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古清水商会、「第33回泉クラブ」を開催 ー工賃単価の交渉の実態などについて、国交省と鈑金塗装工場が意見を交換
2025/06/27
古清水商会(下山正晴社長、本社=東京都江戸川区)は5月22日、タワーホール船堀(同区)で第33回泉クラブを開催した。
開会に当たり下山社長は、「泉クラブは車体整備業界の役に立ちたいという思いから、情報の提供や共有の場として2016年に開始した。本日は国土交通省から整備事業指導官・村井章展氏にも参加いただくことができた。同氏を交えた座談会も予定しているので、ぜひ幅広い情報の収集に役立てていただきたい」と挨拶した。
第1部では、日本自動車車体整備協同組合連合会・技術副委員長の斎藤和実氏が今シーズンの講師として登壇し、国交省の施策をテーマとして講演。昨年3月に発表された「車体整備の消費者に対する透明性確保に向けたガイドライン」、今年3月に発表された「車体整備事業者による適切な価格交渉を促進するための指針」について、それぞれが策定された経緯と目的、その内容を解説した。講演の最後に斎藤氏は「国交省の指針に準拠してエビデンスを残し、損害保険会社などに対して根拠を持った料金交渉をすることが重要である。しっかりと人件費を確保して、次世代に技術をつなげていかなければならない」と述べ、業界の将来のためにも、各社が適正な工賃単価に向けて交渉していくことが重要との認識を示した。
続く第2部では、国交省物流・自動車局自動車整備課整備事業指導官・村井章展氏、日車協連調査研究委員長・泰楽秀一氏、同技術副委員長・篠田和也氏が登壇し、斎藤氏がファシリテーターを務め、参加者との座談会を開催。参加者からは業界内で用いられている指数と実工数の乖離や損保会社のアジャスターによる対応の差、特定整備認証制度、訪問特定整備制度など幅広い話題や質問が挙げられた。
村井氏は各テーマに対し、行政の取り組みや今後の方向性についてていねいに解説。また、車体整備事業者と損保会社との工賃単価の交渉に関しては、「一度指針を出したからといって、直ちに問題が解決するとは考えていない。指針を受けた関係各所の反応を見つつ、そのアップデートや損保会社との対話なども必要になると認識している。本日いただいた意見や情報提供窓口から受けた情報を、今後の施策にしっかりと活かしていきたい」と述べ、車体整備業界からの継続した情報提供を呼びかけた。