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新型日産リーフ、第3世代で大幅進化 – 航続距離600km超、2025年秋米国で発売へ
2025/06/18
日産自動車は6月17日、第3世代となる新型「日産リーフ」をグローバル発表した。2010年の初代モデル発売から15年で約70万台を販売したリーフは、今回のモデルチェンジで次世代クロスオーバーEVへと刷新。国内WLTC基準で600km以上(米国EPA基準で最大303マイル)の航続距離を実現し、2025年秋に米国で販売を開始、その後順次他の地域でも展開する予定だ。
デザインと空力性能
新型リーフは、日産のデザイン言語「タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム」をさらに発展させた。スリークで大胆なスタイルと、考え抜かれた室内空間が特徴だ。エクステリアは、彫刻的なEVらしいグリルレスのバンパーや、ファストバックのようなシルエットを採用し、空力性能を追求。格納式のフラッシュドアハンドルや、空力を考慮したホイール、フラットなアンダーボディなども特徴となっている。空気抵抗係数(Cd値)は日本・米国仕様で0.26、欧州仕様では0.25を達成している。
インテリアには、日本の建築思想「縁側」からインスピレーションを得たメーター背景デザインや、64色から選択可能なアンビエント照明を採用。また、日産初となる調光パノラミックガラスルーフを搭載し、ボタン一つでガラスの透明度を調整できる。
パワートレインと走行性能
新型リーフには、新開発の3-in-1 EVパワートレイン(モーター、インバーター、減速機一体型)が搭載され、従来モデルより10%小型化されている。バッテリーは2種類用意され、使用可能電力量は52.9kWhと75.1kWh。最高出力はそれぞれ130kW(174hp)と160kW(214hp)、最大トルクは345Nmと355Nmとなる。
シャシーには日産のCMF-EVプラットフォームをベースとし、フロントにストラット式、リアにマルチリンク式のサスペンションを採用。ボディ剛性も向上し、快適な乗り心地と優れた操縦安定性を両立している。最小回転半径は5.3mと、取り回しの良さも確保している。
充電性能と先進技術
充電に関して、米国仕様の75kWhバッテリー搭載モデルはEPA基準で最大303マイルの航続距離を実現し、日本・欧州仕様ではWLTC基準で600km以上となる。北米充電規格(NACS)コネクターを採用し、テスラのスーパーチャージャーにも対応する。最大150kWの急速充電に対応し、10%から80%までの充電が最短35分で可能だ。
また、新型リーフはクルマ全体の冷熱システムを一括制御するエネルギーマネジメントシステムを搭載。ナビゲーションと連動し、ルートに応じてバッテリー温度を最適化する「ナビリンクバッテリーコンディショニング」も採用されている。
先進運転支援技術として、「インテリジェントディスタンスコントロール」や「インテリジェントアラウンドビューモニター」を搭載。高速道路での運転をサポートする「ProPILOTアシスト」(日本向けはプロパイロット2.0)も採用されている。
ライフスタイルを豊かにする機能
新型リーフは、V2L(Vehicle-to-Load)機能を搭載し、災害時やアウトドアアクティビティでの電力供給に対応する。米国仕様では、室内と荷室に合計最大1,500Wの120Vコンセントを搭載。V2Lアダプターからの電力供給も可能で、日本では最大1,500W、米国では1,800W、欧州では最大3.7kWの出力が可能だ。日本仕様ではV2H(Vehicle-to-Home)機能も引き続き採用され、家庭への電力供給や太陽光発電の蓄電も可能となっている。欧州仕様では将来的にV2G(Vehicle-to-Grid)にも対応予定だ。
新型リーフは、日本の栃木工場とイギリスのサンダーランド工場で生産される。価格などの詳細は、販売開始時期に合わせて各市場で発表される予定だ。
空力特性を強く意識しているのは確かで、ルーフの一番高い個所が前席側になっている。その分後席は見かけよりも圧迫感があるのかもしれない。実車を見る時にはその点を意識してもよいだろう。