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【ジャパントラックショー2026:ダンロップ】セミナー「ダンロップが届けるタイヤのソリューション~タイヤを『売る』から『支える』へ~」を実施

最新スタッドレスタイヤ「SP011」とタイヤ管理ソリューション「エコスマートプラン」を紹介

  • #イベント

2026/07/08

 2026年5月14~16日にパシフィコ横浜で開催された、トラック・輸送業界の展示会「ジャパントラックショー2026」。


 セミナー「ダンロップが届けるタイヤのソリューション~タイヤを『売る』から『支える』へ~」には、住友ゴム工業タイヤ事業本部技術本部第三技術部TBLT担当の高橋伸吾部長が登壇。トラックショー開催前日の2026年5月13日に発表(発売は8月予定)した、最新のトラック・バス用スタッドレスタイヤ「SP011」開発の背景と技術的特徴を紹介した。

住友ゴム工業の高橋伸吾部長

 事故は人的被害を生むだけではなく、配送遅延が起こればビジネス上の信頼も失う。さらに近年は事故情報に加え会社名や個人情報まで、報道やSNSで拡散される傾向にある。


 また政府からも、事故防止の観点からスタッドレスタイヤの早期装着が推奨されており、装着期間が長期化しているため、ドライ路面を走行することが多く、摩耗の面ではシビアな使用環境になっている。

「SP011」開発の背景

 これらを踏まえ「SP011」では、1.氷上発進性能とライフ性能の向上、2.摩耗が進んでも安全・安心感が持続、3.更生台としての品質向上、を主な特徴として開発。これらを実現するため、新トレッドパターン採用、トレッドゴムの配合変更、新プロファイル形状の採用、ビードめくれの抑制を新技術として盛り込んだ。

「SP011」採用技術一覧

 その結果、氷上発進性能は「SP001」に対し8%、耐摩耗性能は同じく20%以上高めつつ、偏摩耗も抑制。高橋部長は「トラック・バス用スタッドレスタイヤに求められる性能を全体的に底上げした」ことを強く訴求している。

「SP011」と「SP001」の新旧スタッドレスタイヤ性能比較レーダーチャート

 続いて登壇したダンロップタイヤマーケティング本部ソリューションマーケティング部の望月裕介部長は、同社が手がけるタイヤ管理ソリューション「エコスマートプラン」について説明した。

ダンロップタイヤの望月裕介部長

 トラック・バス用タイヤの年間販売本数は、冬タイヤの装着規制強化やユーザーの意識の高まりを背景として、2010年以降微増傾向にあり、近年は500万本程度で推移。その一方で、自動車整備専門学校への入学者数は過去18年間で47%減少しており、タイヤのメンテナンスを支える自動車整備士の数が減少すると、これまで以上にタイヤ交換の手間と負荷が大きくなるおそれがある。

トラック・バス用販売本数および自動車整備専門学校入学者数の推移

 こうした日本市場の近況を踏まえてダンロップでは、突然の天候変化に対する安全性の担保をタイヤでも行っていくとともに、メンテナンスを含む車両運行全体でのコスト削減、安全運行、業務効率化、環境対応といった課題の解決を、人手によるフィジカルなメンテナンスサービスに加え、デジタルを用いたタイヤ管理技術も採り入れながらサポートしていく方針を固めている。

トラック・バス用タイヤを取り巻く主な課題

 その具体的解決策としてサービスを展開しているのが、タイヤとフィジカル、デジタルを顧客ニーズに合わせて組み合わせる「エコスマートプラン」。2023年よりメンテナンスサービスを加えたパッケージの提案を強化して以降、2025年より契約件数が急増し、現在は累計約2万件に到達した。


 このうち「エコスマートプラン1.0」はタイヤのみの定額契約、「エコスマートプラン2.0」は「1.0」に点検・メンテナンスを追加、「エコスマートプラン3.0」は「2.0」に対しTPMS(タイヤ空気圧監視システム)などのデジタル技術を用いたタイヤのIoT管理を含めたものとなっている。

エコスマートプラン契約件数の推移と契約形態のバリエーション展開

 こうした体制を支えるため、ダンロップのトラック・バス用タイヤ販売拠点「タイヤランド」を拡大しつつ、全国統一の作業基準とその認定制度、タイヤ作業コンテストを実施して、高度なタイヤ整備技術を伝承。

「T3認定制度」と「タイヤランド」の概要

 またデジタルデプスゲージとスマートフォンアプリを用いた残溝結果のデータ化、TPMSから得られた空気圧及び温度のデータ管理も開始している。


 さらに、タイヤに新たなセンサーを追加せず、車両が元来備えている信号データからタイヤ周辺の状態を解析して、トラブルの未然防止やダウンタイムの削減を図るソフトウェア技術「センシングコア」を、いすゞ・ギガに全車標準搭載。走行中でもナットの緩みを検知できる予兆検知技術を実装した。

いすゞ・ギガに標準搭載した「センシングコア」

 最後に、タイヤリトレッドの利用促進や、サステナブル原材料の使用比率拡大を通じた、環境負荷低減の取り組みを紹介している。

タイヤリトレッドの工程と利用促進策

(文・写真=遠藤正賢/図=ダンロップタイヤ)