?

     世界19カ国538人の映画ファンによるクラウドファンディングで約2億9,000万円もの資金を集めた話題作が内容ド派手に、劇場数はひっそりと公開。

     スイスが誇る名作「アルプスの少女ハイジ」を同国出身の監督とプロデューサーがB級エログロバイオレンスバージョンに大胆アレンジ。出ている俳優も意外と豪華なおバカ映画がひっそり公開(2回目)。

    ©SWISSPLOITATION FILMS/MADHEIDI.COM

    筆者の推しどころ

     クラファンで資金を集め、ハイジをリメイク……2019年8月号で紹介したヒトラーが恐竜に乗り攻めてくる破天荒映画「アイアン・スカイ」と同じ臭いだ。

     このB級ハンターの目はごまかせないぞ! 調べたらなんとプロデューサーが同じじゃん……。

     闇チーズブローカーの黒人ペーターのド派手な射殺、隻眼のおんじ唐突な爆死、アルペンレスリングという謎スポーツ、名取裕子似の施設長、なぜか日本刀で特訓するハイジ(しかもあまり使わない)、もし人気になったら……を見越した続編を臭わせるラスト、どれを取っても圧倒的B級で鑑賞後なんだか不思議と幸せな気分になれる。
     

     なお、こんなアホみたいな脚本を書いたのは現職の警官で、副業がバレたからではなく「こんなのを書く人間は警察にふさわしくない」という理由で解雇され、後に警察相手に裁判を起こし多額の慰謝料を手にしたという、作品外でも話題を呼んだ2023年ド本命のB級大作!

    ©SWISSPLOITATION FILMS/MADHEIDI.COM

    監督:ヨハネス・ハートマン、サンドロ・クロプシュタイン
    ハーク/ S・D・P配給
    公開中

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