JOURNAL 最新ニュース
ブリヂストン、新研修施設「B-Solution Learning Center」を設立
顧客ニーズの把握・提案スキルを習得するセールスルームと安全・高効率・低負荷なタイヤ交換作業を学ぶ消費財・生産財ピットを設置
2026/04/13
ブリヂストンは2026年4月6日、新研修施設「B-Solution Learning Center」(ビー・ソリューションラーニングセンター。B-SLC)を、工場・研究開発拠点などを併設する東京都小平市の同社敷地内に設立。建築関連企業(日東工営、日鉄エンジニアリング、オカムラ、イトーキ)、整備機器メーカー(エイワ、小野谷機工、東洋精器工業、空研)、機械工具商社(バンザイ)、報道陣を招いた開所式・内覧会を同日に行った。
「B-Solution Learning Center」開所式テープカット後の来賓を招いた記念撮影の様子
B-SLCはブリヂストンとその関連会社、ブリヂストン製乗用車用タイヤ専門ショップ「タイヤ館」、商用車用タイヤなども取り使う「ミスタータイヤマン」などの従業員を中心に、タイヤの整備技術・顧客提案能力の強化を図るべく、2023年まで稼働していた千葉県市川市内の研修施設を移転リニューアルしたもの。
「B-Solution Learning Center」外観。写真手前より奥に向かってセールスルーム、消費財ピット、生産財ピットが並ぶ
開所式冒頭の挨拶で、ブリヂストン取締役代表執行役EAST CEOの田村亘之氏は、「創業者の石橋正二郎が掲げた『最高の品質で社会に貢献』は製品だけを指しているのではない。製品を作る仕組み、プロセス、そして人を、品質の一つと捉えている。これを不変の使命として、私どものDNAとして受け継いでいる。『タイヤは生命を乗せている』、ここで学ぶ一人ひとりがこれを肝に銘じて作業を学び、日々改善し、お客様に安全安心を提供するという、品質へのこだわりを究めていく発信場所にしたい」と、その狙いを説いた。
開所式冒頭の挨拶に立つブリヂストンの田村亘之取締役
「タイヤ館」の小売店舗を再現したセールスルームには、接客用カウンターや、カーオーナーが待ちながら工場内の作業進捗を確認できる窓を用意。
「タイヤ館」店舗が再現されたセールスルーム全景。ホイール製品やオイル・バッテリーなどの消耗品も展示されている
作業の進捗や待ち時間を可視化するカーオーナー向けスマートフォンアプリ「ピットトラッカー」、データに基づく時短商談、生成AIによるロールプレイング商談などの各デジタル技術を導入している。
「ピットトラッカー」の顧客向けスマートフォンアプリ使用画面イメージ。依頼を受けた作業の進捗や待ち時間が表示されるほか、追加作業の受注を促す提案機能も実装される
また、ブリヂストン製乗用車用タイヤをセダン・クーペ用、軽自動車・コンパクトカー用、SUV用、ミニバン用、スタッドレスなど分野ごとに展示のうえ、カーオーナーの保有車両・使用環境・ニーズごとに異なるおすすめタイヤをパネルで提案。
ホイールアライメントの狂いにより偏摩耗を生じたタイヤや、過走行や経年変化で交換時期になったタイヤの実物も展示して、顧客ニーズの把握・提案スキルを研修の中で習得しやすいよう、販促ツールを豊富に用意している。
タイヤ製品は分野およびカーオーナーにニーズごとに分けて展示。不具合が発生しているタイヤの実物も展示して、タイヤ交換による予防整備を積極的に提案しやすい環境を整えている
消費財(乗用車)および生産財(商用車・重機・建機など)の各ピットには、BEV(バッテリー式電気自動車)を含む様々な車両に対応しつつ、同社独自の作業標準に準拠した安全・高効率かつ身体的負荷の少ないタイヤ交換作業を習得できる、最新の整備機器を完備した。
消費財ピットにはタイヤ組み替えからホイールバランス取りまで一連の作業を少ない労力で効率的に行える設備を導入。研修用車両にはマツダ・ロードスターとレクサスNXを配備
生産財ピットには工具を天井から吊り下げる装置などを導入。内覧会では質量10kgのトルクレンチを用いたナット締結を実演し、身体的負荷を約1/3に軽減したことを示していた
屋外駐車場には、ロードサービス「ブリヂストンサービスネットワーク」(BSN)向けに、高速道路の路肩と走行車線を再現した「出張サービス研修路」を設置。2026年内にも「通過型タイヤ残溝計測システム」を追加する予定となっている。
「出張サービス研修路」では、ロードサービスカーを用いた高速道路上でのタイヤ交換のみならず、事故を未然に防ぐための三角停止板・パイロン設置の作業標準も習得できる
屋外駐車場へ追加予定の「通過型タイヤ残溝計測システム」イメージ画像。床面と両脇のパネルに内蔵されるカメラとレーザーでホイールアライメント測定も可能とする見込み
B-SLCでは今後、年間1000人規模での研修を実施。ニーズがあればカー用品店やディーラー、整備工場などの代理店従業員を対象とした研修も行う計画。
(文=遠藤正賢 写真=遠藤正賢、ブリヂストン)