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    【国際福祉機器展2023・スズキ】衝突被害軽減ブレーキを備えたセニアカー「ET4D」一部改良モデルを参考出品

    「車椅子簡易固定システムガイドライン」に準拠した「車椅子簡易固定装置」を装着する「スペーシア」の車いす移動車も参考出品

    • #イベント
    • #一般向け
    • #車販

    2023/10/14

     2023年9月27~29日に東京ビッグサイトで開催された、福祉機器の展示会「第50回国際福祉機器展 H.C.R.2023」。

     スズキは同社が展開するセニアカーの中から「ET4D」の現行モデルに加え、年内発売予定の一部改良モデルも出品し、デモンストレーションも行った。

    スズキET4D一部改良モデルで「障害物検知サポート」を実演する様子。バリアに向かって加速し続けると自動的に減速・停止した

    「セニアカー」とは、徒歩や自転車での外出が難しい、主に高齢者が日常の移動手段として使用する、ハンドル形電動車いすのこと。使用時の速度は1~6km/hの間で設定でき、道路交通法上は歩行者として扱われる。

    「ET4D」はスズキのセニアカーラインアップの中でも、容量25Lの大型バスケットやレッグシールド、前後LED点滅ランプを備える上級モデル。JIS T 9208:2016モード連続走行距離距離は31kmと、同19kmの標準モデル「ET4E」よりも、遠くまで買い物に出かけやすい仕様になっている。

     開発中のものとして参考出品された「ET4D」の一部改良モデルは、車体前方に超音波センサー(ソナー)を4つ装着し、「障害物検知サポート」を実装。

    スズキET4D一部改良モデルに装着された4つのソナー

     正対する壁や太いポールなどの障害物をソナーが検知すると、走行距離計が時計回りに点滅するとともにブザーで警告し、さらに障害物に近づくと自動で減速するという、クルマの衝突被害軽減ブレーキと同様の機能を備えている。

     また、シートクッションを改良し乗り心地を改善したほか、LEDヘッドライトの照射範囲や明るさを向上させて被視認性をアップするなど、細部にも改良が施される予定となっている。

    スズキET4D一部改良モデルのハンドルまわり。走行距離計は最前部中央に備わる。従来は距離計リセットスイッチだった右上のボタンが、障害物センサーON/OFFスイッチに変更されている

     福祉車両「WITH(ウィズ)」シリーズからは、エブリイ/エブリイワゴンの車いす移動車、ワゴンRの昇降シート車を展示したほか、スペーシアの車いす移動車に「車椅子簡易固定装置」を装着した車両が参考出品された。

     スペーシアに装着された「車椅子簡易固定装置」は、車いすや車いす移動車、バスを開発・製造するメーカー13社で構成される「車椅子簡易固定標準化コンソーシアム」(主催団体:日本福祉車輌協会)が制定した「車椅子簡易固定システムガイドライン」に沿って開発されたもの。

    スズキ・スペーシアの車いす移動車に「車椅子簡易固定装置」を用いて乗り込む様子

     同ガイドラインに沿ってアンカーバーが設けられた車いすに、ウィンチベルトをかけて規定の位置まで車内へ引き上げると、ウィンチが自動的にロックすることで車いすが固定される。そのため従来は別途必要だった、後部固定ベルトを用いた4点固定が不要となり、介助者の負担が大幅に軽減される。

     この「車椅子簡易固定装置」を装着した車両は、「車いすメーカーや自動車メーカー各社が足並みを揃える形で、2024年内に発売される」(同社説明員)見込み。


    (文・写真=遠藤正賢)

    「車椅子簡易固定装置」で車いすが固定された状態。ウィンチベルト先端のアンカーが車いすのアンカーバーに掛けられ、ロックされているのが分かる

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