Q&A 鈑金・塗装のご相談
4輪アライメントの計上について
2017/12/04
Q
- 質問者
街の鈑金屋さんさん
フロントはストラット方式、リヤはリジット方式の軽自動車で右のフロントサスペンションに直撃がありました。他の3輪へ波及はありません。保険修理で指数を使用して協定をする場合、4輪アライメントの計上はできますか?
ちなみに、ADAS等の先進技術は搭載していません
A
- 回答者
プロトリオス
4輪ホイールアライメントの計上についてお答えします。
結論から申し上げますと、リヤに調整機構がないリジッドサスペンションではそもそも4輪ホイールアライメントの計上は難しいと考えられます。
お問い合わせの内容では判断が難しいのですが、フロントサスペンションの脱着などの作業をしていれば、フロントサスペンションの作業にフロントホイールアライメント測定微調整が含まれるので尚更です。
また、保険会社が4輪ホイールアライメントを認めるには、各社若干の違いがあるものの、おおよそ次のような条件があります。
1.4輪ともにホイールアライメントの調整機構がある
2.サスペンションを脱着または交換している
3.サスペンション構成部品(アーム、クロスメンバーなど)にダメージが認められる
この条件のうち、まず1は最低限満たしていなければなりません。その上で、2または3の片方あるいは両方の条件を満たしている場合に4輪ホイールアライメントの計上について議論の余地が生まれます。
しかし、昨今のFF車は一部の上級グレードを除いてリヤのサスペンションはアライメント調整機構がないトーションビーム式が主流です。
つまり、大衆車の前輪駆動はほぼ計上できる余地がありません。仮にリヤのアライメントが狂いスラスト角に問題が生じているのであれば、それはボデーが歪んでいるか、リヤサスペンションの損傷を見落としている可能性があります。つまり、アライメント調整以外の問題が発生しています。
お問い合わせの内容のように、右側フロントタイヤに入力があれば対角の左側リヤのアライメントが狂うと考えて4輪ホイールアライメントを計上したいという声は時折耳にします。これは、微妙な問題で、リヤがマルチリンク式でアームが多ければ狂う可能性はまったくないわけではありません。
しかし、マルチリンク式の場合は通常の走行でも時間が経てば徐々に狂います。そのズレが事故によるものかどうか分からないものについて保険会社は計上を拒む傾向にあります。
ここまで、アライメント調整の計上が難しいと申し上げてきましたが、まったく何も計上できないことではありません。トレッドとホイールベースを計測し、片側が大きくずれていた場合などは、まずサイドスリップを合わせてみると言うことで交渉すると、譲歩を見せるケースもあります。
そこでサイドスリップが合わせられないほどずれていれば改めて交渉する方法も考えられます。
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