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スズキなど5社、産学官連携の教育プログラムを浜松で始動
遠州・浜松の「ものづくり産業」と「食文化」を軸に、首都圏・関西圏の大学生を対象としたフィールドワークを実施
2026/06/17
和栗協議会に参画し、スタディツアー事務局を担う静岡新聞社・静岡放送(所在地:静岡県静岡市)、スズキ(所在地:静岡県浜松市)、遠州鉄道(所在地:静岡県浜松市)、ソミックマネージメントホールディングス(所在地:静岡県磐田市)、春華堂(所在地:静岡県浜松市)は、2026年度より産学官連携による実践型教育プログラム「WA-クリエイティブツアー」を本格始動する。
同プログラムは、これまで2年間実施してきたスタディツアーを発展させたもので、遠州・浜松の「ものづくり産業」と「食文化」を軸に、首都圏および関西圏の大学生を対象とした実践型フィールドワークプログラム。企業訪問や農業体験、ワークショップなどを通じて、地域課題の解決を実践的に考える機会を提供し、地域社会の活性化と次世代人材の育成を目指している。
2026年度は、立命館大学、立正大学、法政大学、青山学院大学、立教大学など複数大学と連携し、年間最大約70名規模での実施を予定している。プログラムでは、「食」、「情報コンテンツ」、「モビリティ」、「音楽」、「学び」などのテーマごとにチームを編成し、参加企業の経営層や若手社員との対話やフィードバックを通じて、最終的に地域課題に対する解決アイデアを発表する。5月22日に実施された立命館大学での講義を皮切りに、2026年度のプログラムが始動する。8月までは遠州エリアに関する歴史・文化・産業への理解を深めるインプット期間とし、9月には現地でのフィールドワークを実施する。その後、1月に開催予定のピッチコンテストに向けて、10月からは各チームによるプロジェクトデザインおよび具体的なアウトプット創出に取り組むとしている。
また、同取り組みは単なる企業見学にとどまらず、学生が地域での仕事や暮らしを具体的にイメージできる点が特徴であり、「どの企業に就職するか」だけでなく「どの地域で働くか」という新たなキャリア選択の視点を提供する。企業にとっても、将来を担う人材との接点創出や採用ミスマッチの低減につながる取り組みとして位置づけている。
今年度からは大学との連携をさらに強化し、単位化された教育プログラムとして実施している。今後は、教育カリキュラムへの本格的な組み込みを進め、継続的かつ発展的なプログラムとして展開する方針である。
キャリア選択における課題と背景
近年、多くの学生が「やりたいことが分からない」といったキャリア選択の課題を抱えている。一方で、企業側も都市部への人材流出や採用コストの増加、早期離職の増加といった構造的な問題に直面している。こうした背景を受け、従来の座学や短期インターンにとどまらない、社会や地域と直接接続する「実体験型の学び」の必要性が高まっている。このような状況を踏まえ、和栗協議会では、ものづくりと食文化の都市・浜松を舞台に、地域企業の現場に直接触れることで、学生に「もう一つのキャリア選択肢」を提示するスタディツアーを企画し、参画団体とともに実施している。
取り組みの概要と“地域に就職する”という発想
「WA-クリエイティブツアー」は、企業単体ではなく地域全体をフィールドとした教育プログラムであり、地域・企業・生産者・行政が連携した実践型フィールドワークと、学生・企業・大学による共創型のプログラム設計を基盤としている。食・産業・文化を横断した学び(リベラルイーツ)や「Know How」ではなく「Know Why」を重視した教育を通じて、学生に「どの会社に就職するか」ではなく「どの地域で生きるか」という視点からキャリアを捉える機会を提供する。
舞台としての浜松の魅力
浜松は、社会の多様な側面をコンパクトに学べる「次世代教育エコシステム」を備えた地域である。世界的に名を馳せる楽器・二輪・自動車メーカーが集積する「ものづくり都市」であると同時に、山・川・湖・海に囲まれた豊かな食文化や農業・漁業資源、さらに東海道の歴史や徳川家康ゆかりの文化的背景を併せ持っている。加えて浜松は、首都圏からのアクセスにも恵まれており、地方を学ぶ場として適している。
「WA-クリエイティブツアー2026」の実施内容
2026年度の参加予定およびプログラム内容は以下の通り。
- 対象:首都圏・関西圏の大学生
- 規模:最大約70名
- 参加大学:立命館大学、立正大学、法政大学、青山学院大学、立教大学 ほか
- 実施エリア:静岡県浜松市・遠州地域
- 実施時期:2026年9月2日~4日、2026年9月17日~19日
プログラム内容
- 地元企業の製造・開発現場の見学(製造・開発・流通などの現場体験)
- 地域課題をテーマにしたワークショップ
- 経営層・若手社員との交流対話セッション
- 食文化・一次産業の体験
- 大学講義との連動(立命館大学、法政大学、青山学院大学、立教大学にて単位化)
同ツアーは、複数の地域企業・団体が連携し、「地域全体」で学生を受け入れる点が特徴である。単なる企業見学にとどまらず、地域での仕事や暮らしを具体的にイメージできるプログラムとなっている。2026年度は、首都圏および関西圏の大学と連携し、年間最大約70名規模での実施を予定している。
主催および後援
- 主催:「WA-クリエイティブツアー2026」事務局(静岡新聞社・静岡放送、スズキ、遠州鉄道、ソミックマネージメントホールディングス、春華堂)
- 後援:浜松市、浜松商工会議所
目指す価値と今後の展開
同プロジェクトは、単なる教育プログラムではなく、「Will-being(意志ある幸福)」の実現を目指している。これは、受動的な幸福(Well-being)ではなく、自らの意志で未来を選び、社会に関わる姿勢を育む概念である。学生が地域や社会と接続し、自らの意思でキャリアを選択する力を育てることで、持続的な地域づくりと人材育成の両立を目指す考えである。
あらゆる業界で人材不足が深刻化する中、産学官連携による実践的な教育支援を通じて企業と学生の新たな接点を創出する本取り組みは、両者の新しい関係構築のモデルとして注目される。