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【国際福祉機器展2022・マツダ】ロードスターとMX-30の手動運転装置付き「SeDV」を出品
「フライングジーンズ」プロジェクトメンバーとSeDV開発主査による特別トークセッションを実施
2022/10/25
2022年10月5~7日に東京ビッグサイトで開催された、福祉機器の展示会「第49回国際福祉機器展 H.C.R.2022」(主催:全国社会福祉協議会、保健福祉広報協会)。
マツダは「ロードスター」と「MX-30」の手動運転装置付き車両「SeDV(Self-empowerment Driving Vehicle)」を出品した。
マツダ・ロードスターSeDV
ライトウェイトFRオープンスポーツカーの「ロードスター」は、マツダが掲げる“人馬一体”の走りを象徴するモデル。現行モデルの4代目は2015年5月に発売されている。
2017年9月に追加された「手動運転装置付車」(当時。現在は「SeDV」)は、左手でアクセル・ブレーキ操作でき、ウィンカーやホーンなどのスイッチも集約されているコントロールグリップを標準装備。
また、6速ATのマニュアルモード変速を、シフトアップはベース車に標準装備のパドルシフト、シフトダウンはステアリング右側のスポーク内に追加したスイッチで操作可能としている(クルーズコントロールなし車に標準装備)。
そのほか、片手でステアリング操作を行える「旋回ノブ」や、折りたたみ可能で運転中に邪魔にならない「乗降用補助シート(サイドサポート)」、一人で乗車した場合に車いすを助手席に収納するためのカバーをオプション設定している。
ロードスターSeDVの手動運転装置。オプションの旋回ノブや乗降用補助シートも装着されていた
「MX-30」はクーペライクなフォルムと観音開きドアが特徴的な、ミッドサイズのクロスオーバーSUV。マイルドハイブリッドモデルは2020年10月、マツダ初となる量産EVモデルは2021年1月、そして「SeDV」は2022年1月に発売されている。
前後ドアを同時に開ければ広大な開口幅が得られるため、車いすユーザーでも乗り降りがしやすく、また乗車後に後席へ車いすを積み込みやすい。
マツダMX-30 SeDV。展示車両は車いす電動収納ルーフボックスも架装されていた
MX-30用の手動運転装置は、ステアリング内側に装着されるリングを押し込むと加速する「リングアクセル」と、運転席左側に装着されるレバーを前に押し込むと減速する、ハザードスイッチおよびブレーキロックボタン付きの「レバーブレーキ」で構成されている。
なお、レバーブレーキを押し込み、ブレーキロックをかけた状態でイグニッションをONにすると、アクセルペダルでの操作はできなくなる。その一方で、フットブレーキを踏んでイグニッションをONにすると、アクセルリングでの操作はできなくなり、アクセルペダルでの操作が可能となる。この仕組みが実装されたことで、手動運転機能と通常運転機能の切り替えが簡単に行えるようになった。
また、レバーブレーキ操作時などに左肘を支える「ブレーキサポートボード」と、運転席と車いすとの乗り換えを補助する「移乗ボード」を標準装備。なお「移乗ボード」は、足を出し入れする際に邪魔にならないよう前側をえぐった形状とされたほか、運転操作やエアバッグ展開の妨げにならないよう、折りたたんで前側に跳ね上げられるよう工夫されている。
MX-30 SeDVの手動運転装置。ブレーキサポートボードと移乗ボードも装着されている
マツダブースではこの両車を展示したほか、障がいがあってもオシャレをしたいとの想いから生まれた「フライングジーンズ」のプロジェクトメンバーと、SeDVの開発主査による特別トークセッションを実施。
丸和繊維工業の伊藤哲朗常務、山形バリアフリー観光ツアーセンターの加藤健一代表理事、マツダ商品本部の前田多朗主査が登壇し、車いすユーザーが快適に楽しめるファッションやドライビングのためのものづくりについて、それぞれのこだわりや両者に共通する想いを語り合っていた。
(文・写真=遠藤正賢)
特別トークセッションの様子。右より伊藤常務、加藤代表理事、前田主査
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