JOURNAL 

またもや自動車ディーラーに勧告💦ホンダ茨城南が「取適法(旧下請法)」違反、下請事業者に1,000台超の無償運送を強いる

  • #ニュース

2026/06/08

公正取引委員会は2026年6月4日、自動車販売・修理業者であるホンダ茨城南(茨城県つくば市)に対し、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」)違反があったとして、同法第7条第3項の規定に基づき勧告を行った。

自動車ディーラーによる下請事業者への不当な強要が再び明らかになった形だ。今回の違反は、令和7年の改正により名称が変更された「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(以下「取適法」)」にも絡む内容となっている。



【1,014台分の運送費用を支払わず】


勧告書によると、ホンダ茨城南は、自社の顧客から請け負った自動車の鈑金塗装等を下請事業者14者に、点検整備等を下請事業者1者にそれぞれ委託していた。

令和6年9月から令和7年9月までの間に同社は、これら計15者の下請事業者に対し、合計1,014台の自動車の引取りおよび引渡しについて、自社の販売店舗と下請事業者の整備工場との間の運送を行わせた。

しかし、同社は当該運送に要した費用を支払わなかった。

=「不当な経済上の利益の提供要請」に該当

【法令の適用】

公正取引委員会は、ホンダ茨城南のこの行為を、改正前の下請法第4条第2項第3号(不当な経済上の利益の提供要請)の規定に違反するものと認定した。

親事業者が自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させることにより、下請事業者の利益を不当に害する行為は、下請法及び、新たに施行された取適法においても厳しく禁止されている。下請事業者に対し、無償で自動車を運送させることはこれに該当する。

【公正取引委員会による勧告の内容】

公正取引委員会は、ホンダ茨城南に対し、速やかに下請事業者の利益を保護するための措置を講じるよう勧告した。主な内容は以下の通りである。

・未払い費用の支払い
下請事業者に対し、自動車を運送させたことによる費用に相当する額を、公正取引委員会の確認を得た上で速やかに支払うこと。

・取締役会決議による確認
今後は中小受託事業者に対して、不当な経済上の利益の提供要請を行わないことを取締役会の決議で確認すること。

・取適法の遵守体制を整備すること

など

※下請法(下請代金支払遅延等防止法)は、令和7年の法改正により、令和8年1月から名称が「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法)」となった。
また、用語が下記の通り変更されている。

改正前の下請法

改正後の取適法

親事業者

委託事業者

下請事業者

中小受託事業者

下請代金

製造委託等代金

不当な経済上の利益の提供要請の禁止は、名称変更後の取適法においても第5条第2項第2号として引き継がれており、今回の勧告でも、今後の遵守体制整備としては新しい「取適法」に基づいた対応が求められている。

下請法から取適法へと移行した現在、元請けとなる自動車ディーラーや大手整備工場には、これまで以上に下請取引の適正化とコンプライアンスの遵守が厳しく求められている。