JOURNAL 最新ニュース
リコールとは?車の所有者が知るべき確認方法から修理までの流れを解説
車のリコールとは、設計や製造の問題で安全基準を満たさない可能性のある車を、メーカーが無料で回収・修理する制度です。この記事では、ご自身の車がリコール対象か確認する方法から、修理完了までの具体的な流れを分かりやすく説明します。費用や放置するリスクについても解説し、あなたの不安を解消します。
2026/03/16

ある日突然、自動車メーカーから「リコールのお知らせ」というハガキが届いて驚いたことはありませんか。あるいはニュースで自分の乗っている車種がリコール対象になったと知り、不安を感じている方もいるかもしれません。大切な愛車に欠陥があると言われれば、誰もが心配になりますし、高額な修理費用がかかるのではないかと身構えてしまうものです。この記事では、車のリコール制度の仕組みや、対象になった場合の具体的な対応手順について詳しく解説します。読み終える頃には、不安が解消され、落ち着いて必要な手続きを進められるようになります。
車のリコールとは?基本的な意味を理解する

車のリコールとは、設計や製造の段階で何らかの問題があり、国の定める安全基準(保安基準)に適合しなくなる恐れがある場合に、メーカーが自らの判断で国土交通省に届け出て、無償で回収や修理を行う制度のことです。この制度は、車の欠陥によって発生するかもしれない事故を未然に防ぎ、運転手や同乗者、そして歩行者の安全を守るために存在しています。メーカーからのお知らせが届くと驚くかもしれませんが、これはメーカーが安全に対する責任を果たそうとしている証拠でもあります。
設計や製造上の問題を無料で修理する制度
リコールは、ユーザーが車を使っていく中で起きた故障や劣化に対する修理とは性質が異なります。あくまでメーカーが設計した段階や工場で作られた段階でのミスや不具合が原因であるため、修理にかかる費用はすべてメーカーが負担します。私たちは無料で部品の交換や修理を受けることができ、原則としてユーザー側に金銭的な負担が発生することはありません。
参考:国土交通省|リコール制度の概要について
安全基準に適合しない可能性が原因
リコールの対象となるのは、そのまま使い続けるとブレーキが効かなくなったり、ライトがつかなくなったりするなど、車の安全性に関わる重大な問題につながる可能性がある場合です。道路運送車両法という法律で定められた保安基準というルールがあり、これに適合しなくなる恐れがある車がリコールの対象となります。つまり、単なる使い勝手の悪さなどではなく、安全に直結する重要な問題であると認識してください。
参考:リコールに関する条文はどのようなものがありますか|自動車のリコール・不具合情報
事故を未然に防ぐための重要な仕組み
もしリコール制度がなければ、欠陥のある車がそのまま道路を走り続けることになり、いつか大きな事故を引き起こすかもしれません。リコールは、問題が実際に起きて事故になる前に、メーカーが先回りして修理を行うための仕組みです。私たちユーザーにとっても、自分の車が安全な状態に戻ることは大きなメリットです。通知が届いたら、それは「安全のために修理を受けてください」という重要なメッセージなのです。
【関連記事】日産、セレナなど 約27万台 リコールエンジン停止や車両火災の恐れ | BSRweb | 株式会社プロトリオス - PROTO-RIOS INC.
リコール・改善対策・サービスキャンペーンの違いは?
メーカーから届く通知には「リコール」以外にも「改善対策」や「サービスキャンペーン」と書かれていることがあります。これらはすべてメーカーが無料で修理や点検を行うものですが、その緊急度や法律上の位置づけには明確な違いがあります。どれも無視して良いものではありませんが、特にリコールは最も緊急性が高いものとして扱われています。それぞれの違いを理解しておくと、通知を受け取った際の心構えが変わります。
区分 | 概要 | 重要度 |
リコール | 保安基準に不適合な恐れがある重大な不具合 | 高(危険) |
改善対策 | 保安基準には抵触しないが、安全上放置できない不具合 | 中(注意) |
サービスキャンペーン | 商品性や品質向上のための改善措置 | 低(推奨) |
「リコール」は法律に基づく国の制度
先ほど説明したように、リコールは道路運送車両法に基づいて国土交通大臣に届け出が必要な制度です。対象となる不具合は保安基準に関わるものであり、放置すれば重大な事故につながる可能性があります。そのため、通知が届いたらできるだけ速やかに対応することが求められます。法律で定められた手続きに則って行われる、最も強制力の強い措置と言えます。
参考:国土交通省|製品別のリコール等に係る制度の概要
「改善対策」は安全上放置できない不具合
改善対策もリコールと同様に、メーカーが国土交通省に届け出て行う修理制度です。リコールとの違いは、道路運送車両の保安基準には適合しているが、不具合が発生した場合に安全の確保及び環境の保全上看過できない状態という点です。その原因が設計又は製作過程にあると認められるときに実施されます。リコールほど緊急ではないにせよ、安全に関わる重要な修理であることに変わりはありません。
参考:国土交通省「自動車等のリコールの現状」
【関連記事】三菱、デリカ(デリカD:5)、エクリプスクロス 138,839台改善対策 ブレーキ倍力装置のバキュームポンプに不具合 厳冬期に負圧供給されず制動距離が伸びるおそれ | BSRweb | 株式会社プロトリオス - PROTO-RIOS INC.
「サービスキャンペーン」は商品品質の改善措置
サービスキャンペーンは、リコールや改善対策には該当しない程度の不具合に対して行われる措置です。例えば、エアコンの効きが悪い、エンジンの始動性が少し悪い、塗装の品質が良くないといった、快適性や商品性に関わる問題が対象となります。国土交通省への届け出は必要なく、メーカーからの通知のみで行われます。安全に直結するわけではありませんが、快適に車を使い続けるためには受けておいた方が良い修理です。
自分の車がリコール対象か確認する方法
自分の車がリコールの対象になっているかどうかを知るための方法はいくつかあります。基本的にはメーカーからの通知を待てば良いのですが、中古車で購入した場合や引っ越しをした直後などは、通知が正しく届かないことも考えられます。そのような場合に備えて、自分で能動的に情報を確認する方法を知っておくと安心です。インターネットを使えば、誰でも簡単に自分の車の状況を調べることができます。
確認方法 | 特徴 | 必要な情報 |
通知ハガキ | メーカーから直接届くため確実 | 特になし |
国土交通省サイト | 全メーカーの情報を一括検索可能 | 車名・型式 |
メーカー公式サイト | 自分の車の固有情報で正確に判別可能 | 車台番号 |
メーカーから届く通知ハガキを確認する
最も一般的で確実な方法は、自動車メーカーから送られてくるダイレクトメールやハガキを確認することです。車検証に記載されている所有者の住所宛に送付されるため、通常であれば何もしなくても情報は届きます。ハガキには不具合の内容や修理にかかる時間、連絡先のディーラーなどが記載されていますので、まずはその内容をよく読みましょう。
国土交通省の検索システムで調べる
国土交通省が運営している「自動車のリコール・不具合情報」というウェブサイトを利用すると、リコールの届け出情報を検索することができます。ここではメーカー名や車種名から、過去にどのようなリコールが出ているかを探すことが可能です。ただし、あくまで「その車種にリコールが出ているか」を調べるものであり、あなたの所有する特定の車が対象かどうかまでは分からない場合もあります。
参考:トップページ | 連ラクダ
各自動車メーカーの公式サイトで調べる
自分の車が間違いなく対象かどうかを正確に知るには、各自動車メーカーの公式サイトにある「リコール情報検索」を使うのが一番です。ここでは「車台番号」という車ごとの固有番号を入力して検索します。車台番号は車検証に記載されていますので、それを手元に用意して入力すれば、あなたの車がリコール対象かどうか、また過去にリコール修理を受けているかどうかが一発で分かります。
参考:トヨタ|該当するリコール等の内容と実施状況の検索
リコール通知が届いたらどうすればいい?

実際にリコールの通知が届いたり、検索して自分の車が対象だと分かったりした場合は、慌てずに修理の手続きを進めましょう。リコールの修理は、近所の整備工場ならどこでもできるわけではなく、基本的にはそのメーカーのディーラーで行うことになります。ここでは、通知を受け取ってから修理が完了するまでの具体的なステップを解説します。流れを把握しておけば、スムーズに対応することができます。
ステップ | 行動内容 | 留意点 |
1.確認 | 通知と車検証を照合 | 車台番号が一致するか見る |
2.予約 | ディーラーへ電話 | 代車の有無も確認する |
3.入庫 | 指定日時に車を持ち込む | 通知書を持参するとスムーズ |
手順1:通知内容と車検証情報を照合する
通知ハガキが届いたら、まずはその内容が本当に自分の車に関するものかを確認します。ハガキには対象となる車の「車台番号の範囲」が記載されていることが多いです。車検証を見て、自分の車の車台番号がその範囲に含まれているかをチェックしましょう。もしハガキが直接届いたのであれば間違いなく対象ですが、念のため確認しておくと安心です。
手順2:ディーラーに連絡して修理を予約する
次に行うのは、最寄りのディーラーへの連絡です。普段お世話になっている担当店があればそこへ、なければ近くの同じメーカーのディーラーへ電話をかけます。「リコールの通知が来たので修理をお願いしたい」と伝えれば、相手もすぐに理解してくれます。部品の取り寄せが必要な場合もあるため、いきなり車を持ち込むのではなく、必ず事前に電話で予約を取るようにしましょう。
手順3:予約日に車を持ち込み修理を受ける
予約した日時になったら、車をディーラーへ持ち込みます。修理にかかる時間は内容によって異なり、数十分で終わるものもあれば、数日預ける必要があるものもあります。予約の電話の際に所要時間を確認し、長時間かかる場合は代車を用意してもらえるかどうかも聞いておくと良いでしょう。修理が終われば、ディーラーから完了の説明を受け、車を引き取って終了です。
車のリコール対応でよくある質問
リコールに関する手続きの中で、多くの人が疑問に思うポイントをまとめました。特に費用に関することや、中古車で購入した場合の対応、期限の有無などは、知っておかないと損をしたりリスクを負ったりする可能性があります。ここでは、よくある質問とその回答を整理して解説します。疑問を解消して、安心して修理に臨んでください。
質問 | 回答の要点 |
費用はかかる? | 原則無料(部品代・工賃含む) |
中古車でも大丈夫? | 新車同様に対象となる |
期限はある? | 法的な期限はないが早めが良い |
引っ越したら? | 住所変更しないと通知が届かない |
修理費用や部品代は原則かからない
リコール対応にかかる費用は、部品代も作業工賃もすべてメーカーが負担します。私たちは一切お金を支払う必要はありません。もし修理のついでに他の点検や消耗品の交換を依頼した場合は、その分だけ別途費用がかかりますが、リコール箇所の修理に関しては完全に無料です。安心してディーラーへ持ち込んでください。
中古車や個人売買の車も対象になる
リコールは「その車」に対して出されるものなので、所有者が誰であるか、どこで買ったかは関係ありません。正規ディーラーで新車を買った場合はもちろん、中古車販売店で購入した場合や、知人から譲り受けた車であっても、リコールの対象であれば無料で修理を受けられます。中古車だからといって遠慮する必要は全くありません。
リコールの修理に法的な期限はない
リコールに有効期限というものはありません。通知が来てから数年経ってしまったとしても、メーカーには修理をする義務があり、いつでも無料で対応してもらえます。しかし、時間が経てば経つほど部品の在庫が少なくなったり、不具合が悪化して事故のリスクが高まったりします。期限がないからといって後回しにせず、気づいた時点で早めに対応することが大切です。
引っ越した場合は住所変更手続きが必須
メーカーは車検証に登録されている住所情報を元に通知を送ります。そのため、引っ越しをして住民票を移していても、車検証の住所変更手続き(変更登録)をしていないと、リコールの通知ハガキが旧住所に送られてしまい、手元に届かないことがあります。通知が来ないリスクを避けるためにも、引っ越しの際は車の住所変更も忘れずに行いましょう。
参考:リコール通知を確実に受けるために(自動車登録情報の変更・移転登録)|自動車のリコール・不具合情報
リコールを無視して放置するリスクとは?

仕事が忙しいなどの理由で、リコールの通知を無視して放置してしまう方もいるかもしれません。しかし、リコールを放置することには大きなリスクが伴います。単に車が故障するだけでなく、最悪の場合は自分や他人の命に関わる事故につながる可能性もあります。また、車検に関する問題も発生します。ここでは、リコールを放置した場合に起こりうる具体的なリスクについて解説します。
リスク分類 | 具体的な内容 |
安全面 | 走行中の故障、火災、ブレーキ不能などの事故 |
法制度面 | 車検に通らない可能性(特定の重要部品の場合) |
資産面 | 故障が悪化し、リコール以外の箇所へも被害拡大 |
重大な事故を引き起こす危険性がある
リコールが出ているということは、その車には安全に関わる何らかの欠陥があるということです。例えば、走行中にエンジンが止まってしまったり、ブレーキが効かなくなったり、最悪の場合は車両火災が発生したりする恐れがあります。自分だけでなく家族や周囲の人を巻き込む事故を起こしてからでは遅いのです。メーカーがわざわざコストをかけて修理を呼びかけているのは、それだけ危険性が高いからだと認識しましょう。
放置しても車検は通るが安全ではない
以前はリコール未実施でも車検に通ることがありましたが、現在はタカタ製エアバッグなど特定の重大なリコールについては、修理を済ませていないと車検が通らない仕組みになっています。それ以外のリコールであれば車検に通ることもありますが、だからといって安全であるわけではありません。車検はあくまで「その時点での基準適合」を見るものであり、リコール箇所の安全性を保証するものではないからです。
参考:報道発表資料:タカタ製エアバッグのリコール未改修車両を車検で通さない措置の拡大について - 国土交通省
メーカーからの再通知が届く場合がある
リコールの回収率(修理実施率)が低い場合、メーカーは未実施のユーザーに対して再度通知を送ることがあります。何度もハガキが届くのは、それだけメーカーが危機感を持って回収を進めたいと考えている証拠です。再通知が来るということは、まだあなたの車が危険な状態にあるということです。面倒がらずに、再通知が届いたらすぐに予約を入れるようにしてください。
まとめ
リコールを放置すると事故のリスクが高まるだけでなく、車検に通らない可能性もあります。
この記事の要点をまとめます。
· リコールは車の設計や製造上の問題を、メーカーが全額負担で修理する制度
· 対象車両かどうかは、届いた通知ハガキやメーカー公式サイトの検索機能で確認できる
· 中古車で購入した場合でも無料で修理を受けられるが、放置すると重大な事故につながる恐れがある
· リコールの通知を受け取ったら、速やかに最寄りのディーラーへ連絡して入庫予約を入れる
自分と周りの安全を守るためにも、リコール対象だと分かったら後回しにせず、すぐに手続きを進めましょう。
