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    ★対談企画★鈑金・整備業界の人材【株式会社サクラボ様】その2

    株式会社サクラボ菊池氏+BSRweb編集長石本

    • #インタビュー
    • #その他

    2023/10/06

    ~その1からのつづき~

    【サクラボ菊池】
    そうですね。手取りとしては、だいたい額面から2割ぐらいはどの会社さんでも減りますし、ケースによっては積み立てみたいなのがあったりするので、社会保険とは別に天引きされるケースもあったり。
    その辺はみなさん転職される時にしっかり内定通知書というか、明示書法的に「こういう待遇です」っていうのを、正式に採用になる前に、取り交わさなきゃいけないと思います。そういった時にもしっかり求職者のかたがついていただくだったりとか。
    企業さんはそこをちゃんと明確にしないと後々入社した後に、「聞いていた話と違う」でもめたりとか。正直、一番現場として避けたいのって、入社して2週間ぐらい一生懸命教えて、でもやっぱ納得いかないから辞めますって辞められること。
    人事担当者さんもそうですし、そのかたに付いた先輩の時間も無駄なになる。
    自動車業界でも板金塗装でもそうですが、忙しい仕事なので、教えるって結構自分の時間も取られて手間な部分があると思っていて、トータルでみるとあまりいい影響がない。
    その辺はしっかり面接時だったり、内定時にお互い話し合って頂くのが一番皆さんのためなのかなあとは思います。

    【プロトリオス石本】
    なるほど、ありがとうございます。
    これもちょっと話していただける範囲内でいいですが、採用時のトラブルを、採用前のトラブルじゃなくても、入った後のトラブルもそうですし、そういうところで、御社もしくはそれ以外でも気になる話で、考えられるトラブルみたい話しってありますか?

    【サクラボ菊池】
    そうですね、やはりトラブルとして多いのは本当に給料面ですね。やっぱ求人票との記載と実際の面接時に提示される額面がまあ著しく違った場合とかは。内定企業さんが内定出して、それと同時に、おそらく月給具体的にこのぐらいですっていう話されると思うんですけど、やはりそこでトラブルに。ただそこまではまだいいんですけど、そこの手順のところで「現在勤めている会社にも退職するって言ってくださいね」って言った後に、そこが発覚するケースが一番トラブルになります。
    特に在職中のかたが面接に来られる場合は、給与提示のタイミングであったりとか、入社していただくために、今の職場を退職する話のタイミングっていうのは、しっかりお話していただかないと「ちょっと前の会社辞めるって言っちゃったよ。」「思ってた額と全然違うじゃん。」が一番もめちゃって。
    もうどっちも、もうどうにもできなくなって、企業さんの方が折れて給料上げるかってなっても、そこのしこりは残っちゃうので。おたがい気持よく働けないと思うので、その辺は採用の時に、やはり気をつけていただく流れかなと思います。

    【プロトリオス石本】
    ありがとうございます。

    【サクラボ菊池】
    はい。

    【プロトリオス石本】
    ちょっと次ですね。つい最近の特定技能の二号ですかね?二号に自動車整備のほうが追加されたっていうのは、うちの業界の中でもすごく大きな話題になりましたけれども、この辺について、人材や転職、今の整備士のリクルーティング含めたところに及ぼす影響というのは、貴社はどのようにお考えですか。

    【サクラボ菊池】
    そうですね。そもそも、間違いなく日本の人口が減ってきているので、自動車整備だったり板金塗装に限らず、恐らく外国の方の労働力って必要になってくると思います。
    実際整備士さんも、特定技能に限らず、外国籍の方が年々増えてきているので、うちのサイト自体の登録もそうですし、人材紹介の方のご相談も露骨に増えてきています。
    特定技能制度を活用されるのか、そもそも就労ビザとか、留学で入ってこられて日本の整備士学校で学んで、就業ビザでそのまま職について働かれている方とかを、ちょっと言い方悪いですけど「活用」というか、その力を借りていくかっていうのは自動車業界もそうですし、それ以外でもおそらく必要なんだろうなと。
    在留ビザの方もそうですけど、特定技能の方とかも入管の手続きだったりとか、そういったところのフォローは企業さんとしても絶対に必要になってしまうので、そのあたりは企業さんでしっかり覚えていただくのもそうですけど、そういった専門の何か活用いただくであったりとか、まあそういうのをやって行きつつ、企業さんとしても外国人の方を受け入れる体制っていうのを作っていかないと。
    それこそ職場の雰囲気も含めて、周りのスタッフさんとの関わり方であったりとか。1人目を入れるのってすごい大変だと思うんですけど、そこは職場として慣れていかないと、多分今

    【サクラボ菊池】
    そうですね。特定技能だったり、今も継続でありますけど、その前の技能実習生とかって、その制度自体は本来「労働力」ではなく「技術を学んで国に帰っていただく」のが前提だったりとかなんですけど、現場で受け入れる企業さんの意識としては、向こうにとっていい待遇で、こっちは賃金抑えられて、労働力として帰れるからと思っている方が結構いらっしゃるっていうのは今の正直な実態だと思います。
    ただそもそも日本自体の賃金が上がっていなくて、外国がどんどん上がってきているので、このままいくとその考えがそもそも成り立たなくなっていく可能性はありますね。
    むしろ日本が安い国なので日本人使った方が安かったりとか、日本にわざわざ出稼ぎじゃないですけど、行く意味っていうのがどんどん薄れていく可能性も正直あるので。

    【プロトリオス石本】
    そうですよね。なんか逆になるんじゃないかって話も。日本人が出稼ぎにいく時代に。

    【サクラボ菊池】
    あり得ますね、実際。中国とかで稼働している工場でも、中国とか極力止めて国内回帰していたりとか。今まで、外国に工場を持っている理由って外国の方が人件費だったりとか、材料費が安いからっていうのがあったと思うんですけど、それもちょっと崩れ始めている昨今なので。

    【プロトリオス石本】
    もう先進国じゃないぞと思う。そういうあのうちの方が先進国で。

    【サクラボ菊池】
    そうですね。一応先進国ではあるんですけど、ううん…っていう状態だったり。
    まあ自動車業界のところで難しいのは、今後車も自動化されていったりとか。
    特にテスラさんなんて本当分かりやすい例ですけど、整備士がやらない整備っていうか、基本車の中はコンピューターなので、遠隔で操作するとかってなってきた時に、そもそもどれだけの数の整備士さんが必要なのか頭をよぎっている業界の経営者の方々は多いと思うんですね。で、あまりにも採用し過ぎても、その後やることが果たしてあるのかとか、まあちょっとこれ記事にできるかどうか難しいところですけど。
    ただ日本には車検制度があり、国が絡んでいるので車検業務がなくなるってことはほぼ考えられないと思うんですよ。外国ってそもそも車検制度がなかったりとかの国が多い中で、日本は二年に一回だったりとか、商業者だと毎年とか必ずやらなきゃいけない。車検っていう整備がある、検査があるので一定数の人員が、必要なくなることはない。おそらく国がそれやらないですっていうことはないとは思う。普段の整備の部分で、体を動かして直さなきゃいけない物ってのは絶対あるんで、整備士さんが必要なくなることはないと思うんです。
    板金塗装で言うと、どんどん安全装置が進んでぶつからなくなっていくであったりとか。
    で、どこまで将来を見据えたときに人間が必要なのか。やはり外国人の方も入れないと回らない状況は検討しないといけないところではあるんですけど、果たして20年後って考えた時に今の人数本当にいるのかとか。

    【プロトリオス石本】
    そうですね。そもそも本当に人材不足なのかっていうどのスパンで見る場合よって全然変わってくるんですよね。

    【サクラボ菊池】
    現状は本当に人材不足ですけど、ここで例えば20代の方をすごい入れたとしたら、その方って定年まであと約40年あって40年後にどれだけ整備の人っているんだろう?

    【プロトリオス石本】
    そうですね、怖くなってくる話ですよね。

    【サクラボ菊池】
    なんで経営されている皆さんとしては、判断迷うとこだと思うんです。
    あと整備だけじゃなく、営業マンに関してもですけど、やっぱりテスラさんは本当に露骨ですけど、基本ネットで売る。で国内の国産のディーラーさんでも一部ネット販売を始めていたりとかすると、果して営業の人って今の人数いるのかなっていうのもあるので。
    その辺は結構、自動車業界の経営者の方々は、将来を見据えると悩ましいところ。今は足りないけど、将来本当にこのまま足りないのかであったりとかは、非常に判断が難しいところだなとは。正直、我々もちょっとそこ読めないところではあるんで。

    【プロトリオス石本】
    そうですね。大半のホワイトカラーの仕事が置き換わるって言われてる。もう全然、他人事ではないんですよ。僕らもそうなんですよね。記者を雇うのも同じ感覚だと思うんです。20年も記者する?みたいな。

    【サクラボ菊池】
    そうなんですよ。やっぱりありえるので。どういった人材人物像の人なのかも含めて。
    ただ現状の人が足りないところの、背に腹は変れないっていう部分もあると思うので。計画的に採用を考えていかないといけないのかなと。人が足りなくなったから「はい、ほしいです」って言っても、業界的にそうそうすぐに応募が潤沢に発生して、人が選べる状態でも無いので。余剰人員は抱えたくないものの、とは言え少しゆとりあるぐらいの人員体制にしておかないと、欠員出た時に「こういう人ほしいです」ってゆって求人を出しても簡単に来ないですし。で、紹介会社さんとかに相談しても、紹介会社自体も整備士集めるのが非常に大変なので、すぐすぐご紹介できないっていう現状が起きている。

    【プロトリオス石本】
    そうですね、確かに。もうこれ人口統計とか人口動態とか、その辺ってどの統計もデータよりもめちゃくちゃ確実性のある分野と思うんですけど、この話も全然インタビューを離れますけど。

    【サクラボ菊池】
    ずっとですね、ありますよ。はい、はい。

    【プロトリオス石本】
    僕の何も分かってたんっていうのが僕からあのもう20急に人口減るわけじゃないんで、もうこの状態になるってことはもう20年前か、まあ25年、30年前に、その当時の人はわかってたはずなんですけど、急に。でも、その時はなんか逆に嫌。これから増えすぎる人口のとかってなんかほら、あの授業のときは人口爆発はとか。

    【サクラボ菊池】
    はい、はい、はい。えっちゃんと将来見てあの今偉そうに言って、そのあの経営者の人が60とか50過ぎの人とか、もう70ぐらいの人も含めてわかってたのに、ずっとスルーしてたなみたいなところはちょっと。やり場のない憤りみたいものは今ありますよね、本当に。

    【プロトリオス石本】
    あるんですよ、分かってたでしょ?こうなるのは。

    【サクラボ菊池】
    今、日本で超高齢化で人口減ってきてるじゃないですか?世界的にこの現象起きてから人口増えた国って無いらしいです。

    【プロトリオス石本】
    なんかある程度受け入れなきゃいけないっていうか。この状態になるじゃあな。30年後一1億人をきるとか半分近くになるとかって、もう見えて分かってることなんだからそこにアジャストするような政策とか論議が正しく、国全体で、しかもあらゆる業界で行われて行かないといけないと僕は思います。先ほどのお話じゃないですけども、当然、今も必要なんですけど、国策というか、逆算して真剣にそれこそ国会でもやらなきゃいけないことなんだとも思うのです。

    【サクラボ菊池】
    だと思いますね、本当に。本当にそうですね。

    ×【プロトリオス石本】
    雇用も人口の問題も、喫緊の課題っていう感覚が微塵も感じられない。
    今のままでは国を捨てて海外に出て行く人が多なる印象です。

    【サクラボ菊池】
    本当そうですよね?

    【プロトリオス石本】
    その答えはどう解決するかっていうのが、先ほど厳しい話の中で、色々ヒントがたくさん散りばめられてたと思うんですけど。

    【サクラボ菊池】
    将来的にどのぐらい整備士だったりとか、スタッフが必要になるかって正直分からないところではありますけど。
    ただ、外国の方が国内に増えていくっていう流れはきっと当面止まらないと思うので、やはり早い段階でそういった方の採用も、それが留学生なのか特定技能なのかとか、こっちに永住権持ってる方なのかとかは、正直どれでもいいって言ったらあれですけど。外国の方と仕事をするっていうことに慣れておく必要はあるかなと。
    どうしてもお客さん対応って、よほど日本に長くいらっしゃらないとできないところがやっぱ多いと思うんで。

    【プロトリオス石本】
    そうですよね。


    ~その3へつづく~


    その3

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