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    <小説>鼓動 もう一つのスクープ(第17話)

    • #コラム

    2021/12/27

    BSRweb小説企画第一弾

    業界記者の視点で描く、自動車業界を題材にしたオリジナル小説。
    (第1話へのリンク)

    ※この小説はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。


    第17話 記者とカーアナリストの二刀流

     2020年第初めカーアナリストの名前でデビュー。当時の毎日自動車新聞の大村孝社長から、「君が代理店の委託を任されているのなら、ウイニングテックの推薦文が必要だよ」と告げられた。それで業界記者の肩書では都合が悪いため便宜上、アナリストを名乗ることにしたのだ。
     「はい、これが推薦状です。ウイニングテックの広告と業界雑誌の購入や社内報の行未委託のマージンが明記されていますので、毎日自動車で契約書を作成してください」と北沢は言う。
     ウイニングテックの代理店(エージェント)契約により、さらに収入基盤が安定した。広告の代理店業務の中には、イタリア・ボローニアの自動車機械工具ショーのニューマシーンや注目機器を特集した記事の仕事も入れる。


     同ショーには全国の整備・鈑金事業者が集団で視察するが、帰国した有力な事業者が騒いでいると日本機械の君島哲也社長に聞かされた。君島社長によると、「工具ショーで大幅値引きの機械は車体を元の姿に戻す修正機で現地価格三百五十万円を表示しているが、日本では同じ機器を一千万円以上の値段に吊り上がっている」と整備業者仲間に言い合っているというのだ。この問題点を指摘された日本の代理店サプライヤーが全国各地の営業所で事情を説明すると共に、今後は適正な価格で販売する意向を表明した。が、適正価格とされる設定に納得しない一部の事業者が有志を募り、直接海外の機械メーカーから仕入れ、日本の代理店た卸業者を通さずに低価格で仕入れる動きが表面化した。
     その後、車体の修正装置関連でなくエンジンオイルや機械工具類も輸入代理店を通さずに直接仕入れ、販売する動きが日本規模で広がりを見せる。

    <筆者紹介>
    中野駒
    法政大学卒 自動車業界紙記者を経て、自動車流通専門のフリー記者兼アナリスト。業界歴併せて40年。

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