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日整連、令和7年度版「自動車整備白書」を発行

全業態・全作業内容で売上高が前年度超え 総整備売上高は過去最高となる6兆6,592億円

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2026/05/01

 日本自動車整備振興会連合会(喜谷辰夫会長)はこのほど、「自動車整備白書」の令和7年度版(2025年度版)を発行した。

 同書は2025年6月末時点における自動車特定整備事業者を対象として調査した結果をまとめたもの。そのため、売上高などは同年6月末時点に最も近い決算期分の数値を基にしており、実質的には2024年度の実績となる。

 同書が提示した業態別の売上高や事故整備の入庫台数、平均単価などについて、過去のデータの比較と併せて紹介する。

事業場数と整備売上高の推移

 事業場数の推移を示したグラフ1を見ると全事業場数の合計は92,251事業場(対前年度比133事業場・0.14%減)となり、4年ぶりに減少した。業態別に見ると、専業は25事業場(0.04 %) 増、兼業は156事業場(0.98%)減、ディーラーは11事業場(0.07%)増、自家は13事業場(0.37%)減となった。兼業が減少した背景には、工員不足や後継者難による廃業の増加に加え、新規の認証取得が減少していることがある。一方、ディーラーは国産車では販売網の再編などによって減少傾向が継続しているものの、輸入車ディーラーのうち一部のEVメーカーの販売ネットワーク拡充の影響などにより、全体では増加した。また、指定工場数は前年より122事業場(0.4%)減の29,810事業場で、3年連続で減少した。



 総整備売上高(グラフ2)は6兆6,592億円となり、前年度比で4,031億円(6.4%)増加し、過去最高を更新した。作業内容別では、2年車検整備が1兆9,645億円(前年度比5.7%増)、1年車検整備が7,392億円(同8.4%増)、定期点検整備が4,928億円(同7.9%増)、事故整備が1兆2,253億円(9.4%増)、その他整備が2兆2,374億円(同4.6%増)。業態別では専業が2兆5,488億円(同13.4%増)、兼業が7,746億円(同0.4%増)、ディーラーが3兆493億円(同2.5%増)、自家が2,865億円(同9.4%増)となり、全作業内容及び全業態で前年を上回った。人件費の増加分を転嫁するための工賃アップや部品材料費の上昇、車両の平均使用年数の長期化などが各種整備売上高の増加につながったと見られる。

事故整備の動向

 グラフ3は業態別に事故整備売上高の推移を示したもの。専業が前年度比725億円(17.7%)増の4,817億円、兼業が同345億円(33.6 %) 増の1,371億円、ディーラーが同73億円(1.3%)減の5,519億円、自家が同58億円(11.9%)増の546億円だった。また、1事業場当たりの事故整備平均入庫台数(グラフ4)はディーラー以外で増加しており、事故整備平均単価(グラフ5)は全業態で上昇していた。


 ASVの普及によりレーダーやカメラなどの高額部品の交換、エイミング及びアライメント調整が必要となるケースがあるため、整備単価は上昇傾向にある。加えて近年、損害保険会社各社から車体整備工場への支払いに用いられる工賃単価が上昇していることも、平均単価の上昇につながっている。また、日本損害保険協会の発表によると、2024年4月に発生した兵庫県を中心とした降ひょうで車両保険の支払い対象は10万台、835億円に及んでいる。全損となり修理されなかった車両を除いても、自費修理があることを加味すると、事故整備の入庫台数が増加した要因の一つになったと考えられる。

レーバーレートは全業態で上昇傾向

 レーバーレートに関する調査では、業態別で専業が中央値7,700円(前年度比700円増)・平均値7,697円(同412円増)、兼業が中央値8,000円(同300円増)・平均値8,199円(同468円増)、ディーラーが中央値10,000円(同増減なし)・平均値10,618円(同569円増)、自家が中央値7,000円(同増減なし)・平均値7,250円(同372円増)となり、業態全体では中央値9,000円( 同200円増)、平均値9,165円(同496円増)と、いずれも上昇傾向を示した。

 特に車体整備業界においては、物価の高騰や労務費の転嫁を求める行政の動き、国土交通省が発出した「車体整備事業者による適切な価格交渉を促進するための指針」などを背景として、工賃単価の見直しを進める動きが活発化している。そのため、今後もレーバーレートの上昇傾向は継続するものと見られる。

 一方、整備事業の利益について規模別に調査した結果(グラフ6)では、小規模事業者において利益が減少している傾向が見られた。材料費や労務費、エネルギー費などのコスト上昇を価格に転嫁しきれていない現状が示唆された。