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改造届出を「現車審査のみ」に簡素化 オンライン化で利便性向上へ

物流系の車両を扱う整備工場必見。現車確認一発は、現場にはありがたい制度改定

2026/04/09

独立行政法人自動車技術総合機構(NALTEC)は3月25日、自動車の検査基準を定める審査事務規程の一部改正を発表した。今回の改正の柱は、利便性の向上を図る「改造自動車届出制度」の抜本的な見直しと、最新の安全基準への対応だ。


プレスリリース:審査事務規程の一部改正について(第72次改正)


1. 改造自動車届出制度の合理化(書面審査の省略拡大)

これまで「事前書面審査+現車審査」の2段階で行われていた審査方法が、一定の条件を満たす改造に限り、書面審査を省いた「現車審査のみ」へと移行しする。これにより、審査期間の短縮と事務負担の軽減が期待される。

ただし、部品の種類によって書面審査が免除される範囲が異なる点に注意が必要だ。

  • 同一型式内の純正装置を用いた改造

    動力伝達装置、走行装置、緩衝装置、連結装置の変更が対象となる。

  • 一般に流通している自動車部品を用いた改造

    緩衝装置(サスペンション等)の変更のみが対象となる。

【ポイント】

一般流通部品を使用して動力伝達装置などの改造を行う場合は、従来通り事前の書面審査が必要となる。

2. デジタル移行と制度の統合

事務手続きの効率化を加速させるため、従来の「改造自動車届出制度」を「新規検査等届出制度」へと統合する。

  • オンライン届出の導入: インターネット経由での届出が可能になる。
  • 通知書の廃止: これまで交付されていた紙の「改造自動車審査結果通知書」は廃止される方針だ。

3. 安全装備の義務化と国際基準への対応

最新の安全技術および国際的な車両基準に合わせた規定も新たに盛り込まれた。

  • 緊急車線維持装置(ELKS)の審査規定:

    乗車定員10人未満の乗用車および車両総重量3.5t以下の貨物車を対象に、協定規則第178号に適合するELKSの備え付けが義務化され、その審査方法が規定された。

  • 米国製自動車の認定制度導入:

    国土交通大臣の認定を受けた特定の米国製自動車について、個別に指定された保安基準に適合するものとみなす規定が追加された。輸入車市場の活性化を視野に入れた柔軟な対応といる。


【改正の概要一覧】

項目

改正内容のポイント

施行・適用時期

改造車届出

一部改造の書面審査廃止(現車審査のみへ)・オンライン化

令和8年10月1日

安全装置

緊急車線維持装置(ELKS)の審査規定の追加

令和8年4月1日

輸入車

大臣認定を受けた米国製自動車の審査規定の追加

令和8年4月1日


現場への影響と今後の展望

今回の改正について同機構は、「審査方法の明確化と手続きの適正化を図るもの」としてる。特に、サスペンション交換などの一般的なカスタマイズにおいて書面審査が不要となる点は、カスタムショップや部品メーカーにとって大きな追い風となるだろう。

改正後の審査事務規程の全文は、同機構のホームページ(https://www.naltec.go.jp/)で順次公開されている。