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日産アリア(FE0、SNFE0)車販のポイントは?【売りたい車図鑑】

最もベーシックな「B6」FF車でも装備と走行性能は充分以上。最大のライバルはヒョンデ・アイオニック5

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2023/09/11

【車販のポイント】
 グレードはバッテリー容量と駆動方式によって分けられており、バッテリー容量66kWhのモデルには「B6」、91kWhのモデルには「B9」の名が与えられる。

 160kW(218ps)と300Nm(30.6kgm)を発する(「B9」FF車のみ最高出力が178kW(242ps))AM67型モーターをリヤにも搭載し、電子制御4WD「e-4ORCE」(イーフォース)を実装する4WD車には、さらに「e-4ORCE」の名が冠され、それぞれグレード名は「B6 e-4ORCE」「B9 e-4ORCE」となっている。

 日本では2021年6月4日より、ローンチエディションとなる限定車「リミテッド」の予約注文受付を開始(2022年9月21日に受付終了)。同年11月12日より、カタログモデル「B6」FF車の予約注文受付を開始した(本稿執筆(2023年9月)時点では注文受付一時停止中)。


【グレード一覧】
《リミテッド》
B6リミテッド(FF)…660万円
B6 e-4ORCEリミテッド(4WD)…720万600円
B9リミテッド(FF)…740万800円
B9 e-4ORCEリミテッド(4WD)…790万200円

《カタログモデル》
B6(FF)…539万円


 前述の動力性能、バッテリー容量、駆動方式を除き、グレード間の装備差は非常に少ない。以下にその代表例を列挙する。


<「B6」のみ標準装備>
・集中ドアロック

<「B6」以外に標準装備>
・車速感応式オート集中ドアロック/衝撃感知式ドアロック解除システム

<「B6」「B9」(FF車)に標準装備>
・ドアサッシュモール(シルバーメタリック)

<「B6 e-4ORCE」「B9 e-4ORCE」(4WD車)に標準装備>
・アクティブ・サウンド・コントロール
・キッキングプレート(フロントドア、リヤドア)
・ドアサッシュモール(グレーメタリック)

<「B9 e-4ORCE」以外に標準装備>
・運転席パワーシート(スライド、リクライニング、リフター、前後独立リフター、2WAYランバーサポート)
・235/55R19 101Vタイヤ&19インチアルミホイール(19×7.5J)、インセット:40、P.C.D.:114.3(5穴)

<「B9 e-4ORCE」のみ標準装備、その他は設定なし>
・255/45R20 101Vタイヤ&20インチアルミホイール(20×8J)、インセット:45、P.C.D.:114.3(5穴)

<「B9 e-4ORCE」のみ標準装備、その他はメーカーオプション(ただし「リミテッド」は全車標準装備)>
・プロパイロットリモートパーキング
・ステアリングスイッチ(アドバンスドドライブアシストディスプレイ設定、オーディオ、ハンズフリーフォン、プロパイロット2.0)
・ヘッドアップディスプレイ(プロパイロット2.0情報表示機能、カラー表示)
・アドバンスドアンビエントライティング
・運転席パワーシート(スライド、リクライニング、リフター、前後独立リフター、4WAYランバーサポート)
・前席ベンチレーションシート
・ダブルシャークフィンアンテナ
・プロパイロット2.0

<全車メーカーオプション(ただし「リミテッド」は全車標準装備)>
・ボーズプレミアムサウンドシステム&10スピーカー
・ナッパレザーシート(ブルーグレー・抗菌仕様)
・パノラミックガラスルーフ(電動チルト&スライド、電動格納式シェード付き、リモート機能付き)
・クリアビューパッケージ(ワイパーデアイサー、リヤLEDフォグランプ)

<全車メーカーオプション(「リミテッド」には設定なし)>
・ルーフレール

ブルーグレー・抗菌仕様のナッパレザーシート

 なお、ローンチエディション「リミテッド」の専用装備は以下の通り。

・リミテッド専用キッキングプレート(フロントドア、リヤドア)
・リミテッド専用色フロアカーペット“石庭調”
・リミテッド専用色19インチアルミホイールカバー(「B9 e-4ORCEリミテッド」には非装着)
・リミテッド専用ボディカラー(NBQバーガンディ(PM)/GATミッドナイトブラック(P)(2トーンカラーとしての塗色コードはXGG))
・リミテッド専用ボディカラー(KAYシェルブロンド(M)/GATミッドナイトブラック(P)(同XGV))

日産アリア「リミテッド」専用ボディカラー。左がXGG、右がXGV

 なお、ブラックまたはグレーのスエード/合皮コンビシートは、カタログモデルでのみ選択可能となっている。

グレーのスエード/合皮コンビシート

 本稿執筆(2023年9月)時点では「B6」FF車のカタログモデルも注文受付が一時停止されているが、受注再開の折には「B6 e-4ORCE」「B9」「B9 e-4ORCE」のカタログモデルも順次、販売が開始されると見込まれる。

 その前提でオススメグレードを考察すると、今回テストした「B6」FF車でも装備は充実しており、また豪雪地帯や片道400km超の旅行・帰省で使用しない限りは動力性能面も申し分ない。外気温30℃超の酷暑でエアコンを常時23℃に設定し、電費を意識せずに走行しても、メーター上の予想航続距離を信用すれば、一充電で400km以上を問題なく走りきれるようだった。

 これにどのメーカーオプションを追加するかが問題となるが、プロパイロット2.0(高速道路の走行頻度が高い人向け)&プロパイロットリモートパーキング(狭い場所に車庫入れする機会が多い人向け)、クリアビューパッケージ(寒冷地向け)以外は、カーオーナーの好みで取捨選択してよいだろう。

12.3インチのフルデジタルメーター。ODO/TRIPは右下に表示され、切り替えはメーターパネル右上側面のスイッチで行う

 競合車種は国産車がトヨタbZ4X/スバル・ソルテラ、輸入車はフォルクスワーゲンID.4、ヒョンデ・アイオニック5、BYDアット3など。この中でもアイオニック5はサイズ、価格帯とも近く、また前衛的な内外装デザインを採用する面でも、最も近いライバルと言える。

 100V/1500Wコンセントがオプションでも設定されておらず、エアコン冷媒はHFC134a、また前輪駆動が基本(アイオニック5は後輪駆動が基本)という面では不利なものの、内外装と走りの質感、洗練されたADAS(先進運転支援システム)の制御に関しては、アリアが大きな強みとするところ。

 また、最小回転半径がアリアは5.4m、アイオニック5が5.99mと小さく、全幅もアリアが1850mm、アイオニック5は1890mmと、日本の狭い町中を走るうえでは圧倒的に有利。

 こうした優位性を、可能な限り試乗を通じてカーオーナーに体感してもらい、成約に結びつけたい。


(文=遠藤正賢 写真=日産自動車、遠藤正賢、ヒョンデモビリティジャパン)

ヒョンデ・アイオニック5