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いすゞ自動車が2026年3月期決算を発表、営業利益は前期比258億円減の2,037億円
米国関税や中東情勢が響き減益、2027年3月期は2,600億円の営業黒字を見込む方針
2026/05/20
いすゞ自動車株式会社は、2026年3月期の決算説明資料を公表した。
2026年3月期の実績は、販売台数の増加や価格対応の推進によるプラス要因があったものの、米国関税の影響、資材費等の上昇、為替影響、成長関連費用の増加といったマイナス要因に直面した。さらに中東情勢の影響による出荷停止も加わり、営業利益は2025年3月期から258億円減益の2,037億円となった。売上収益は3兆4,791億円(前期比8%増)、税引前利益は2,306億円(同6%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,349億円(同4%減)である。販売台数は商用車(CV)およびピックアップトラック・派生車(LCV)ともに2025年3月期からは増加したものの、ホルムズ海峡封鎖の影響で3月に中近東向けが出荷できなかったことなどから、2月に公表した見通しには届かなかった。
2027年3月期は営業利益2,600億円を見込む
2027年3月期の通期見通しについては、売上収益3兆7,000億円(前期比6%増)、営業利益2,600億円(同28%増)、税引前利益2,600億円(同13%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,600億円(同19%増)を見込んでいる。
製品別の台数面では、CVの国内向けは商品力を活かして10万台の販売、海外向けは中東情勢の影響があるものの北米を中心に台数増を目指す。LCVはタイ向けおよび輸出向けともに中東情勢の影響を織り込み、2026年3月期並みの台数を見込んでいる。損益面では、資材費等の高騰によるマイナスに対して販売台数の増加、価格対応の推進、為替影響によるプラスが大きく上回ることで過去最高益を目指す方針であったが、中東情勢の影響として400億円のマイナス要因を織り込んだ結果、営業利益は2,600億円となる見通しだ。1株当たり配当金は、2026年3月期から2円増配となる94円を予定している。
2026年3月期の各事業における販売実績
2026年3月期のCVグローバル販売台数は、国内向けが市場の堅調さにより前期比3千台増の9万2千台となった。海外向けは米国の関税影響や市況悪化があったものの、全体では前期比1万2千台増の23万2千台となり、CV計では前期比1万5千台増の32万4千台を記録した。国内トラック市場における同社のシェアは、大型、中型、小型(2-3トンクラス)で50%超を獲得した。小型(1-1.5トンクラス)では普通免許対応の小型トラック・エルフミオ(ELFmio)の販売が本格的にスタートし、シェアが向上している。
LCVグローバル販売台数は、タイ向けが厳しい市況の継続にもかかわらず在庫調整を実施した前期からの反動で前期比1万4千台増の6万台となった。輸出向けは、サウジアラビアの需要減少や中東情勢影響による3月の出荷停止で中近東向けが減少したものの、アフリカやオセアニアを中心に増加し、前期比9千台増の19万3千台となった。LCV計では前期比2万3千台増の25万3千台を達成している。
産業用エンジンの出荷基数は、新興国向けの堅調な需要に支えられ、前期の10万8千基から12万7千基へと増加した。アフターセールス事業については国内および海外ともに順調に伸長し、中期経営計画で2027年3月期に掲げていた売上目標6,000億円を1年前倒しし、6,210億円(前期は5,780億円)で達成している。
営業利益の増減分析と新セグメント情報の開示
2026年3月期の営業利益における前期からの増減内訳は以下の通りである。
- 売上変動・構成差:プラス320億円(国内CVプラス30億円、海外CVプラス65億円、LCVプラス65億円、その他プラス160億円)
- 為替変動:マイナス220億円(米ドルマイナス30億円、ユーロマイナス55億円、タイバーツマイナス100億円、他マイナス35億円。豪ドルはプラスマイナス0円)
- 資材費等の変動:マイナス255億円(資材費マイナス205億円、物流費マイナス50億円)
- 費用増減他:マイナス241億円(労務費マイナス100億円、一般経費他マイナス141億円)
税引前利益(2,306億円)については、関連会社における一時的な配当収入による持分法投資損益の増加(150億円)や、金融収支における為替差損益の改善(119億円)により、営業利益から269億円増加している。親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益から957億円減少し1,349億円となった。
中東情勢がもたらす影響と今後のリスク織り込み
中東情勢による影響として、調達面ではナフサ価格が紛争前の約1.8倍に高騰したことで、塗料溶剤や樹脂、ゴムなどの原油由来素材の調達価格が上昇している。物流面ではホルムズ海峡封鎖に伴い、中近東向けは3月から出荷停止となっており、代替ルートの運賃は通常の5倍以上が見込まれるほか、洋上待機在庫の再出荷コストも発生している。その他地域向けでも燃料価格高騰により輸送コストが上昇基調にある。生産・出荷面では、中近東向け完成車の出荷停止に伴い4月から6月まで生産停止(出荷再開は6月、生産再開は7月予定)、ノックダウン出荷についても4月から5月まで減産を余儀なくされている。
これらの影響に対し、2027年3月期の見通しでは営業利益ベースで計400億円のマイナス影響を織り込んでいる。内訳は、既に発生している影響として原油由来素材の調達コスト上昇(マイナス100億円)、物流費および再出荷コスト(マイナス100億円)、中近東向けの出荷遅延による通期1ヶ月分の販売台数減(マイナス35億円、CV3.5千台減・LCV2千台減)を見込む。今後想定される影響としては、原油高に伴う市況悪化リスクとして海外CVで想定比10%程度の台数減(マイナス135億円、2万2千台減)、タイLCVの需要回復停滞(マイナス40億円、1万台減)、輸出向けLCVの市況影響(マイナス40億円、1万台減)を反映している。なお、輸送コスト上昇分については価格対応でプラス50億円の挽回を図る方針としている。
2027年3月期のグローバル販売台数見通し
2027年3月期のCVグローバル販売台数見通しは、国内向けが商品力の活用や生産から納車までのキャパシティ最大化に取り組み、前期比8千台増の10万台を目指す。海外向けは中東情勢による台数減リスクを織り込みつつも、北米の市況回復などにより前期比1万8千台増の25万台を見込み、CV計では前期比2万6千台増の35万台を計画している。
LCVグローバル販売台数見通しは、タイ向けが需要回復の遅れを考慮して前期比3千台増の6万3千台、輸出向けは中近東・アフリカ・アジアでの台数減リスクを織り込み前期比3千台減の19万台を見込む。LCV計としては前期並みの25万3千台を想定しており、CVとLCVを合わせたグローバル合計販売台数は前期比26千台増の60万3千台となる見通しだ。
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