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日産とQuemix、量子アルゴリズムを用いた車両空力シミュレーションで実証実験に成功
従来1日を要した計算を数分に短縮できる可能性を示唆
2026/06/17
日産自動車とQuemixは、量子コンピューターを活用した車両空力シミュレーションの共同研究を実施した。本研究では、量子コンピューター向けアルゴリズムを車両空力シミュレーションに適用し、その有効性を実証した。この技術により、従来1日を要していた計算を、数分レベルまで短縮できる可能性があるとしている。
量子・古典ハイブリッドアルゴリズムの開発
両社は、車両周りの流体計算において、量子コンピューターと従来型のコンピューター(古典コンピューター)を組み合わせた新たなハイブリッドアルゴリズムを開発した。量子コンピューターが計算の主要部分を担い、古典コンピューターが周辺処理を補完する構成とすることで、計算効率の向上を図った。
このアルゴリズムを用いて、複雑な形状を対象とした空力シミュレーションを量子コンピューターのシミュレーター上で実行。その結果、従来の古典計算と同等の精度で流体挙動を再現可能であることを確認した。
簡易車両モデルにおける空力解析結果の比較
左:古典コンピューターの結果 右:量子コンピューターの結果
今後の開発方針と実用化への展望
現在、空力解析には格子ボルツマン法(LBM)などが用いられているが、計算時間の長さが課題となっていた。また、量子コンピューターの活用においては、既存手法をそのまま適用できない技術的制約があった。本研究は、これらの課題に対する解決アプローチの一例となる。
日産は開発プロセスのデジタル化を推進しており、材料開発やモビリティサービス、EVを用いたエネルギーマネジメントの最適化など、幅広い領域での量子コンピューターの活用を検討している。今回、汎用性の高い流体解析分野への適用可能性が示されたことを受け、日産とQuemixは本成果について共同で特許出願を行った。
今後は研究をさらに発展させ、量子コンピューターを活用した車両空力シミュレーションの実用化を目指すとともに、将来的な車両開発プロセスへの適用を検討していく方針。
なお、本研究の成果は2026年6月4~5日に開催された国際カンファレンス「Q2B 2026 Tokyo」において、発表された。