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「自動運転車の安全ガイドライン」「EV等のバッテリー耐久性能の国連基準」がWP.29で合意

日本提案の「ペダル踏み間違い時加速抑制装置の国連基準(案)」が11月採決予定

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2024/08/07

 国際連合の自動車基準調和世界フォーラム(WP.29)は2024年6月25~28日、スイス・ジュネーブにおいて本会議を開催。

「自動運転車の安全ガイドライン」と「EV等のバッテリー耐久性能の国連基準」が合意に至るとともに、日本の提案により議論が開始された「ペダル踏み間違い時加速抑制装置の国連基準(案)」の内容について了承され、11月の次回会合で採決される見込みとなった。

「自動運転車の安全ガイドライン」では、自動運転システムに求められる安全性能や評価手法を定義。

 交通法規を遵守し、注意深く有能な人間ドライバーと同等以上の安全性を有すること、乗員等にシステム作動状況や緊急時を知らせることを求める。

 また、通常の交通状況、衝突の危険性がある場合、不具合発生時の3分類に関して評価シナリオを設定し、シミュレーション、テストコース、リアルワールドでの性能テストを求めるほか、カーメーカーの安全管理体制や車両使用過程時のモニタリングも行うこととしている。

自動運転システムの安全性能の要件および評価手法のガイドラインの概要

「EV等のバッテリー耐久性能の国連基準」は、BEV等の普及の妨げとなる粗悪なバッテリーを排除するとともに、ユーザーがバッテリー劣化状況を認識し適切に交換できることを主眼として策定。

 3.5t以下の乗用車および小型貨物車のBEVとPHEVに対し、年間500台以上の車両の90%以上がバッテリー容量劣化度の規制値を下回らないこと、バッテリーの劣化割合を示すモニターの搭載を求めている。

「EV等のバッテリー耐久性能の国連基準」概要

「ペダル踏み間違い時加速抑制装置の国連基準(案)」では、定員9人以下のAT乗用車に対し、障害物の手前1.0m及び1.5mに停止状態でアクセルをフルストロークまで踏み込んだ際に障害物へ衝突しないか、衝突時の速度が8km/h以下かつ障害物がない状態より30%以上速度が低下していることのいずれかを、性能要件に設定。

 また、ドライバーへの警報に関し視覚警報を必須とするほか、機能解除中にドライバーへ表示することも要件として規定している。

「ペダル踏み間違い時加速抑制装置の国連基準(案)」の概要