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    カーボンニュートラル実現に向けて自動車の電動化は世界と日本でどう進む?【IAAE2022セミナーレポート01:経済産業省】

    直近の原油価格高騰を受けて令和3年度補正予算CEV補助金の車両購入補助額を一律5万円増額

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    2022/03/09

     2022年3月9~11日の日程で東京ビッグサイトにて開催中の、自動車アフターマーケット総合展示会「国際オートアフターマーケットEXPO2022」で、総計39本が公開予定のセミナープログラム。

    「自動車産業を巡る動向とカーボンニュートラル実現に向けた取り組み」には、経済産業省製造産業局自動車課の大崎友和課長補佐(部品担当)が登壇。自動車産業におけるカーボンニュートラル実現に向けた同省の取り組みについて講演した。

     GX(グリーントランスフォーメーション)やDX(デジタルトランスフォーメーション)、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)が加速し、車の使い方も作り方もかつてない速さで変化している中、「カーボンニュートラル」というキーワードが昨年来より大きな注目を集めている。

     2020年12月に政府が策定した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では、2035年までに乗用車新車販売を100%電動化、2050年までにライフサイクルでのカーボンニュートラル実現が目標として設定されたほか、クリーンエネルギーの供給拡大をめざし急速充電器や普通充電器、水素ステーションの整備も推進する方針が示された。

     また2021年6月の改定では、商用車の数値目標が設定されるなど、「グリーン成長戦略は今後も随時変更・追加される」ことが示唆されている。

    経産省の大崎友和氏

     その中で世界各国はどのように動いているのか。欧州委員会は提言として、2035年にハイブリッド車/PHV含む内燃機関車の販売禁止を発表。アメリカは2021年8月、EV(電気自動車)/PHV(プラグインハイブリッド車)/FCV(燃料電池車)販売を50%とする目標を設定した。「電動化の動きは日本だけのものではない。しかもそうした取り組みが各国で加速しつつある」と指摘した。

     新車販売においても2020年まで日本以外の各国は電動車の割合が低かったものの、2021年は急速に拡大しており、とりわけドイツ、イギリス、中国はEVの新車販売比率が上昇。対する日本は乗用車の電動車販売比率が2021年時点で40.1%に達しているものの、保有台数ベースで見るとその比率は19.2%。中でもEVは0.2%に留まっているのが実情だ。

     そうした状況を受けて自動車メーカー各社は、カーボンニュートラル実現に向けた目標を相次いで発表。とりわけ主要な市場で意欲的な目標を掲げている。だが電動車の販売比率を高めるには、コストと重量に大きく影響するバッテリーの開発・生産が大きなカギとなる。

    各国の乗用車新車販売に占める電動車比率

     経産省としても電動車の普及を後押しすべく、CEV(クリーンエネルギー自動車)・インフラ導入促進補助金の補助上限額を増額。原油価格が高騰している中で、ガソリン使用量削減にも寄与するものとして、「岸田文雄内閣総理大臣からさらなる推進の指示があり、CEV補助金の補助額が当初の予定より5万円増額された」と、内情を明らかにした。

     一方、電動車の普及には、インフラの拡充も欠かせない。急速充電器3万基、普通充電器10万基、水素ステーション1,000基をめざし、こちらにも補助金を用意している。

    令和3年度補正予算CEV補助金の概要

     しかしながら、電動車の普及が進めば、エンジンやトランスミッションなど従来の部品の需要が減少していく。そうした部品のサプライヤーの電動車部品製造を支援する「自動車産業『ミカタ』プロジェクト」を2022年度から開始する計画となっている。

     これらの支援策は無論、自動車アフターマーケットも密接に関わるもの。CEV補助金は電動車の販売に際して熟知する必要があるのはもちろん、「自動車産業『ミカタ』プロジェクト」は整備・修理工場が電動車整備・修理のための設備を導入する際に活用しない手はない。今後の電動車取扱台数拡大にいち早く備えることの必要性を示唆し、講演を締めくくった。


    (文・写真=遠藤正賢/図=経済産業省)

    令和3年度補正予算CEV補助金の概要

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