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ナフサ不足の原因「わかった」 自民・萩生田氏「本当は『ここにいっぱいあります』と声を出して言いたい」水面下での働きかけを匂わせる。
2026/06/01
ナフサ不足の真相、「目詰まり」の正体とは。政府・自民党が指摘する流通の歪み
国内で深刻化が懸念されるナフサ不足を巡り、政府および自民党は、その原因が生産量の不足ではなく、特定の業者による在庫の抱え込み、すなわち流通段階での「目詰まり」にあるとの見解を強めている。自民党の萩生田光一幹事長代行は、原因となっている業者を特定したと明言。安易な増産は将来的な供給過剰を招くとして、まずは流通の正常化に全力を挙げる方針を示した。
「本当は『ここにいっぱいあります』と声を出して言いたい」
ナフサの供給不安が広がる中、自民党の萩生田光一幹事長代行は先週、YouTube番組に出演した際、問題の核心に踏み込む発言をした。萩生田氏は、流通が滞る「目詰まり」の原因となっている業者が「分かった」と明かし、在庫は特定の場所に偏在しているとの認識を示した。
「本当は『ここにいっぱいあります』と声を出して言いたいんですけど、そう言うとその会社が評判が悪くなっちゃって」と述べ、原因企業の特定に至っていることを示唆しつつも、具体的な言及は避けた。その上で、「『もうちょっと早く出さないと評判悪くなりますよ』というようなことも、なんとなく伝えながらです」と語り、水面下での働きかけを行っていることを匂わせた。
萩生田氏が強調するのは、問題の解決策として増産を選択することのリスクである。「ここで安易に増産をしてしまうと、将来それがだぶついて、結果として、しわ寄せを受ける企業も出てくる」と指摘。現在の問題は絶対量の不足ではなく、流通の歪みであるとの立場から、目詰まりの解消こそが最優先課題だと訴えた。また、在庫を抱える業者についても、「意地悪で手元に置いているのではなく、不安だから置いているわけです」と述べ、その動機に一定の理解を示した。
「国全体としては量的に足りている」
政府もまた、萩生田氏と同様の見解を示している。先月31日、赤沢亮正経済産業大臣は鹿児島県にある石油備蓄基地、喜入基地を視察した。中東情勢が悪化して以降、大臣が備蓄基地を訪れるのはこれが初めてであり、エネルギー供給体制への関心の高さがうかがえる。
視察後、赤沢大臣は石油やナフサの供給状況について、「国全体としては量的に足りている」と明言。その上で、「ただ、供給の偏りや流通の“目詰まり”が生じている」と述べ、問題が生産ではなく流通にあるとの公式見解を示した。この発言は、一部業者による在庫の抱え込みが市場全体の需給バランスを崩しているという認識を政府が共有していることを裏付けるものだ。
「目詰まり」の構造的要因と政府の狙い
では、なぜ特定の業者が在庫を抱え込み、市場の「目詰まり」を引き起こしているのか。その動機として、主に二つの可能性が指摘されている。一つは、価格上昇を見越した利益確保、いわゆる「先買い・売り惜しみ」である。中東情勢の緊迫化などを背景に、将来的な供給不安からナフサ価格がさらに高騰することを見込み、より大きな利益を得るタイミングを待っているという動きだ。
もう一つは、「買いだめの連鎖」である。一部の業者が在庫確保に動くと、それを見た他の業者も「将来手に入らなくなるかもしれない」という不安に駆られ、過剰に在庫を確保しようとする。この連鎖反応が市場全体の流通を麻痺させ、目詰まりを加速させるという構図だ。一部では、倒産危機に瀕している企業への高値転売を目的としている可能性も考えられている。
こうした状況に対し、政府は強制的な増産という手段ではなく、まずは不当な在庫抱え込みを解消させ、既存の在庫を市場に正常に流通させることを目指している。流通の歪みを是正することで、末端における不足感と価格高騰を抑制するのが狙いである。
目詰まり業者の名前公表は
原因となっている業者の名前を公表すべきだという声も上がりうるが、赤沢大臣は「名前を公表したりということを特に考えているわけではありません」と述べ、現時点では公表に慎重な姿勢を示している。
ナフサ不足問題は、単なる需給の問題ではなく、市場心理や流通構造に根差した複雑な様相を呈している。米の供給不足の際にも見たような光景だが、政府が指摘する「目詰まり」をいかにして解消し、市場の安定を取り戻すことができるのか。安易な増産に頼らない、的確な政策実行能力が今、問われている。