Q&A 鈑金・塗装のご相談
圧送塗装ブースおよび水性塗料
2021/01/17
Q
- 質問者
西田さん
政府は、企業が脱炭素に向けた戦略や気候変動への対策を積極的に開示するようにするためのルール整備に乗り出す。2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標の達成に向け、企業に行動の変化を促す狙いがある。
と言うニュースを見ました。
自動車板金塗装業界は、今後環境破壊を軽減する為に、全ての自動車塗装業界に圧送式塗装ブースと水性塗料義務化にならないのでしょうか?
田舎ではガレージを借りて塗装ブースも無しで塗装している工場も結構見かけます。
A
- 回答者
プロトリオス
ご質問ありがとうございます。塗装ブースと水性塗料について回答させて頂きます。
ご指摘の通り、国をあげての「脱炭素」の運動が世界中に広まりつつあります。自動車工業会(自工会)も2050年までに、政府の温暖化ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」目標を巡り、条件付きですが自動車業界としても取り組む方針を決めたと発表がありました。
車体修理業界の環境問題としては、長年、有機溶剤の排出が問題になっており、ご指摘の通り、充分な設備もなく塗装されている工場も少なくありません。有機溶剤の排出は環境面以外にも人体への影響が多く、有機則や特化則でもプッシュプル型塗装ブースの使用が義務付けされている事はご存知かと思います。環境への影響という面では、大気汚染防止法でのVOC規制やPRTR制度等での規制や管理が定められていますが、発生量の多い大規模工場等が対象となっており、発生量が少なく比較的規模が小さい鈑金塗装工場への規制は、まだ、先になるかと思われます。しかしながら、鈑金塗装業界として環境問題に取り組みをしていないわけではなく、ご存知のように水性塗料の普及活動や工場資格も含めて設備への投資等も促進しています。また、普段の作業でも出来るだけ作業の範囲を小さくする、極力、部品の取り替えをせずに修理する、当たり前ですが、塗装も溶剤系から水性系に切り替える、もちろん、全ての工程ではなく一部を切り替えるだけでも環境問題解決への一端を担う事になるのではと考えます。
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