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    検査用スキャンツールを対象とした2023年度スキャンツール補助金はどうなる?【オートサービスショー2023・国土交通省】

    国交省・佐橋真人整備課長がセミナー「自動車整備行政の現状と今後の取り組み」で特定整備制度や整備要員の人材確保策などについて解説

    • #イベント

    2023/07/25

     2023年6月15~17日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された、自動車整備機器の展示会「第37回オートサービスショー2023」(主催:日本自動車機械工具協会)。

     国土交通省自動車局の佐橋真人整備課長は、「自動車整備行政の現状と今後の取り組み」と題したセミナーで、特定整備制度や整備要員の人材確保策などについて解説した。

     2020年4月より開始された特定整備制度において新設された「電子制御装置整備」の認証取得件数は、2023年4月時点で4万4690件であることを報告。そのうえで、「最近は認証向上の取得が増えている」傾向を示しつつ、「電子制御装置整備の経過措置が終了する今年度末(2024年3月末)には駆け込みが増え、審査に多くの時間を要する見込み。早めの申請をお願いしたい」と整備事業者に呼びかけた。

    国土交通省自動車局の佐橋真人整備課長

     2013年より毎年実施されているスキャンツール導入補助の今2023年度分については、2024年10月より開始される「OBD検査」で必須とされる「検査用スキャンツール」の型式認定を取得した機器を対象に、補助率1/3以内、上限額は1事業者あたり15万円の範囲内で補助。「従来のエネルギー対策特別会計からの2億円に加え、新たに自動車事故対策勘定から4.8億円、合わせて6.8億円」が予算となる見込みを明らかにした。

     なお、本セミナーが開催された2023年6月15日時点、また本記事公開時点において、「検査用スキャンツール」の型式認定を取得した機器は、バンザイ「MST-nano」とインターサポート「G-SCAN Z」の2機種のみ。こうした状況を受け、スキャンツール導入補助の「実施時期については検討中」としている。

     その「OBD検査」については、2023年4月21日にOBD検査システムをリリースするとともに、「OBD検査ポータル」(https://www.obd.naltec.go.jp/)を開設したことを紹介。システムへの利用者登録を整備事業者に呼びかけた。

    「OBD検査ポータル」トップページ

     自動車整備要員の現状に関しては、「2011年度の有効求人倍率は、全体の0.59倍に対し自動車整備士は1.07倍だったが、2022年度は全体の1.19倍に対し自動車整備士は4.72倍。自動車整備学校への入学者数も、2003年の1万2394人から2021年は6536人へとほぼ半減」するなど、人材不足が顕在化。

     さらに自動車整備要員の平均年齢も、2003年の39.7歳から2021年は46.7歳へと上昇しており、「高齢化によりフルタイムで働ける人も少なくなっているので、不足感はより深刻になっている」と警鐘を鳴らしている。

     その対策として、自動車整備人材の募集・定着・育成に向けた各施策を紹介。自動車整備士資格制度を2022年5月に改正するとともに、電気・電子系学科卒者の受験に必要な実務経験期間の短縮、三級整備士試験の受験に必要な実務経験の解釈変更、一級整備士の口述試験廃止などの見直しも実施した。

     また、新たな取り組みとして、高校・大学・専門学校生などを対象としたインターンシップ「カー・メカニックワークチャレンジ2023」を2023年7月24日から9月16日まで実施するほか、「自動車整備士の働きやすい職場ガイドライン」を策定している。


    (文・写真=遠藤正賢 図=自動車技術総合機構、国土交通省)

    「カー・メカニックワークチャレンジ2023」キービジュアル

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