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ボッシュ、第3世代SiC半導体のサンプル供給を開始
従来比20%の高性能化と小型化を実現、米独2拠点体制で供給能力を拡大
2026/05/07
独ボッシュは、電気自動車(EV)の効率向上と航続距離延長に寄与する第3世代のSiC(炭化ケイ素)半導体の導入を開始し、世界の自動車メーカーへのサンプル供給を進めている。同社の取締役会メンバー兼モビリティ事業セクター統括部門長のマルクス・ハイン氏は、SiC半導体をeモビリティ普及の重要技術と位置づけ、エネルギー管理の最適化を通じて同分野での技術的リーダーシップを拡大する方針を示した。同社は世界をリードするSiC半導体メーカーになることを目標に掲げている。
市場調査会社のYole Intelligenceによると、SiCパワー半導体のグローバル市場は、eモビリティの普及を背景に2023年の23億米ドルから、2029年までには約92億米ドルへ成長すると予測されている。
世界的な製造ネットワークへの投資と性能向上
SiC半導体は、従来のシリコンチップよりも高速かつ効率的なスイッチングが可能で、エネルギー損失の低減と電子機器の出力密度向上を実現する。ボッシュの第3世代チップは、従来比で20%の高性能化を達成すると同時に、大幅な小型化を実現した。小型化により1枚のウエハから製造できるチップ数が増加するため、コスト効率が向上するとしている。同社は2021年の生産開始以来、すでに世界中で6,000万個以上のSiC半導体を出荷した実績を持つ。
同社は半導体事業に対し、「IPCEIマイクロエレクトロニクスおよび通信技術」プログラムの一環として約30億ユーロを投資してきた。現在はドイツのロイトリンゲンにある工場において、200mmウエハを用いた第3世代チップの開発・製造を行っている。
米国工場の取得による供給体制の強化
供給能力の更なる拡大に向け、同社は2025年初めに米国カリフォルニア州ローズビルの工場を取得した。同拠点には19億ユーロが追加投資され、最先端の生産設備の導入が進められている。2026年内には同工場から最初のSiC半導体を出荷し、まずは顧客向けのサンプルとして供給する予定だ。
今後、ドイツと米国の2工場から供給を行うことで、自動車業界の電動化に向けた安定的なサプライチェーンを構築する。中期的な計画として、SiCパワー半導体の製造能力を数億個規模(9桁台の半ば)まで拡大するとしている。
独自の製造技術「ボッシュプロセス」の応用
チップの小型化と高性能化の鍵となるのが、同社が1994年に確立した「ボッシュプロセス」と呼ばれるエッチング技術だ。もともとセンサー向けに開発されたこのプロセスを応用することで、SiC基板に高精度な垂直構造を形成することが可能となった。この構造設計がチップの出力密度を大幅に高め、第3世代の性能を実現する決定的な要因となっている。
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