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インテリアリペア(内装補修)ビジネスをコロナ禍のいま導入する意義とは?【IAAE2021セミナーレポート10:アスナル】
車両のコストダウンや使用年数増加、旧車人気に加え安全な移動手段としてのニーズ拡大により重要度はさらにアップ
2021/06/11
3月17~19日にオンラインで開催された自動車アフターマーケットの総合展示会「IAAE2021 ONLINE Vol.1」で、総計43本が無料公開されたセミナー。
「インテリアリペア(内装補修)を収益の柱に!~インテリアリペア(内装補修)を導入するメリットと実演~」には、アスナルの宮崎慎也社長が登壇。自動車アフターマーケットの近況を踏まえた内装補修ビジネス参入の意義について、作業実演動画も交えながら講演した。
アスナルの宮崎慎也社長
国内新車販売は1990年の778万台をピークとし、近年は500万台前後で推移している。だがその間に、自然災害や地政学的リスクの分散などを主眼として、海外での生産比率が上昇。以前にも増して、地域ごとのニーズに合わせたクルマが開発・生産・販売されるようになった。
また、軽自動車やコンパクトカーのみならず高級車・輸入車まで幅広い車種でコストダウンが進んでおり、ヘッドライトの黄ばみやアルミモールのくすみ、ダッシュボードのひび割れやルールライニングのはがれなど、素材の劣化が従来よりも早く進行。
そのうえ車両の使用年数が増加し、1980~90年代の国産ネオヒストリックカーの中古車相場が上昇し続けていることで、外装のみならず内装のクリーニングや部分リペアの需要がますます増大していると、宮崎社長は分析している。
内装補修ニーズ拡大の背景
そうした近況に対応すべく、アスナルでは「レザーリペアキットMF01LR」や「クロスリペアキットMF02CR」、「ルーフライニング張替えキットMF03RL」といった内装補修キットを展開。
「導入後は100V電源とコンプレッサーを用意していただければすぐに事業をスタートさせることができる」(宮崎社長)うえ、「作業マニュアルブックおよび動画もあり、導入前後の技術研修なども用意している」。
作業上の共通点が多い車体修理工場のみならず、整備工場やディテーリングショップなどでも新規参入しやすいよう配慮しているのは、同社ならではと言えるだろう。
「レザーリペアキットMF01LR」を用いたレザーシート亀裂補修作業事例
同講演では「レザーリペアキットMF01LR」を用いたレザーシート亀裂補修およびビニールレザーシボ模様補修、「クロスリペアキットMF02CR」を用いたファブリックシートタバコ焦げ跡補修、「ルーフライニング張替えキットMF03RL」を用いたルーフライニング張り替え作業の実演動画も公開。
「喫煙率が低下したことで、タバコの焦げ跡がある車両に対する査定時の印象は、以前にも増して悪くなっている」といったビジネス上の意義も交えながら、各作業の注意点を分かりやすく解説した。
「クロスリペアキットMF02CR」を用いたファブリックシートタバコ焦げ跡補修作業事例
講演の最後に宮崎社長は、「コロナ禍によって明らかになったのは、クルマはライフラインだということ。“密”を避けながら安全に移動できる手段として大活躍している。これにより自動車、特にアフターマーケットは良い影響を受けているが、今は100年に一度の変革期の真っ只中で、事故の減少により車体修理入庫台数が減少するなど、衰退するサービスが現れているのも事実」と近況を分析。
「だがクルマを大事に乗り続ける人たちのためにも、自動車アフターマーケットがすべきことはまだまだたくさんある。特にディテーリングビジネスは伸びしろも大きく、クルマの進化に合わせて様々な収益アイテムが出現している」と述べ、今後のビジネス展望を前向きに示している。
(文=遠藤正賢/写真=IAAE運営事務局/図=アスナル)
「ルーフライニング張替えキットMF03RL」を用いたルーフライニング張り替え作業事例
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