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日本の自動車盗難被害1位は〇〇〇〇!? 盗難件数最多はまた〇〇県!?
損保協会、自動車盗難事故実態調査結果を発表
2026/05/01
自動車盗難は再び増加の兆し、ランドクルーザーの被害突出
自動車盗難は減少基調にあると思われがちだが、第27回自動車盗難事故実態調査結果が発表され、車両本体盗難件数が直近5年間で最多となったことが分かった。
中でも目を引くのがランドクルーザーの被害で、車両本体盗難、車上ねらいの両方でワースト1となっている。
発表結果を見ると、特定車種への集中と、愛知県の被害集中という二つの大きな傾向が浮かび上がる。
「直近5年間で最多件数」車両本体盗難の増加が目立つ
今回の調査は、2023年1月1日から2025年12月31日までを対象に、損害保険会社21社の支払い事案をもとに実施されたもの。2025年の対象事案数は、車両本体盗難が2,746件、車上ねらいが672件だった。
車両本体盗難件数は直近5年間で最多件数となっており、2023年の車両本体盗難は2,597件、2024年は2,499件と減少したものの、2025年は2,746件と増加した。
加えて、保険金の面でも負担は重くなっている。車両本体盗難1件あたりの平均支払い保険金は年々増加傾向にあり、2025年の年間支払保険金総額は約82億円で、2024年と比較して約10億円増加したとされる。車上ねらいについても、1件あたりの支払保険金は過去2年と比べて約10%上昇した。
「5年連続でランドクルーザー」盗難比率30%と被害が突出
車名別の盗難状況は予想通りではあるが、5年連続でランドクルーザー(プラドを含む)が1位となった。
2025年の車両本体盗難は825件、構成比30.0%となっており、2024年の688件、27.5%、2023年の383件、14.7%と比率が確実に上がっていることからも集中の度合いが強まっていることが分かる。
2025年の上位は次の通りである。
1位 ランドクルーザー(プラドを含む):825件、30.0%
2位 アルファード:240件、8.7%
3位 プリウス:204件、7.4%
4位 クラウン:136件、5.0%
5位 レクサスRX:113件、4.1%
6位 レクサスLX:109件、4.0%
7位 ハイエース:58件、2.1%
8位 レクサスLS:53件、1.9%
9位 ハリヤー:43件、1.6%
10位 ヴェルファイア:37件、1.3%
上位10車種合計の構成比は2023年の55.7%から、2024年64.3%、2025年66.2%へと上昇していることからも人気車種に集中していることがわかる。
車上ねらいでも状況は同様だ。2025年はランドクルーザーが66件、9.8%で1位。2024年は2位だったが、2025年はトップとなった。車両本体盗難、車上ねらいともにランドクルーザーがワースト1となっている。
「愛知県が2位の約2倍」都道府県別でも偏りが強い
都道府県別の支払件数では、愛知県への集中が際立つ。2025年の車両本体盗難は、愛知県が622件、22.7%で1位。2位の埼玉県は306件、11.1%と、愛知県は埼玉県の約2倍の件数となっている。
愛知県内の推移を見ると、2023年411件、15.8%、2024年515件、20.6%、2025年622件、22.7%と増加傾向にある。件数だけでなく、構成比も年々高まっている点が特徴だ。
なお、2025年の上位は、愛知県、埼玉県、神奈川県、千葉県、大阪府の順となっている。
車上ねらいでも、愛知県は124件、18.5%となっており、2024年に続き2年連続でワースト1となっている。
なぜ愛知県だけが突出して盗まれるのか!?
では、なぜ愛知県だけがここまで車両盗難が多いのか。それにはいくつかの理由が挙げられる。
①ターゲット車種が多い
盗難車トップ10を見てわかるように10台すべてがトヨタ車である。そしてご存じのように愛知県はトヨタのお膝元であることから車社会である。当然、ランクインした車種も数多く走っており、窃盗団からすると町全体が宝の山と言えるからである。
②解体・隠し場所(ヤード)が多い
盗んだ車を一時的に隠したり、輸出用に素早く解体したりする「ヤード」と呼ばれる施設(高い鉄板で囲まれた作業場など)が、愛知県の郊外や隣接する県に数多くある。ここに持ち込まれて解体されてしまうと、足取りを追うのはほぼ不可能になってしまう。
③逃走・輸出ルートの確立
愛知県、そして名古屋市周辺は高速道路網が発達しているため窃盗後の逃走が容易であることも挙げられる。
何より、日本一の貿易港である「名古屋港」の存在が大きい。盗んだ車をすぐに港や周辺施設に持ち込み、コンテナに詰めてそのまま船で海外に密輸することが容易なことも要因である。
つまり、愛知県は「高く売れる車がその辺に駐まっている」、「解体して隠す場所がある」、「海外へ逃がす巨大な港がある」という、窃盗団にとって都合の良い条件が揃ってしまっていることが盗難が後を絶たない最大の理由である。
愛車や顧客の車を守るために
愛車や預かっている顧客の車を守るにはどのような対策をするべきなのか。
発表された資料では盗難等防止対策についても触れている。
・バー式ハンドルロックや警報装置などの盗難防止機器を使用する
・防犯設備が充実した駐車場を利用する
・貴重品は車内に放置しない
・自宅の駐車場でも、防犯カメラや防犯灯などを利用する
どれも基本的なことになるが、それが盗難という悲劇を避けるための最大の防御となる。
また、自宅の駐車場でも安心せず、窃盗犯が心理的・物理的に侵入しづらい環境をつくることが重要だとしている。
被害の集中傾向が強まっているからこそ、個別の対策を重ねる意味は大きい。
愛知県だけでなく、車両盗難は全国各地で相次いでいる。一度盗難されると見つかることはほぼない。まずは自身でできる限りの防衛をしておくことが大切なのである。