JOURNAL 最新ニュース
出光興産が2025年度通期決算と2026-2030年度の中期経営計画を発表
2025年度は燃料油のタイムラグによる影響などで減収増益に
2026/05/20
出光興産が2026年5月12日に発表した2025年度連結実績は、売上高が前年比11.8%減の8兆1,059億円、営業利益が同30.8%増の2,122億円、経常利益が同6.9%増の2,296億円、当期純利益が同65.2%増の1,719億円となった。
在庫影響を除いた実績では、営業利益と持分法投資損益の合計が前年比294億円増の2,441億円、当期純利益が同675億円増の1,923億円を記録した。ROEは前年度の7.1%から10.6%へと上昇している。
中東情勢への対応とタイムラグ影響
今回の増益は、石炭価格の下落があったものの、燃料油のプラスタイムラグや電力・再生可能エネルギーの改善によるものである。営業+持分損益ベースでのタイムラグによる影響は前年対比で967億円のプラスとなった。また、11月に公表した業績予想(営業+持分損益1,750億円、当期純利益1,450億円)に対しても、主に3月の原油価格上昇に伴うプラスのタイムラグ影響により、営業+持分損益は691億円の増益となった。
中東情勢への対応について同社は、国内に対する燃料油・石油化学製品等の安定供給を最優先とする基本方針を掲げている。原料調達においては中東以外も含めたあらゆる地域から原油およびナフサを調達し、製造においては製油所・事業所の安定稼働を継続する。販売面では国内供給を最優先とし、安定供給に必要な追加コストについては価格転嫁を進めるなど、安定供給に向けたあらゆる方策に取り組む方針だ。
株主還元の実施と投資実績
2025年度の株主還元として、配当は1株当たり36円(中間18円、期末18円)とする。また、5月12日に250億円の自己株式取得を決議した。これにより、配当および自己株式取得を合わせ、総還元性向は50%以上の水準となる。
同年度の投資実績は支出ベースで、CN(カーボンニュートラル)投資が402億円、成長投資が904億円、操業維持投資が841億円の合計2,147億円となった。11月公表の見通し(合計3,330億円)からは1,082億円減少した。これは投資意思決定は前提通りに実施したものの、一部大型案件における支出時期の後ろ倒しによるものとしている。
前中期経営計画の振り返りと3つの事業戦略方針
前中期経営計画(2023-2025年度)の振り返りにおいて、2025年度実績は営業+持分損益が2,441億円(目標2,300億円)、ROEが10.6%(目標10%)と目標を達成した。一方、ROICは6.5%(目標7%)、化石燃料事業収益比率は98%(目標70%以下)となった。燃料油や高機能材の増益等で目標を達成したものの、原油価格変動等の一過性要因による押し上げも大きく寄与したため、同日発表された新たな中期経営計画では安定的な収益基盤の構築と更なる資本効率の改善を課題にあげている。
新中期経営計画における事業戦略は、経営環境の不確実性の高まりを踏まえて事業戦略をリバランスし、以下の3つのテーマで推進される。
- 既存事業の深化(GRIT):燃料油や基礎化学品など、社会的にも重要性が再認識される既存事業の基盤を強化し、エネルギー・素材の安定供給に努めつつ、収益最大化と資本効率向上を図る。2030年度までに税前利益プラス1,100億円とする方針だ。
- 成長事業の創出(GROWTH):電化・電動化/ICTや、海外をはじめとする成長領域において、同社の強みを活かした新たな事業を切り拓く。2030年度までに税前利益プラス600億円とする方針。
- 低/脱炭素事業への挑戦(CNX):2050年カーボンニュートラル実現とともに、中長期的なエネルギー安全保障への貢献を見据え、時間軸を見極めながら低/脱炭素ソリューションの経済的・技術的課題の解決と事業化に挑戦する。
同社はこれらの取り組みを5つの事業セグメント横断で、またパートナーとの共創を通じて推進し、企業価値を向上させるとともに社会課題の解決にも貢献するとしている。
2026-2030年度中期経営計画の財務目標
新中期経営計画では、事業、人財、ビジネスプラットフォームの掛け算による収益力強化を通じ、PBR1倍超の安定的達成と持続的な企業価値の向上を目指すとしている。2026年度から2030年度までの5年間の累計投資額は1兆8,000億円を見込む。
新中期経営計画の財務目標(IFRS基準)として、ROEは2027〜2028年度に12%、2030年度に13%以上を設定した。また、2030年度のROICは7%以上、税前利益(金融費用除き)は3,600億円を目標としている。2026〜2030年度の総還元性向は50%以上とし、累進配当を導入する方針だ。
あなたにおすすめの記事
-
コスモエネルギーHDが2026年3月期連結決算を発表 当期純利益は28.4%増の740億円
2026/05/20
-
出光興産が2025年度通期決算と2026-2030年度の中期経営計画を発表
2026/05/20
-
SUBARUが2026年3月期決算を発表、海外市場で販売台数が減少
2026/05/20
-
いすゞ自動車が2026年3月期決算を発表、営業利益は前期比258億円減の2,037億円
2026/05/20
-
損保ジャパン、DRS Groupと戦略的パートナーシップを締結
2026/05/19
-
【2026年最新】ホンダ0シリーズの発売日はいつ?北米中止の真相と日本での展開・予約時期を徹底解説
2026/05/19