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【電気自動車中心地の中国・北京で行われた展示会とは】 中国・北京展示会レポートNo.3

北京・AMR 2026 (Auto Maintenance and Repair Expo)開催

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2026/06/05

中国の電気自動車の環境とは


整備、鈑金塗装だけでなくモビリティ、物流関係まで自動車バリューチェーン全体をカバーする展示会である第74回AMR 2026 (Auto Maintenance and Repair Expo)が4月13~15日、北京の中国国際展覧中心(CIECC)で開催された。

前回は会場内で行われた自動車塗装修理専門技能競技大会について紹介した。


今回は中国の電気自動車市場と展示会の様子をお伝えする。





中国の電気自動車メーカーは数百社!?



中国の自動車メーカーは、国営の巨大グループから新興のEVメーカーまで含めると、大小合わせて数百社存在すると言われる。

そのためすべてを網羅するのは困難ではあるが、現在の市場を動かしている主要なグループとブランドはいくつかある。

社会主義国家である中国では政府が主導する、5大ブランドがある。

  • 第一汽車 (FAW): 高級車ブランド「紅旗 (Hongqi)」を保有。フォルクスワーゲンやトヨタとの合弁でも有名。
  • 上海汽車 (SAIC): 中国最大手の一つ。「MG」や「栄威 (Roewe)」を保有。
  • 東風汽車 (DFM): 「ボイジャー (Voyage/Lantu)」などの高級EVブランドを展開。
  • 長安汽車 (Changan): 独自ブランドのほか、マツダやフォードと提携。
  • 広州汽車 (GAC): EVブランド「アイオン (AION)」が非常に強力。

日本やグローバルにおいては、独自の技術力で世界進出を加速させている民営の三大メーカーが有名だろう

  • BYD (比亜迪): 現在、テスラと並ぶ世界最大級のEVメーカー。「王朝」シリーズや「海洋」シリーズを展開。
  • 吉利汽車 (Geely): ボルボやロータスを傘下に持つ。高級EVの「Zeekr (ジーカー)」や「Lynk & Co」が好調。
  • 長城汽車 (GWM): SUV専門の「Haval」や、EVの「ORA」などを展開。

現在の中国市場は、弱小メーカーの淘汰が進む一方で、上記のような強力なブランドが世界市場(欧州、東南アジア、日本など)へ急速に広がっており、欧州でのEV普及の足踏みや、ホンダとソニーによる合弁会社ソニー・ホンダモビリティの休止をチャンスとばかりに積極的な参入を図っているのが実情である。



NEV普及率50%! 驚異的なスピードで上昇していくNEVの要因は


これだけのEVメーカーを持つだけあり、中国の電気自動車(EV)を含む「新エネルギー車(NEV)」のシェア率は、驚異的なスピードで上昇している。

中国では純粋な電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)を合わせた「新エネルギー車(NEV)」という枠組みで集計しており、それによると2025年は約48%で、2026年では50%を超えると予想されている。

ここまでシェア率が上昇した理由は、BYDなどの大手メーカーがガソリン車よりも安いEV/PHEVを次々と投入しており、景気の悪化が取り沙汰されている中国の消費者の志向にマッチしていることが挙げられる。

また、日本だけでなく世界規模でEVの普及が遅れた最大の原因であるインフラ整備を国が徹底的に行ったことも大きい。北京などの都市部だけでなく、地方でも充電ステーションの整備が急速に進み、航続距離への不安が解消されているのは電気自動車購入の大きな後押しとなっている。

さらに、日本ではありえないことだが、【上海や北京など都心部ではガソリン車のナンバープレートが取得が現実的ではない】という信じられないような制度も電気自動車増加の要因である。これは、都市の深刻な交通渋滞と大気汚染を防ぐため、政府が「車を増やさない」という強硬手段に出ているのが要因である。
電気自動車は自動車購入と同時にナンバープレートが付与される。だが、ガソリン車のナンバープレートは国が主導で行う当選確率数千倍と言われる宝くじレベルの抽選に当選するしかない。そのため、ナンバープレート自体がネットオークションなどで高値で取引されるケースも後を絶たない。

当然、ナンバープレートがない車が走れば厳しい処罰が待っていることから、都心部に在住する人々は必然的に電気自動車に買い替える状況になっていると言える。


電気自動車が中心となる展示会の内容とは

当然、展示会も電気自動車に関係するものを中心に紹介された一方で、鈑金塗装などに関連するものも実演を交えて展示された。

中国も電気自動車に関する安全性には力を入れている。写真は充電をしながらバッテリーとモーターを検査する機器。漏電や充電池の状態などをチェックすることができる。現在の中国はバッテリーなどに関する基準はあるものの、努力義務レベルとなっている。だが、今後は制度化されるようで、このような機器を用いたバッテリーとモーターのチェックは必須となる。



会場内には日本国内ではあまり見かけない設備なども目にした。
前輪を機器に乗せ、振動を与えてヘッドホンで音を確認。シャシやサスペンションなどの下回りの異常を検知する設備などはその最たる例だろう。






ロボットの進化も目覚ましい。塗装ブース内にレーンを置かず、プログラミングされたパネルに合わせて塗装をするロボットが参考出品されていた。
塗装技術的に劣る中国では塗装作業をロボットでシステム化し、品質維持を図ろうとしているのかもしれない。メーカー担当者からは「EU諸国や、アメリカの大規模工場から問い合わせがあった」との声があり、ロボット塗装は世界的にも注目を浴びていることが分かる。




フィンランドが本国の企業も研磨と磨きのロボットを展示していた。磨きロボット(写真5)は躯体上部にあるカメラでパネルの凹凸を判断し、プログラミングで動くというもの。こちらも先ほどと同様に大規模工場からの問い合わせがあるらしく、人材不足を補う省力化に貢献することだろう。






鈑金領域に目を向けると、アルミリベッターの実演が目を引いた。参考出品ながらアルミ合金パネルは多くの電気自動車に採用されているためか、来場者が足を止めて実演の様子を眺めていた。合わせてアルミパネルの補修実演も行われるなど、交換に頼らない姿勢を感じさせた。



鈑金作業に関しても、特殊なカメラで撮影することでパネルの凹凸が判別できる3D検査機(写真7)が出品されており、鈑金技術大会の採点にも使用されていた。同機器は保険業務などにも使用され、欧州などでは導入実績も多いという。





VRを用いた塗装講習は世界中で認知を得ている




フロアマットやハンドルカバーなどを製作できる3Dプリンター

中国の鈑金塗装技術者の年収は


中国の鈑金塗装技術者の年収は、日本と同様に一般的な職種の平均以下と思われるかもしれないが、実は技術職としてかなりの給与を得ている。

中国の一般的な企業の平均年収が日本円にして約150万円だが、鈑金塗装技術者の平均年収は約260万円とかなり高いことが分かる。中国においても技術者不足は顕著であることや、車体の高度化により高度な技術職としての価値が上がっていることが要因である。同じ状況にある日本とは大きな違いがある。

 中国よりも高い技術と知識を持つ日本の鈑金塗装技術者が中国のように正しく評価されることを期待したい。