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オランダ発プロフェッショナルツールブランド・Sonic Equipment、日本市場への本格参入に向け戦略語る

  • #インタビュー

2026/06/12

オランダに本社を構えるハンドツールブランド・Sonic Equipment(ソニック・イクイップメント。以下、ソニックと表記)が、日本の自動車整備業界へ静かに、しかし確かな意志をもって近づいている。今年4月に開催の台湾最大級の自動車及びオートバイ部品・アクセサリー、360°MOBILITY Mega Shows。その一角で台湾法人のセールスディレクター、マイケル・ホァン氏が、同社の創業の経緯から欧州で50%超のシェアを誇るブランドの核心、そして日本市場参入への現実的な展望まで、率直な言葉で語った。


Sonic Equipment 台湾法人 セールスディレクター 黃中鍵/ マイケル・ホァン氏

―ブランドの成り立ちと、台湾法人の立ち位置について

 創業は2004年。オランダ人の起業家が台湾の工具産業に深い関心を持ち、台湾域内の成熟した製造業のネットワークを活用しながら、OEMによって製品を調達・輸入する貿易商としてスタートした。

 台湾側のパートナーはもともと独立した貿易会社であり、欧州のソニック・ブランドのために台湾メーカーとの橋渡し役を担っていた。台湾で製造し、オランダに輸出して販売するというモデルを約15年間継続した結果、欧州での事業は着実に拡大。オランダ国内のハンドツールの市場シェアは50%を超え、ドイツ、フランスにも子会社を設立するに至った。5年前、欧州での成長を背景に投資家が参入し、オランダ本社が台湾貿易会社を買収、現在の台湾法人となった。


―製品としての強みは、どのような思想から生まれているか

 創業者とその子息がモータースポーツに携わっていたことが、すべての起点にある。レーシングカーのピットにおける整備作業は、文字通り1秒が勝敗を左右する。その現場で培われた"効率"への執念が、ソニックの製品設計の根幹に流れている。

 効率とは単純な作業速度ではない。工具を探す時間の短縮、紛失リスクの低減、収納スペースの最小化。この3要素がそろって初めて、人件費・賃料・管理コストというリアルなコスト削減に結びつく。それに加えて、製品としての品質の高さとデザインの美しさ。そして、メインとする製品に対して10年保証を提供するアフターサービス。これらの効率、クオリティー、そしてアフターサービスの3つがが我々のコアバリューだ。


―10年保証について、より具体的に

 10年保証について補足すれば、競合他社が打ち出す「生涯保証」と比較されることもある。だが、生涯保証を謳うためには製品価格に相応のコストが乗る。

 我々が10年という期間を選んだのは、整備工場における工具の減価償却サイクルがおおむね10年であるからだ。工具を買い替える自然なタイミングと保証期間を合わせることで、コストと安心のバランスを最適化している。

 保証期間中は、工具が破損した場合に写真を送付してもらえれば、正規の使用であることを確認した上で無償で交換する。それも何度でも対応する。



―VAGグループ認定サプライヤーとして

 我々はVAGグループ(フォルクスワーゲン・グループ)の認定機材サプライヤーに選ばれている。ソニックはその中で最も若いブランドだ。この認定を受けることで、VAG系列の全世界のディーラーがシステムを通じて当社の工具を発注できる仕組みが整っている。 台湾域内においてもベンツ、BMW、ポルシェといった欧州系メーカーの整備拠点で当社製品が使用されており、同域内の欧州系ディーラーにおけるカバレッジは75%に達している。


―日本でのビジネス展開についてはどのような現状認識を持っているか

 日本は、我々が長年ターゲットとして見据えてきた市場だ。車両保有台数の多さ、自動車産業の技術的な厚み、そしてモータースポーツ文化の根付き―この3点において、当社の訴求軸と極めて親和性が高い。

 だが同時に、日本市場の難しさも充分に認識している。既存の確立されたブランドへの信頼が厚く、新規参入者に対する門戸は狭い。競合の世界的ブランドでさえ、日本での展開に苦労しているという現実がある。我々のような若いブランドにとって、ハードルはさらに高い。そこで今年から戦略を転換し、展示会やメディアへの露出を通じて、ブランドの存在そのものを日本市場に認知させることを優先する方針に切り替えた。近日オランダ本社で開催されるグローバル会議においても日本を重要市場として正式に位置付け、具体的な戦略と予算を策定する予定だ。まず認知度を高めて小さな成功体験を積み重ねた後、パートナーシップの交渉に臨む。


―日本の整備事業者やパートナーを検討する企業に向けてメッセージを

 当社の工具は日本のエンドユーザーに対して、これまでにない品質と使用体験を提供できると確信している。製品設計の美しさ、機能性、そして10年保証というアフターサービスの体制。このすべてが、厳しい目を持つ日本の整備現場においても、充分な訴求力を持つはずだ。

 我々は日本市場に対して本気で向き合っており、その姿勢は今後の動きに具体的に表れるだろう。先々、展示会でお目にかかれた際は我々のソリューションを体感してほしい。そして新ブランドの取り扱いを検討している事業者には、ぜひご連絡いただきたい。


360° MOBILITY Mega Showsでの同社ブース。洗練されたデザインに多くの来場者が足を止めた

同社は工具を指定のスペースに収納した状態でツールボックスを提供する“ソニック・フォームシステム”を展開。工具の出し入れから在庫管理まで高効率化が可能で、時間・費用コストを大幅に節約できる

同社は工具を指定のスペースに収納した状態でツールボックスを提供する“ソニック・フォームシステム”を展開。工具の出し入れから在庫管理まで高効率化が可能で、時間・費用コストを大幅に節約できる

協業の提案・問い合わせ窓口

担当者

李 唐(リ-・タン)/ Donna Li

メールアドレス donna@sonic-tools.com.tw (※日本語でのメールも可)

同社Webサイト(英語・オランダ語)