Q&A 鈑金・塗装のご相談
法令
2013/08/11
Q
- 質問者
ドットコムさん
鈑金塗装工場を運営するにあたり実施義務があり保管しなければいけない資料 ブース自主点検 風総計記録 健康診断など 又 必要な資格 乾燥設備など 労働基準監督署が示すものを一覧として教えてください
自分がそろえてるものがすべてなのか自信がありません
法令順守の為にもよろしくお願いします。
A
- 回答者
プロトリオス
所轄の労働基準監督署に示すべき内容としては、「労働基準法」や「労働安全衛生法」にかかわる分野となります。労働基準法では、10人以上を雇用していれば就業規則を作成して労働基準監督署へ届け出る等の対応が必要です。現場にかかわるのは「労働安全衛生法」でこの下に、さらに細部を規定した規則があり、「労働安全衛生規則」にはじまり、おなじみの「有機溶剤中毒予防規則」、最近話題の「特定化学物質障害予防規則」、「粉じん障害防止規則」など分野別に規定されています。さらに、具体的に関係する物質名などは別に省令・政令で公示され、たびたび改定されていく構造ですから、なかなか全貌をつかんですべてに対応している鈑金塗装工場は少ないのではないでしょうか。
これら、法律で規定されていることを読んでいくと、?事業者は労働者のために安全衛生対策に配慮した作業環境を用意する、?危険作業については労働者に対する教育等を行わなければならない、?必要な記録を残す、ということになりそうです。
有機溶剤であれば作業環境について濃度測定し、規制されている物質の使用量などを塗料販売店に聞くなりして、規制対象作業場なのかを確認します。ここで基準をクリアできていれば、労働基準監督署に届け出て承認を得ることで、規制の対象にはなりません。他の分野の個々の項目においても、条件があり、それを超えると対策が必要になる構図です。
・有機溶剤中毒予防規則で必要なこと
局所排気装置またはプッシュプル型換気装置の設置の届け出
本格タイプの塗装ブースはプッシュプル型換気装置、調色室の調色ブースが局所排気装置となります。
設置に当たっては、ブースメーカーがデータなどを用意、各種届出書の案内をしてくれるのが一般的です。消防法など関連法規も確認が必要です。
定期点検
1年以内に1回、自主点検を実施します。
点検項目
?フード、ダクト及びファンの摩耗、腐食、くぼみその他の損傷の有無及びその程度、?ダクト及び排風機におけるじんあいのたい積状態、?排風機(送風機及び排風機)の注油状態、?ダクトの接続部における緩みの有無、?電動機とファンを連結するベルトの作動状態、?吸気(送気、吸気)及び排気の能力、?前各号に掲げるもののほか、性能を保持するため必要な事項
記録と保存
?検査年月日、?検査方法、?検査箇所、?検査の結果、?検査を実施した者の氏名、?検査の結果に基づいて補修等の措置を講じたときはその内容について、3年間の保管
→ほかに有機溶剤作業主任者の職務として、1月を超えない期間ごとに点検することという項目もあります。
乾燥設備作業主任者講習の受講と、修了した者から責任者を選定して届け出る。
有機溶剤作業主任者講習の受講と、終了した者から責任者を選定して届け出る。
作業者には年2回の定期健康診断の実施、結果の届け出、5年間の保管。
有機溶剤業務を行う屋内作業場について、6ヵ月以内ごとに1回、定期的に、当該有機溶剤の濃度を測定しなければなりません。また、測定を行ったときは記録して、これを3年間保存しなければなりません。
なお、届け出には変更届があります。たとえば有機溶剤作業主任者の氏名が変更になれば、届け出ます。維持していく上で、変更届は他の法律を含めて、忘れがちになりやすく注意が必要です。
・特定化学物質障害予防規則
この特化則はエチルベンゼンが対象物質となり、一部の塗料に規定量以上含まれていることがあるため、話題となりました。塗料メーカーの発行している塗料ごとのMSDS(MDS)シートで含まれているかどうかの確認はできます。
特定化学物質は、より管理が厳しくなり、エチルベンゼンの作業環境測定結果の30年間保存、健康診断は雇い入れ時、就業直前、その後も定期的な実施。実施の届け出と、健康診断個人票の30年間保存が義務づけられています。
工場運営で、有機溶剤だけをみてもいろいろな法律での規定があり、消防法の危険物として、大気汚染防止法、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)、悪臭防止法の対象物質としても出てきます。それぞれ、管轄が異なると届け出先も異なります。
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