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リビルト部品と燃料添加剤でディーゼルエンジンのメンテナンスコストを大幅に節約できる!?【ジャパントラックショー2022:アイテムワン】

リビルト部品のメリット・デメリットと自社開発の燃料添加剤「煤殺し」の特徴を紹介

  • #イベント

2022/05/22

 2022年5月12~14日にパシフィコ横浜で開催された、トラック・輸送業界の展示会「ジャパントラックショー2022」で、総計約40本が公開された講演・ワークショップ。

「修理代を劇的に安くする『リビルト品』の選び方&国内最強レベルの『燃料添加剤』」には、アイテムワンの浅野翔氏と北川翔氏が登壇。DPFをはじめとするディーゼルエンジン関連のリビルト部品を取り巻く現状と、アイテムワンが開発した燃料添加剤「煤殺し」シリーズについて解説した。

アイテムワンの浅野翔氏と北川翔氏

 冒頭、浅野氏が「トラックの整備で一番お金のかかる部品は?」と会場の聴講者に問うと「エンジン」、次いで「トラックの高額整備(10万円以上)の中で一番発生件数が多いものは?」と問うと「DPF」との回答を得て、トラックの高額整備に関する統計データを紹介した。

トラックの主な高額整備の平均整備費用と発生件数に関する統計データ

 そして、車両自体の進化とともに整備費用も年々高額化する傾向にある中、「この修理コストを半額以下にできる」(浅野氏)方法として、アイテムワンが主力とする、日本全国から買い取った中古DPFをリビルトした部品を提案。

・商品価格が純正新品の半値程度
・リサイクル部品のため環境にやさしい
・純正新品より納期が早いケース多数

ということをそのメリットとしつつ、統一された品質基準がなく保証期間・内容が会社によって異なるというデメリットも明示したうえで、アイテムワンにおけるDPFリビルト・検査工程を紹介し、品質基準の高さとコストメリットをアピールした。

純正新品とリビルト品の参考価格表

 その後、DPFが壊れる前に対処する方法として、アイテムワンが開発した燃料添加剤「煤殺し」シリーズの特徴を説明した。

「煤殺し赤」は、一般的な酸化鉄に対しPMとの反応温度が低いためDPF内部を溶かしにくい酸化セリウムを用いることで、DPF内に蓄積されたPMを焼却しDPFを再生する効果をアップさせる。

「煤殺し青」は、汚れを溶解・分散する清浄分散剤、着火性を高めてPMの発生量を抑えるセタン価向上剤、金属表面に吸着膜を形成した潤滑性能を高める油性向上剤を配合し、インジェクターをはじめ燃料系統全体を洗浄する。

「煤殺し極(きわみ)」は「煤殺し赤」と「煤殺し青」の特性を兼ね備え、いずれもディーゼルエンジンのメンテナンスコストを大幅に低減するものとして、積極的な導入を呼びかけていた。

酸化鉄添加剤と酸化セリウム添加剤との性能比較表

 ワークショップの最後には、DPFに関するアイテムワンの研究・調査データを公開。かつて輸入販売を検討した中国製の社外新品触媒は白金の含有量が少なく、純正新品はもちろん中古・リビルト品と比較しても半分以下のため、自社所有のいすゞ・エルフに装着すると白煙が発生するようになったという事例のほか、リビルトDPFの生産前検査工程において蓄積されたデータとしてSiC(シリコンカーバイド)製のものよりコージェライト製の方が溶損しやすい傾向にあるという調査結果を披露し、注意を呼びかけていた。


(文・写真=遠藤正賢/図=アイテムワン)

いすゞ・エルフ用触媒に含まれる白金含有量の比較データ。単位はppm