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自動車整備士に向いている人は?7つの適性と仕事のやりがいを徹底解説

自動車整備士に向いている人の特徴を解説します。「車が好き」なのはもちろん、探求心やコミュニケーション能力も重要です。この記事では、整備士に必要な7つの適性や、仕事のやりがいと厳しさ、そして未経験から目指す方法までを詳しく紹介します。あなたの適性をチェックしてみましょう。

  • #コラム

2025/10/27

自動車整備士に向いている人は?7つの適性と仕事のやりがいを徹底解説

人々の暮らしに欠かせない「自動車」。その安全と安心を、専門的な知識と技術で支えるのが自動車整備士です。車好きにとっては、まさに「好きを仕事にできる」魅力的な職業の一つと言えるでしょう。

しかし、その一方で「自分は自動車整備士に向いているのだろうか?」「車が好きというだけ務まる仕事なのだろうか?」と、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、自動車整備士という仕事に求められる適性とは何か、性格面とスキル面から7つの特徴を詳しく解説します。さらに、仕事の具体的なやりがいと現実、そして未経験から目指す方法までをご紹介し、あなたのキャリア選択をサポートします。

自動車整備士に向いている人の7つの特徴

自動車整備士として活躍している人には、いくつかの共通した特性が見られます。あなたに当てはまるものがあるか、チェックしてみましょう。

適性

なぜ必要か

車や機械が好き

仕事へのモチベーションの源泉となる。

探求心・知的好奇心

次々と現れる新技術や複雑な故障原因を追求するために不可欠。

手先の器用さ

ミリ単位の精度が求められる繊細な作業が多いため。

地道な作業を続けられる

華やかな作業だけでなく、オイル交換や洗浄といった地道な作業が多い。

責任感の強さ

人の命を預かる仕事であり、些細なミスも許されないため。

体力

重量物の扱いや、夏冬の厳しい環境下での作業に耐えるため。

コミュニケーション能力

故障状況をヒアリングしたり、整備内容を分かりやすく説明したりするため。

車や機械いじりが好き

やはり、すべての土台となるのは「車や機械が好き」という純粋な気持ちです。自動車の仕組みに興味があり、エンジンや部品を見ているだけでワクワクする。そんな探求心が、日々の仕事のモチベーションとなり、難しい故障診断や技術の習得を乗り越える力になります。

探求心や知的好奇心が旺盛

自動車の技術は、ハイブリッド車、電気自動車(EV)、自動運転技術など、日進月歩で進化しています。また、故障の原因も多岐にわたります。「なぜこうなったのだろう?」「どうすれば直るだろう?」と、原因を根気強く追求する探求心や、新しい技術を積極的に学ぼうとする知的好奇心は、整備士として成長し続けるために不可欠な資質です。

手先が器用で細かい作業が得意

自動車は、数万点の部品からなる精密機械です。整備の現場では、狭いエンジンルーム内での作業や、ミリ単位の精度が求められる部品の調整など、手先の器用さが求められる場面が数多くあります。プラモデル作りやDIYなど、普段から細かい作業を黙々とこなすのが好きな人には、大きな強みとなるでしょう。

コツコツと地道な作業を続けられる

自動車整備士の仕事は、故障箇所を劇的に修理するような華やかな作業ばかりではありません。オイル交換やタイヤ交換、部品の洗浄、グリスアップといった、地道で反復的な作業も多く含まれます。こうした一つひとつの基本的な作業を、手を抜かずにコツコツとていねいに続けられる真面目さも、信頼される整備士になるための大切な要素です。

責任感が強く真面目

自動車整備士は、お客様の安全、ひいては命を預かる仕事です。ボルトの締め忘れ一つが、重大な事故につながる可能性もゼロではありません。「自分の整備した車が、誰かの命を乗せて走る」という強い責任感を持ち、どんな小さな作業にも真摯に取り組める几帳面さが求められます。

体力に自信がある

重いタイヤや部品を持ち上げたり、硬く締まったボルトを緩めたりと、整備の仕事は体力勝負の側面もあります。また、夏は暑く、冬は寒い工場内での作業や、中腰など無理な姿勢での作業も多いため、健康で体力に自信があることは、この仕事を長く続ける上で重要な要素となります。

人と話すことが苦ではない

「整備士は、一日中黙々と車と向き合っている」というイメージがあるかもしれませんが、実際にはお客様と接する機会も多くあります。車のどこに、どのような不具合があるのかを正確にヒアリングしたり、専門的な整備内容を、車に詳しくないお客様にも分かりやすく説明したりするコミュニケーション能力も、現代の整備士には不可欠なスキルです。

 

「好き」だけじゃない!自動車整備士の仕事内容とは

自動車整備士の仕事内容とは

自動車整備士の仕事は、単に部品を交換するだけではありません。大きく分けて、以下の3つの業務が中心となります。

点検整備(車検など)

法律で定められた定期点検(車検)や、シーズンごとの点検など、故障を未然に防ぐための予防的な整備です。エンジンオイルやブレーキフルードの交換、タイヤの空気圧調整、各種ライトの点灯確認など、定められた項目に従って車の健康状態をチェックします。

故障探求・分解整備

「エンジンから異音がする」「エアコンが効かない」といった、お客様からの訴えをもとに、故障の原因を特定し、修理する業務です。テスター(診断機)を使ったり、五感を研ぎ澄ませて異音を聞き分けたりしながら、原因を突き止めます。時には、エンジンやトランスミッションといった主要部品を分解して修理する「オーバーホール」という高度な作業も行います。

お客様への説明・提案

点検や修理の結果を、お客様に分かりやすく説明し、今後のメンテナンスについてアドバイスや提案を行うのも重要な仕事です。なぜこの部品の交換が必要なのか、費用はいくらかかるのかを丁寧に説明し、お客様に納得していただくことで、信頼関係が生まれます。

 

自動車整備士のやりがいと魅力

自動車整備士のやりがいと魅力

厳しい面もありますが、自動車整備士はそれを上回る大きなやりがいと魅力に満ちた仕事です。

お客様からの感謝の言葉

故障で困っていたお客様の車を直し、「ありがとう、助かったよ!」と直接感謝の言葉をいただけた時の達成感は、何物にも代えがたい喜びです。自分の技術が、誰かの役に立っていることをダイレクトに実感できるのが、この仕事の最大の魅力でしょう。

専門的なスキルが身につく

自動車整備は、経験を積めば積むほど技術が向上し、自身の成長を実感しやすい仕事です。次々と登場する新技術を学び、難解な故障診断をやり遂げた時の満足感は大きく、一生モノの専門スキルを身につけることができます。

社会のインフラを支える貢献度

自動車は、現代社会の物流や人々の移動を支える重要なインフラです。その自動車の安全を守る自動車整備士は、社会的な貢献度が非常に高い仕事と言えます。自分の仕事が、社会の安全・安心を根底から支えているという誇りを感じることができます。

知っておきたい自動車整備士の厳しさ

やりがいが大きい一方で、厳しい側面も理解しておく必要があります。体力的な負担に加え、常に新しい技術を学び続ける勉強熱心さが求められます。また、人の命を預かるというプレッシャーは常に伴います。給与面に関しても、経験や資格、勤務先によって差があるのが現実です。

 

女性や未経験でも自動車整備士になれる?

女性や未経験でも自動車整備士になれる?

もちろん、なれます。近年は、女性整備士の活躍も増えています。

体力的な不安をカバーするツールの進化

昔に比べて、重いものを持ち上げるためのリフトや、力を補助する電動工具などが充実しており、女性や体力に自信のない方でも働きやすい環境が整ってきています。ていねいさや細やかな気配りといった、女性ならではの強みを活かせる場面も多くあります。

未経験から目指すためのステップ

自動車整備士になるには、国家資格が必要です。高校卒業後、自動車整備の専門学校に2年間通い、「二級自動車整備士」の資格を取得して就職するのが最も一般的なルートです。社会人向けの夜間コースや、働きながら資格取得をサポートしてくれる「整備士見習い」の求人もあります。

【関連記事】自動車整備士の資格取得ガイド!種類や難易度、合格への近道を解説 | BSRweb | 株式会社プロトリオス - PROTO-RIOS INC.

参考:物流・自動車:自動車整備士になるには - 国土交通省

まとめ:一つでも当てはまれば適性あり

「車が好き」という気持ちはもちろん大切ですが、それ以上に「原因をとことん追求する探求心」や「地道な作業をいとわない真面目さ」、そして「お客様の安全を守る責任感」が、自動車整備士には求められます。

今回ご紹介した7つの特徴に、一つでも強く共感できるものがあれば、あなたは自動車整備士としての素質を十分に秘めています。ぜひ、夢への第一歩を踏み出してください。