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BSR誌面連動企画『磨きの匠』 FILE#4 ソーラー・清水大輔
磨きでは「使用機材による 研磨力の把握が重要」である
2025/06/13
PROFILE
清水大輔(しみず・だいすけ)
ソーラー 東京支店長・名古屋営業所長
経験年数 10年以上
主な経歴 自補修における磨きの最前線に立ち、水溶性コンパウンド「Bright」やバフシリーズの開発・改良に携わるなど、現場を通じて得た知見を製品に落とし込み、現場に届けるエキスパート。
座右の銘 「持ちつ持たれつ」
――磨き作業で意識すべきポイントや考え方について
ゴミ・ブツを取り除く際の初手のペーパーは、消せるギリギリの研磨力の番手を使って傷をていねいに置き換えていき、初期研磨に移行したい。
初期研磨からは、各工程の研磨力に必要以上に差が開き過ぎないようにする。当社では、各機材の研磨力を3段階で簡易的に数値化。たとえば、バフであればウール3・コットン2・スポンジ1、ポリッシャーではシングル3・ギア2・ダブル1。数字として視覚化することで、機材を組み合わせた際にその合計値で各工程での研磨力が分かりやすく、研磨プランを練る際の一つの指針となる。
各工程の研磨力をある程度把握した後は、ポリッシャーをどのように動かすかという技術をそこに加えていく。縦方向では下から上、横方向では左から右に動かす際に傷を切るイメージを持つ。あまりゆっくりと動かすと研磨熱で塗膜の温度が上がってしまい、不良の原因となるので注意したい。
コンパウンドをバフに塗布する際、多めに付けるのは推奨しない。初期研磨から仕上げ工程に移行するに従って徐々に減らすのが理想的。研磨粉を拭き取る際にタオルの拭き傷が付くリスクを減らす意味でも、適量での使用を心掛けたい。
――次世代を担う若手技術者にメッセージを
うまく磨くためには様々な要因が関係しているが、知識だけではなく研磨経験を積むことが結果的に上達の近道。
どの機材を使いどのように研磨するのか、なぜこの作業や工程をしているのかを意識することで、応用の効きやすい基本を習得できるだろう。当社としても、現場の技術者に寄り添ったソリューションを提供できるよう努めていきたい。
【作業実演】
トヨタ209ブラックマイカのボンネットへの磨き
ボンネットに付けたペーパー傷を、シングルポリッシャーのみの3工程と、シングル及びダブルアクションポリッシャーの2機種を用いた4工程の2パターンで実演。シングルのみではオーロラマークが残らないようていねいな磨きを、シングル及びダブルの併用ではコンパウンドとバフの使用点数を抑え、オーロラ対策も交えた磨きで仕上げた。