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    金融庁、工賃単価に関する調査結果を公表

    • #ニュース

    2024/03/05


     金融庁は2月29日、日本自動車車体整備協同組合連合会に加盟する全国の自動車車体整備事業者などを対象に行った、保険会社との時間当たりの工賃単価に関するアンケート調査の結果を公表した(https://www.fsa.go.jp/news/r5/hoken/20240229/20240229.html)。アンケートは日車協連に加盟する各単組の組合員を対象に3,151事業者から回答を得た(回収率は74%)。
     調査結果では、2023年4月以降の時間当たりの工賃単価について、前年度よりも引き上げられた事業者は77.7%となった。
     引き上げられた金額については、前年比3%以上の引き上げが30.3%と最多を占めた。その一方で、2022年の消費者物価指数の前年比2.5%の伸びを上回る引き上げに満たなかった割合が53.6%と半数を超えた。
     2023年4月以降の工賃単価について協定済みと回答したうち、改定後の工賃単価について納得していないという回答が68.2%となった。特に人件費・材料資材・光熱費等の物価上昇に見合っていないといと答えた事業所が多かった。
     
     全体的に時間当たりの工賃単価について保険会社は増やす方向で動いていることが明らかになった一方で、工賃単価の上昇幅が消費者物価指数の上昇率未満の事業所が53.6%と半数を超えており、それだけで単純な物価上昇分についてすら認められていない実態が明らかになった。

     また、アンケートでは2023年度の工賃単価協定状況について、55.7%も協定していると回答しているが、実際はほとんどの事業所が協定をしていないのが実態であろう。時間当たりの工賃単価について、保険会社と車体整備の事業所が何らかの書面など交わして毎年取り決めている事業所は極少数派であり実態を反映していない。
    設問では「Q1.2023年4月以降の工賃単価について、損害保険会社と協定されていますか?」とたずねており、事業者は毎回実施する修理協定のことと勘違いした恐れがある。
    また、工賃単価に納得できない理由について、「人件費・材料資材・光熱費等の価格上昇に見合っていない」が278件としているが、人件費と、材料資材・光熱費等は分離して設問を設定しておくべきであったと見られる。
    理由は、物価上昇に満たない時間当たりの工賃単価のアップであり、そも人件費の上昇まで手が回っていない。給与は据え置きとなっている事業所が多い。そこに初手から人件費と記されてそこにチェックを入れるか迷う人間が出てくることは想像に難くない。
     総じて、保険会社は時間当たりの工賃単価について認める方向で動いていることは間違いない。ただ、事業所によって色が付いていることがアンケート結果からも読み取れる。
     日車協連は団体交渉に向けて準備を進めている中、工賃をどれだけ勝ち取れるかは、個社ごとのレーバーレートの把握や時間当たりの工賃単価についての説明力に掛かっている。

    コメント

    • エイちゃん

      2024/03/17 07:39

      この記事から読み取れることは、金融庁は損害保険会社と修理業者の協定行為そのものを肯定しており消費者に与える影響は損害保険会社と修理工場側の協定により自分(被害者・被保険者)たちの賠償金や・保険金が決まることが前提(周知の事実)として語られており、消費者に誤解(錯誤)を与えることとなり正確な情報として伝わらない。

      この様なアンケートを受け入れてる日本車体整備協同組合連合会も根本を理解できてないと言わざるを得ない、こちら(業界代表)からアンケートの不備や設問について金融庁に物を申すことが出来ないなら、各単組に協力を求めてアンケートを求めるべきでない。

      そもそも損保と修理業者の修理費と称する保険金算定基準での協定行為が修理業者が保険金が自分たちのもの(自分たちの請求する修理代)と勘違いする要因なのとなっているし、自分たちの修理代金(売値)と損保との協定には何ら権利関係は存在してないしだから。

      なぜ損保から修理代について修理代の決め方を押し付けられないといけないのか、修理代は自由競争市場の中で消費者と修理業界個々の企業で決める契約ごとであり、損保の保険金を決める自社都合の物差しは参考にはならない。
      それを自分たちの経営指標として一番大事な工賃単価(レバーレート)をなぜ損保と協議して決めなければなならないのか(業界と決めれば談合)。
      事故直前に普及する修理費が支払保険金の基となる以上、消費者がその修理を依頼する修理工場の修理代が基となるのは当たり前の事であり、その修理代が社会通念上不当な価格でない限りそれが保険金となるのは当たり前のことである。
      この当たり前を理解できない損保も業界代表組合も消費者志向であるとは言えないし、金融庁も間違った誘導をしてると思う。
      なお不当な修理費見積もりをする修理業者は当然消費者からは支持されないし、その企業は淘汰されるのものであり、それが市場経済を標ぼうする国の在り様だと考えてます。
      また、金融庁が消費者のために仕事をしてるとは考えにくい、金融庁は消費者のために損害保険会社を指導取り締まる側なのだから、言葉は悪いですが「本来の仕事をしろ」といいたい。

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