JOURNAL 

【人とくるまのテクノロジー展2025横浜】BASF、豊田合成、アイカ工業が最新の塗装関連技術を披露

BASFグループが初出展し「全固体電池パック」を日本初公開

  • #イベント

2025/06/30

 2025年5月21~23日にパシフィコ横浜で開催された自動車技術の展示会「人とくるまのテクノロジー展2025 YOKOHAMA」(主催:自動車技術会)。


 当記事では塗料、外装用フィルム、材料着色樹脂などの塗装関連製品を取り扱う企業の主な展示内容を紹介する。


【BASFグループ】

 人とくるまのテクノロジー展に初めて出展したBASFは、自動車補修用塗料「R-M」ブランドの水系ベースコート「オニキスHD」と環境配慮型溶剤系クリヤー「パイオニアシリーズ」、副資材ブランド「ロディム」のスプレーガン用使い捨て交換型塗料カップ「MPS-2」を出品。

(左より)R-Mパイオニアシリーズ、ロディムMPS-2、R-MオニキスHD

 また、世界の地域別人気ボディカラーや今後の傾向を調査・分析・予測する「自動車グローバルカラートレンド」も紹介した。

BASF「自動車グローバルカラートレンド」のカラーサンプル

 さらに、「全固体電池パック」を日本初公開。「ウルトラミッド」などBASFが扱う20種類以上の材料が随所に用いられ、軽量かつ高強度で高性能なバッテリーパックであることを訴求していた。

BASF全固体電池パック

【豊田合成】

 本格オフローダー向け塗装技術として「メテオコート」を提案。凹凸のある塗料を吹き付けた後でカラーベースを塗布するこの塗装技術は、従来の耐チッピング塗装に対し、耐久性では若干劣るものの調色の自由度は高く、かつ可使時間が通常の2液塗料なみに長いため生産性に優れ、低コストで凹凸の質感を表現できることをアピールしていた。

豊田合成「メテオコート」を塗布したフロントバンパーサイド&ロアスカート

【アイカ工業】

 3次元加飾ハードコートフィルム「ルミアート」の自動車樹脂外板向け仕様をダイハツ・コペンに貼付。色彩・質感表現の自由度や耐久性の高さ、CO2排出量の少なさに加え、光透過性があることもイルミネーションで示し、塗装との代替を提案した。

アイカ工業「ルミアート」が樹脂外板に貼付されたダイハツ・コペン

 また、大日本塗料や石井表記、浅野研究所と共同で、塗装と同様の質感表現が可能かを検証し実現したサンプルを展示。マツダ「匠塗」のような3コートメタリック色などの質感もフィルムへの印刷で再現可能なことを実証している。

アイカ工業「ルミアート」を用いた印刷試作品

 そのほか、従来品より延伸性を向上させ施工自由度を高めたものや、耐スリ傷性のほかガソリン、ウォッシャー液、酸、アルカリなど耐薬品性を高めた高機能タイプも開発中であることを示していた。

耐スリ傷性を高めたフィルムありの「ルミアート」(写真左側)となし(同右側)のテストピース。ワイヤーブラシで擦った後の傷の違いは一目瞭然

(文・写真=遠藤正賢)