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出光興産、全固体電池材料の大型パイロット装置建設に向け立柱式を実施
2027年中完工予定、トヨタ自動車との協業で2027~2028年の実用化を目指す
2026/06/12
出光興産は、千葉事業所(千葉県市原市)において、全固体リチウムイオン二次電池(全固体電池)の材料となる固体電解質を製造する大型パイロット装置の建設を進めている 。2026年5月13日には建設予定地で立柱式を実施。基礎工事が計画通り完了し、本格的に建設工事がスタートする(完工予定時期は2027年中)。
全固体電池は従来の液系電池と異なり、固体の電解質を使用する電池。イオンが移動しやすく、電気自動車の充電時間短縮や高出力化を実現する。また、高電圧・高温に強く、エネルギー密度向上や長寿命化も期待されている 。
トヨタ自動車との協業と実用化への展望
同社はトヨタ自動車と協業し、2027~2028年に全固体電池の実用化を目指している。立柱式には、同装置の建設を担う千代田化工建設、トヨタ自動車などの関係者が参列。 同社は、同装置を通じて固体電解質の性能向上および量産技術の開発をさらに加速させるとともに、原料から製品に至る一貫したサプライチェーンの構築を進め、材料面から全固体電池の社会実装を支える方針である。
中期経営計画における位置付けと技術的特徴
同社の中期経営計画(2026年度~2030年度)では、「成長事業の創出」の一つとして、電化・電動化/ICT融合領域の発展のカギとなるマテリアル・ソリューションの展開を掲げている。具体的には、有機EL材料や次世代ディスプレー材料、高速データ通信を実現する光電変換材料などの事業創出・拡大を進めている。なかでも、全固体電池のキーマテリアルである固体電解質は、同社の成長戦略を支える中核事業とすべく、技術開発および量産化に向けた取り組みを推進している。
同社が手掛ける固体電解質の原料には、石油製品の製造過程で副次的に発生する硫黄成分を使用している。同社は、硫黄成分の有用性を1990年代半ばに見出し、長年にわたり培ってきた技術力によって、固体電解質の開発に成功した 。 また、固体電解質の量産化へ向けた技術開発は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/次世代蓄電池・次世代モーターの開発」の一つとして採択されている。