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内浜化成とNPAC、型内塗装外装部品の量産開始 – レクサスLMに国内初採用

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2025/07/09

内浜化成と日本ペイント・オートモーティブコーティングス(以後NPAC)は、自動車向け熱可塑性樹脂大型外装部品の型内塗装(インモールドコーティング)技術を共同開発し、その量産を開始した 。この技術を用いたピラー部品が、国内で初めてトヨタ自動車の「レクサスLM」に採用されることが決定し、2025年7月から部品生産、同月中に量産車への搭載が予定されている 。


型内塗装は、樹脂成形と表面塗装を一つの工程で行う技術 。金型内で樹脂成形後に塗料を注入し、成形品の表面に塗膜を形成する 。この方法により、従来の塗装に必要な塗装ブースや乾燥炉が不要となり、工程短縮に加え、CO2排出量を60%削減(内浜化成計算値)、VOC排出量を低減できる 。型内塗装で用いられる無溶剤型塗料はNPACが開発したもので、99%以上のVOC削減を実現しながら、従来の塗装と同等の品質を保つ 。


今回量産が開始される「レクサスLM」のピラー部品は、車両の窓ガラスと一体化する構造のため、高いデザイン性と耐久性が求められる重要な部位だ。型内塗装技術は、高い表面平滑性による美しい外観と厳格な品質基準を満たすことに加え、VOC排出量削減による環境配慮も実現している 。これらの点が高級車にふさわしい価値を付加すると認められ、トヨタ自動車とトヨタ車体の協力のもと量産車への採用に至った 。


両社は今後、型内塗装の特長である金型転写技術を活用し、幾何学模様やエンボス加工などの繊細なデザインや多彩なカラーバリエーションを製品ラインナップに追加することで、自動車デザインの可能性を広げることを目指すとしている 。

型内塗装を施したピラー部品

部品適用部の拡大写真。Aピラーそのものというより、ピラーカバー部が型内塗装となった