JOURNAL 

中国新車試乗レポート③

  • #トピックス

2026/06/17

北京モーターショー 2026の開催に合わせ、発売前・発売間近の新モデルに試乗した。今回は海外メーカーの中国向けモデルを以前よりも多めに選び、どのように現地化を進めて需要に応えているかを見極めた。(写真・文:中国車研究家 加藤ヒロト)

仰望 U7

 BYDの高級ブランド「仰望」は現在、セダン「U7」、SUV「U8」、そしてハイパーカー「U9」の3モデルをラインアップしている。

 U7はBEVと2.0ℓ水平対抗4気筒ターボエンジン搭載のPHEVの2種類を用意するが、それぞれ別のボデーを採用し、全長はそれぞれ5,265mmと5,360mmとなるなど細かい点で異なる。どちらも4モーター採用の四輪駆動となるが、出力はPHEVが1,341hp、BEVが1,287hpでトルクは共通で1,680N・mを誇る。最大で150kWhの大容量バッテリーを搭載しているためにフロアは高く、ハンドリング時の若干の鈍重さは否めないものの、高級車として考えれば許容範囲だ。3つのLiDARを組み合わせたBYD自社製のハンズオン自動運転はUI表示や音声案内が分かりやすいものの、ブレーキやアクセルの操作は急で、酔いにくさ重視の日本車には敵わない印象だ。価格は約1,540~2,078万円。


仰望 U7

仰望 U7

仰望 U7

東風 eπ007+

 東風汽車のスポーツセダン「eπ007」は日本のチューニングメーカー「モンスタースポーツ」が日本で販売することを発表しており、密かに注目を浴びている。今回試乗したeπ007+はその上位モデルとして位置付けられ、電動格納式リヤスポイラーといった細かな外装の違いのほか、ハンズオン自動運転用のLiDARをフロントガラス上部に配置する。

 パワートレインはBEVとEREVの2種類、後者では発電用に1.5l直列4気筒自然吸気エンジンを搭載する仕様だ。BEVでは出力536hp/トルク620N・mの最上位グレードも用意し、73.5kWhバッテリーで1充電走行距離(CLTC値)は565kmを誇る。パワフルな走りに低いアイポイントも相まってれっきとしたスポーツセダンだと感じた一方、自社製のハンズオン自動運転は左折するのに直前まで直進しようとしたり、カーブで突然停止したりと、今回乗った車の中で最も悪い出来だった。


東風 eπ007+

東風 eπ007+

東風 eπ007+

iCAR V27

 国営メーカー「チェリー(奇瑞汽車)」の電動ブランド「iCAR」最新モデル。パワートレインは1.5l直4ターボを発電用に搭載するEREVで、出力248hp/トルク300N・mのRWDと、450hp/505N・mのAWDの2モデルを用意する。バッテリーは共通で34.3kWhのリン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、ガソリンと電気を合わせた航続距離は1,200km(CLTC値)を誇る。

 見た目はEVらしいシンプルで先進的な要素をクラシカルな雰囲気と上手に組み合わせ、街中で見ても目立つ存在を演出する。EREVであるので走行中の騒音はある程度聞こえてくるが、内装の仕上げは比較的上質で高級感がある。ただ、ショックのチューニングのせいか走行中はかなり車体が揺さぶられる感覚で、これには少し不快感を覚えた。硬派なSUVではなく、あくまで高級志向の「オフロード風」モデルなので、乗り心地に関しては賛否両論に分かれそうだ。


iCAR V27

iCAR V27

iCAR V27