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国交省・NASVA、2024年度自動車アセスメント(JNCAP)表彰式を開催

トヨタ・クラウン(セダン)が「ファイブスター大賞」を獲得

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2025/05/29

 国土交通省および自動車事故対策機構(NASVA)は2025年5月27日、2024年度の自動車アセスメント(JNCAP。安全性能評価)表彰式を、ベルサール六本木(東京都港区)で開催した。

(左より)国土交通省物流・自動車局の久保田秀暢次長、マツダCX-80の開発を指揮したマツダ商品開発本部の柴田浩平主査、クラウン(セダン)の開発を指揮したトヨタ自動車ミッドサイズビークルカンパニーMS統括部の清水竜太郎チーフエンジニア、ホンダ・シビックの開発を指揮した本田技研工業四輪事業本部四輪開発戦略部の明本禧洙エキスパートエンジニア、NASVAの中村晃一郎理事長

 2024年度のJNCAPでは、衝突安全性能評価において、従来のオフセット前面衝突試験に代わり、MPDB(ムービングバリア)を用いて相手車両の保護性能も評価する「新オフセット前面衝突試験」を導入。


 また歩行者脚部保護性能試験では、インパクターを従来の「Flex-PLI」から、上半身の質量を持たせた「aPLI」に変更している。


 予防安全性能評価では、衝突被害軽減ブレーキ試験に、交差点での対向車右直事故および右左折時横断歩行者事故のシナリオを追加した。


 この変更に伴い、衝突安全性能100点満点、予防安全性能を85.8点満点、事故自動緊急通報装置の有無を8点満点とする、総計193.8点満点へと、配点も変更されている。

2024年度のJNCAP評価項目

 総合評価「★」5つの「ファイブスター賞」は、個別の評価項目全てにおいてレベル4以上を満たしており、衝突安全性能で84.63点以上、予防安全性能で69.44点以上を獲得、それぞれ最高評価のAランク(ただし被害軽減ブレーキ交差点]はレベルにかかわらず装備していればよい(2025年度まで))に達したうえ、事故自動緊急通報装置を搭載している車種に授与。そのうち最高得点を獲得した車種に「ファイブスター大賞」を授与する制度となっている。

 2024年度は乗用車6車種が評価された結果、4車種が「ファイブスター賞」を受賞。最高得点のトヨタ・クラウン(セダン)が「ファイブスター大賞」を受賞した。各車種の評価結果は以下の通り。

  • トヨタ・クラウン(セダン):★★★★★(ファイブスター大賞)・184.30点(衝突92.52、予防83.78、通報装置8)
  • マツダCX-80:★★★★★(ファイブスター賞)・183.00点(衝突92.01、予防82.99、通報装置8)
  • ホンダ・シビック:★★★★★(ファイブスター賞)・182.44点(衝突89.64、予防84.80、通報装置8)
  • ホンダWR-V:★★★★★(ファイブスター賞)・176.23点(衝突86.01、予防82.22、通報装置8)
  • ホンダ・フリード:★★★★(星4つ)・:175.07点(衝突82.55、予防84.52、通報装置8)
  • スズキ・フロンクス:★★★★(星4つ)・163.75点(衝突76.33、予防79.42、通報装置8)

2024年度のJNCAP配点方法・ランク付け基準

 表彰式では、クラウンシリーズの開発を担当したトヨタ自動車ミッドサイズビークルカンパニーMS統括部の清水竜太郎チーフエンジニアによる、ファイブスター大賞受賞者プレゼンテーションが実施された。

トヨタ自動車の清水竜太郎チーフエンジニア

 クラウンが1955年の初代誕生以来、70年16代の歴史において、初代はねじれに強いボディ構造、1962年デビューの2代目は割れても飛散しない接着式合わせガラスを採用するなど、最新の安全技術をいち早く採り入れてきたことを説明。

 ファイブスター大賞を受賞した現行16代目クラウン(セダン)の衝突安全技術として、「小型車と衝突した場合でも相手側車両への衝撃を軽減する衝撃吸収ボディを採用し、両車が共存できることを目指した」ことを解説した。

 また、歩行者との事故で歩行者の頭部への衝撃を緩和するため、ポップアップフードを採用」したことを紹介している。

現行クラウン(セダン)に採用されているポップアップフードの作動イメージ

(文・写真=遠藤正賢/図=NASVA、トヨタ自動車)