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    日産エクストレイル(T33系)整備のポイントは?【売りたい車図鑑】

    国内初設定「VCターボ」のエンジンオイルは日産純正「SPストロングセーブ・X」0W-20が指定銘柄

    • #特集

    2024/10/29

    【整備のポイント】
     日本仕様は可変圧縮比エンジン「VCターボ」とシリーズハイブリッド「e-POWER」第二世代の組み合わせのみを設定。

     フロントモーターはFF車・4WD車とも150kW(204ps)と330Nm(33.7kgm)を発するBM46型、4WD車のリヤモーターは100kW(136ps)と190Nm(19.9kgm)を発するMM48型。発電用エンジンはKR15DDT型1.5L直列3気筒「VCターボ」で、106kW(144ps)と250Nm(25.5kgm)を発する。

    「VCターボ」と「e-POWER」の配置イメージ

    「VCターボ」はクランクピンとコンロッドの間にリンクを介し、その下にピストンの上死点の位置をシームレスに変化させることができるリンク機構を備えることで、圧縮比を8.0~14.0の間で変化させることを可能にしたもの。海外ではインフィニティQX50に搭載されたKR20DDT型2.0L直列4気筒ターボが初出だが、日本ではこのエクストレイルのKR15DDTが初採用となる。

     エンジンオイルは日産純正「SPストロングセーブ・X」0W-20が指定銘柄とされている。

    「VCターボ」の圧縮比を連続変化させるリンク機構のカットモデル。写真はKR20DDTのもの

     エンジンおよびインバーター・インタークーラーの冷却にはいずれも「日産純正スーパーロングライフクーラント」が指定銘柄とされている。なお、市販されている水漏れ防止剤などの添加は「走行用モーターやインバーターなどが破損するおそれがあるため」不可とされている。

     ギヤボックスと4WD車のリヤファイナルドライブオイルは前後とも「日産純正マチックフルードS」が指定銘柄として用いられており、それ以外のオイルは損傷のおそれがあるため使用不可とされている。

     駆動用バッテリーはいずれもリチウムイオン式で、容量は1.8kWh。

     補機バッテリーは荷室床下に搭載されているが、ジャンプスタートを行う際はブースターケーブルをエンジンルーム内・ヒューズボックス横の+端子および、助手席側ヘッドライトの後ろにあるアース線の端子に接続する。

     エアコンの冷媒はHFO-1234yfで容量は550g、エアコンコンプレッサーオイルはPOE(ポリオールエステル)、蛍光剤は使用不可。PTC素子ヒーターは全車標準装備。

    日産エクストレイルG e-4ORCE(4WD車)のエンジンルーム。ジャンプスタート用の+端子は助手席側にあるヒューズボックスの横に備わる

     ADASに関しては、ウィンドシールド上端中央の単眼カメラとフロントグリル内部のミリ波レーダー、前後各6個のソナー、リヤバンパー内側両端のサイドレーダー(一部改良前後とも「G」系と「X」系に標準装備、「S」系に設定なし)、前後左右の広角カメラ(一部改良前は「G」系のみ標準、「X」系はメーカーオプション、「S」系は設定なし。一部改良後は全車標準装備)で構成される。設定される主な機能は以下の通り、

    【全車標準装備】
    ・ヒルスタートアシスト
    ・インテリジェントエマージェンシーブレーキ
    ・踏み間違い衝突防止アシスト
    ・標識検知機能(進入禁止・一時停止・最高速度標識検知)
    ・インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)
    ・インテリジェントLI(車線逸脱防止支援システム)
    ・LDW(車線逸脱警報)

    【「G」系と「X」系に標準装備、「S」系に設定なし】
    ・プロパイロット(ナビリンク機能付き)
    ・インテリジェントBSI(後側方衝突防止支援システム)
    ・BSW(後側方車両検知警報)
    ・RCTA(後退時車両検知警報)

    【「G」系に標準装備、「X」系にメーカーオプション、「S」系に設定なし】
    ・SOSコール

    【「G」系にメーカーオプション、他は設定なし】
    ・アダプティブLEDヘッドライトシステム(オートレベライザー付き)

    【「G」系に標準装備、他は設定なし】
    ・プロパイロットパーキング
    ・ヘッドアップディスプレイ

    【4WD車にのみ標準装備】
    ・アドバンスドヒルディセントコントロール

    日産エクストレイルG e-4ORCE(4WD車)のフロントまわり。単眼カメラはウィンドシールド上端中央、ミリ波レーダーはフロントグリル中央、ソナーはロアバンパー中央に2個、アッパーバンパーに4個、サイドレーダーはバンパー左右に1個ずつ装着される

     そのほか、リヤバンパーにキックセンサーを内蔵し、ハンズフリー操作に対応する「リモコンオートバックドア」を、一部改良前後とも「G」系に標準装備、「X」系にメーカーオプション。「S」系には設定されない。


    (文=遠藤正賢 写真=遠藤正賢、日産自動車)

    日産エクストレイルG e-4ORCE(4WD車)のリヤまわり。ソナーはロアバンパーに4個、アッパーバンパー左右に1個ずつ、サイドレーダーはバンパー左右に1個ずつ装着される

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