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「ヤナセクラシックカーセンター」レストア事業最新の取り組みを紹介。樹脂部品修理と「ほぼ無水DE洗車」の実演も【オートモビルカウンシル2022詳報:ヤナセ】
ヤングクラシックのメルセデス・ベンツ&フォルクスワーゲン車8台を展示
2022/04/27
2022年4月15~17日に幕張メッセで開催された、新旧名車と自動車文化の展示会「オートモビルカウンシル2022」。
国内外から76社・団体が出展した中、ヤナセは2018年4月に設立した「ヤナセクラシックカーセンター」でのレストア事業を紹介。クラシックカーとしては比較的新しく親しみやすい、1985~95年式のメルセデス・ベンツ車6台とフォルクスワーゲン車2台の計8台を展示した。
記者会見に臨むヤナセオートシステムズの宮原起美社長
記者会見の席で、ヤナセオートシステムズの宮原起美社長は、同社が運営する「ヤナセクラシックカーセンター」の役割について、以下のように説明している。
「新車の分野ではCASEに代表される電動化・電子制御化が目まぐるしいスピードで進んでおり、整備工場で働くメカニックはそれらのハイテクカーに対応すべく、技術力や知識を高めることに努めている。
一方で長年乗り続け、または乗り継いで来られたお客様や、新たにクラシックカーのファンとなられたお客様の、今なお愛され続ける車たちを楽しく、安全にご愛用いただくためにお手伝いをすることが、ヤナセクラシックカーセンターの役割である。
同センターでは、ベテランメカニックが今まで培ってきた技術力を先輩から後輩に、実車でのOJTにより伝承していくことを大切にしている。また、そのような伝承風景を電子媒体に保存して、見える形で蓄積する努力も続けている。
微力ではあるが、このような取り組みが、今後の日本におけるメルセデスをはじめとしたクラシックカーの整備技術を高め、クラシック文化醸成の一助になることを願っている」
一方、クラシックカーの整備・修理にあたっては、補修部品と技術情報の入手が大きなハードルとなるケースも少なくない。
その対策としては、「ドイツのテクノクラシカなど海外のクラシックカー展示会に出向き、レストア関連企業から調達している。ここ数年はコロナ禍のため海外展示会には参加していないが、状況が改善し次第、新たな取引先の開拓にも力を入れていきたい。昨年紹介した3Dプリンターでの部品制作や、今回の展示でお見せするプラスチック部品の溶接技術など、調達政策の難しい部品の補修・再生についても積極的に取り組んでいく」(宮原)方針を説明。
ブース内には米ポリバンス社の窒素シールドプラスチック溶接機を用いた樹脂部品修理のほか、クラシックカーのボデーに優しい「ほぼ無水DE洗車」の実演コーナーを設けていた。
米ポリバンス社の窒素シールドプラスチック溶接機を用いた樹脂部品修理実演の様子
「ほぼ無水DE洗車」の施工サンプル。左のスポンジを用いたシャンプー洗車、右の一般的なクロスで水拭きした部位は細かな傷が入っているのに対し、中央の「ほぼ無水DE洗車」とWAXがけを100回行った部位は傷がほとんど見られない
さらに、「クラシックカーの価値や評価を高めるため」(宮原社長)、テュフラインランドジャパンとの連携を強化している。
ヤナセクラシックカーセンターは2018年6月に、テュフラインランドジャパンの「クラシックカーガレージ」認証を取得。2021年12月には、同センターがレストアを行った1958年式メルセデス・ベンツ190SLに対し、テュフラインランドジャパンから輸入車初の「レストア車両適合証明書」が発行されている。
さらに、1991年式フォルクスワーゲン・ゴルフカブリオレに対しても、2022年4月に「レストア車両適合証明書」を発行。その実車と実物が展示され、大きな注目を集めていた。
(文・写真=遠藤正賢)
1991年式フォルクスワーゲン・ゴルフカブリオレ
テュフラインランドジャパンの「クラシックカーガレージ」認証とゴルフカブリオレの「レストア車両適合証明書」。同証明書には車両の状態が細部まで写真付きで記録されるだけではなく当該車両の歴史まで記されている
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