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マツダ、2026年3月期通期決算を発表 営業利益は516億円

下期に収益が反転し黒字化、2027年3月期は1,500億円の営業利益を見込む

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2026/05/21

 マツダは2026年5月12日、2026年3月期決算実績、2027年3月期見通し、および2030経営方針に基づく取り組み進捗について発表した。


2026年3月期実績の総括と収益反転  

 2026年3月期実績の決算総括として、グローバル販売台数は122万台、売上高は4兆9,182億円、営業利益は516億円、当期純利益は351億円となった。年間配当金は55円。下期は関税影響による損失から回復し、グローバルサプライチェーンを守りつつ原価低減目標を達成した。

 営業利益は、上期の539億円の赤字から下期は1,055億円の黒字となり、対上期で1,594億円の増益となって収益が反転した。台数・構成の改善、原価低減の積み上げに加え、外部要因も寄与している。フリー・キャッシュ・フローについても、収益性の回復に加えて運転資金の改善により、上期の1,507億円の赤字から下期は1,501億円の黒字となった。


販売台数実績と主な財務指標  

 通期の台数実績は、生産台数が116万5千台(対前年4%減)となった。グローバル販売台数の内訳は以下の通りである。

  • 日本市場での販売台数は14万4千台(対前年比5%減)
  • 北米市場での販売台数は58万2千台(同6%減、うち米国は39万5千台で同9%減)
  • 欧州市場での販売台数は16万4千台(同6%減)
  • 中国市場での販売台数は7万1千台(同4%減)
  • その他市場での販売台数は26万2千台(同8%減、うちオーストラリアは8万9千台で同9%減)
  • グローバル販売台数の合計は122万3千台(同6%減)

 主な財務指標は、連結出荷台数が114万7千台(対前年比6%減)、売上高が4兆9,182億円(同2%減)、営業利益が516億円(同72%減)、経常利益が1,318億円(同30%減)、当期純利益が351億円(同69%減)となった。営業利益の対前年変動要因は、関税影響でマイナス1,549億円、台数・構成でマイナス318億円、原材料・物流費等でマイナス377億円の減益要因があった一方、為替でプラス106億円、コスト改善でプラス369億円、固定費他でプラス424億円の増益要因があった。

 財務状態については、営業キャッシュ・フローが2億円、投資キャッシュ・フローがマイナス9億円、フリー・キャッシュ・フローがマイナス6億円となった。現金及び現金同等物は1兆2,932億円、有利子負債は8,501億円で、ネット・キャッシュは対前期末から427億円増加の4,430億円、自己資本比率は43%である。


2027年3月期の通期業績見通し  

 2027年3月期の見通しとして、グローバル販売台数は新型CX-5の導入を含む商品主導の10万台の成長により132万台を計画している。構造的原価低減効果は累計600億円超を見込む。通期の連結業績予想は、営業利益が1,500億円、当期純利益が900億円、年間配当予想は55円である。投入コストが急増する中でも、事業構造の改善を継続し、グローバル環境における不確実性への対応を図る方針だ。

 商品の展開として、新型「MAZDA CX-5」の本格導入を進める。欧州、米国で販売を開始しており、立ち上がりは計画通り推移している。日本では5月に販売を開始する予定であり、オーストラリアなどその他のグローバル市場へも順次導入する。

 2027年3月期の営業利益変動要因の見通しは、台数・構成でプラス698億円、為替でプラス798億円、コスト改善でプラス776億円の増益要因を見込む一方、原材料・物流費等でマイナス817億円、成長投資でマイナス305億円、固定費他でマイナス166億円を織り込んでいる。


2030経営方針に基づく事業構造転換の進捗  

 2030経営方針に基づく取り組みとして、外部環境変化に左右されにくい、安定的に利益を生み出せる事業構造への転換を推進している。「マルチソリューション戦略」、「ライトアセット・協業戦略」、「ブランド価値経営」の3つの対応を行う。

 マルチソリューション戦略では、地域や規制により異なる電動化の進展に対応するため、電動化、ハイブリッド、内燃機関を組み合わせた選択肢を提供する。大規模投資を前提とせず、モデルベース開発を核としたビルディングブロック戦略や、変種変量を可能とするフレキシブル生産システムによりマルチソリューションを成立させる。

 ライトアセット・協業戦略においては、電動化に伴う投資の在り方を抜本的に見直し、2022〜2030年の累計投資を当初想定の1.5兆円から1.2兆円に最適化した。長安汽車との共同開発電動車4車種の開発を進め、第1弾の「MAZDA EZ-6」および「MAZDA6e」を導入している。2030年時点でBEVを20万〜25万台生産し、グローバル販売の約15%をカバーする体制を構築する。また、トヨタハイブリッドシステムを受給した「MAZDA CX-50 Hybrid」などの商品強化を図る。

 ブランド価値経営とコスト構造改革については、米国で成果を上げ てきたブランド価値経営モデルをアジア地域などへ展開する。コスト構造改革では、「Phase 2(2025-2027年)」期間中に原価低減1,000億円、固定費削減1,000億円の構造改善を行い、営業利益率を4%相当分改善させる収益構造を目指す。続く「Phase 3(2028-2030年)」では、AI活用によるビジネススピードと生産性の引き上げ、業務原単位の改善、さらなる固定費のスリム化を進める方針だ。


日本・北米市場の実績と重点取り組み  

 日本市場では、2026年3月期に14万4千台を販売し、シェアは3.2%となった。国内市場の再成長に向けて「ブランド育成に向けた成長投資」、「優先地域の特定(都市圏戦略)」、「店舗体験の向上に向けた現場支援の徹底」を推進し、2026年3月期は20店舗の新世代店舗が竣工した。新型CX-5の2026年5月発売に向けて「マツダブランドスタンダード」の導入を進めている。

 北米市場では、米国で39万5千台、メキシコで10万5千台、カナダで8万台を販売した。米国ではCX-50やラージ商品の販売加速に加え、新型に切り替わるCX-5の売り切りに注力した。米墨関税影響を受けるメキシコ生産のCX-30とMAZDA3は販売台数を絞り込んでいる。


欧州・中国・その他市場の実績と重点取り組み  

 欧州市場では、16万4千台を販売し、シェアは1.0%となった。長安汽車との協業バッテリーEV第1弾「MAZDA6e」を2025年秋より導入しており、第2弾のクロスオーバーSUV「MAZDA CX-6e」を2026年夏ごろに導入する予定だ。新型CX-5の受注台数は1.5万台を超え、計画を上回るペースで推移している。

 中国市場では、7万1千台を販売した。長安汽車と協業した新型電動車EZ-6およびEZ-60の導入を進めており、EZ-60の販売は2025年9月の発売から順調に推移している。新型電動車の販売増が内燃機関(ICE)車の販売減を一部下支えした。

 その他市場では、オーストラリアで8万9千台、ASEANで5万9千台を販売した。オーストラリアでは新型CX-5、MAZDA6e、MAZDA CX-6eの導入に向けて販売力の育成・強化に注力している。タイでの次期CX-3の生産計画およびインドネシアでのCX-3生産計画は順調に進捗しており、次期CX-3は2027年にタイで発売される予定だ。